3CCDカメラシステムは、レンズからの入射光を高精度なダイクロイックプリズムにより光の3原色(R・G・B)に分解し、3枚のCCDで独立して撮像するため、すぐれた色再現性と解像力が得られます。DCR-TRV900では、CCDが受けとめた全ての画素の情報を一気にスキャンして読み出す新開発のプログレッシブスキャンCCDを採用。動画ばかりでなく、デジタルスチルカメラとしても優れた能力を発揮。さらに3CCD方式ならではの豊富な情報量を余裕を持って生かす広ダイナミックレンジ設計の3CCD用低電圧サンプルホールド& AGC IC、プログレッシブスキャン対応3CCD用デジタル信号処理ICなどソニー先進のデジタル技術と半導体技術を投入しました。
※1998年7月新聞報道。民生用ビデオカメラとして。
■新ダイクロイックプリズム
分光特性を最適化したダイクロイックプリズムにより色の再現性を改善。さらに新設計のダイクロイックフィルターで、垂直方向の解像力の向上を実現しました。
■新開発38万画素プログレッシブスキャンCCD
撮影素子には、DVフォーマット用に向けて新たに開発された1/4インチ38万画素(総画素数)のプログレッシブスキャンCCDを3枚使用。このCCDは、動画撮影時に適したインターレーススキャン方式と静止画撮影に適したプログレッシブスキャン方式を任意に切り換えて使用可能。プログレッシブスキャンでは、1フレーム分の情報を一気に読み出して画像を構成しますので、垂直解像度がインターレーススキャン方式に比べ2倍高く、かつブレの少ない静止画が得られます。
インターレーススキャン 1/60秒毎に奇数フィールドと偶数フィールドを交互に読み出し、滑らかな動きの動画記録が可能。この方式によるフレーム画像の静止画は動きによるブレが出やすくなります。
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インターレーススキャン方式(1フィールド:1/60秒) |
プログレッシブスキャン
1フレーム分の画像情報を一気に読み出すため、フィールド画像の2倍の垂直解像度でブレの少ない高精細の静止画記録が可能です。
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プログレッシブスキャン方式 (1フレーム:1/30秒) |
■新開発3CCD用低電圧サンプルホールド&AGC IC
R・G・Bの各チャンネルのゲイン変化時に発生する色ムラを最小限に抑えた3チャンネルAGC(オートマティック・ゲイン・コントロール)回路を1チップ化。3CCDの豊富な情報を余裕を持って生かす広ダイナミックレンジ設計で、高精細な信号処理を実現します。DCR-TRV 900ではこのICの動作電圧をさらに低電圧化。連続撮影の長時間化にも貢献しています。
■新開発プログレッシブスキャン対応3CCDデジタル信号処理IC
R・G・B独立でA/D変換された原色信号は、各種処理を行った上で、デジタルビデオ部へ出力されます。この信号処理には、プログレッシブスキャンCCDに対応した高精度な3CCDデジタル信号処理ICを新たに開発。色再現の忠実度を高めるR・G・B独立ガンマ補正、高精度な黒バランスを実現するオートブラックコントロールなど、高画質化のプロセスが一体化。さらに、従来は別
のICに設けられていた、色ムラを改善するシェーディング補正機能も内蔵しました。また、輪郭補正信号(アパーチャー)も入力信号に応じてコントロールされる機能を追加。新開発のCCDと相まってハイレベルの水平解像度を実現。映像のキレも一段と向上しました。さらに、ハイライト部の再現性を向上させる自動可変ニーを制限するとともに、階調の表現力を高めるガンマ特性も全面
的にリファイン。映像のクオリティをトータルに高めています。
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