SonyDrive : ソニー製品情報
プロカメラマン桃井一至氏が講師を務める体験セミナーの第2弾は、3月4日に実施された「マクロレンズ体験セミナー」です。マクロレンズでの撮影を通してその魅力を学ぶセミナーの様子をレポートします。
今回のセミナーは銀座ソニービル内での開催です。 桃井講師からのレクチャーがあり、 その後、ソニービル内とその周辺で実際の撮影を楽しむというプログラムです。
まずは桃井講師によるレクチャーからスタート。マクロレンズの特長と使う上でのポイントを説明していただきました。今回は室内での撮影ということで、取り回しの楽な50mm F2.8 Macroを使用。絞り優先モードを使って、状況に合わせた設定を試します。 また、撮影倍率の高いレンズとなるため手ブレには注意が必要、手ブレ補正を必ず「ON」にしておく。フォーカスエリアを中心のみに設定しておくとよいなどのポイントが伝えられました。
大まかな説明が終わったところで、その場でマクロレンズに慣れるための撮影が行われました。
実際に撮影しながらのレクチャーです。「大胆に被写体に寄ったほうがおもしろい構図になる」、「寄るときには自分で影を作ってしまわないように、光の方向を意識する」、「被写体が白っぽい場合には露出をプラス、黒っぽい時にはマイナスに補正すると目で見た明るさに撮れる」といった実践的なテクニックを教えていただけました。
また、マクロレンズは、その名前が示すとおり、小さな被写体を大きく写すためのレンズですが、特別な使い方をしなくとも、普段使いの単焦点レンズとしても十分利用できるというお話もあり、使い方次第で様々な用途に利用できるレンズである、ということでした。
マクロレンズを使った撮影の醍醐味の一つが背景のボケ。セミナーの中では絞りとボケに関しての説明もありました。絞りを示すF値が大きいほどボケは少なくシャープに、F値が小さいほどボケは大きく柔らかな画を撮影できる、ただし絞りの値を大きくするほど光の量が少なくなり、暗く写りがちになるとのこと。普段あまり絞りを意識したことがない参加者の方にもわかりやすい内容で、思い通りの画作りをするためのヒントになったようでした。
絞りの値を小さくした場合
絞りの値を小さくした場合、ピントの合う範囲が狭くなりボケの大きな写真が撮影できる
絞りの値を大きくした場合
絞りの値を大きくするとピントの合う範囲が広く、シャープな画が得られる
レクチャーが終わったところで、自由な撮影を楽しむ時間が設けられました。被写体はソニービル内のショールームに設置された小物やソニー製品の数々。参加者の皆さんはお気に入りの被写体を探しながらの撮影を行っていました。最後にソニービル前の花壇に咲いている花を撮影。当初はクローズアップ撮影に多少とまどっていた参加者の皆さんでしたが、コツをつかんできたようで、大胆に寄った構図での撮影を楽しんでいたようでした。
撮影後には、桃井講師による講評が行われ、撮影した画像を見ながらアド バイスを受けることができました。その内容は「思った通りの光を得られないときは、白い紙をレフ板代わりに使うとよい」、「被写体の視線方向に空きスペースを作ると構図が決まる」、「写真は平面で立体を表現するもの。ボケや影を生かすと奥行き感が出る」など、クローズアップ撮影にとどまらず、これからの写真ライフに役立つものばかりでした。
今回のマクロレンズセミナーは、クローズアップ撮影とマクロレンズの楽しさを存分に感じられるものとなりました。また、疑問への答えやアドバイスをプロのカメラマンから直接聞けるところも、少人数セミナーならではのものだったようです。
参加者のみなさんの感想を、実際にみなさんがマクロレンズで撮影された作品と桃井講師のコメントとともにご紹介いたします。
一眼レフカメラにはコンパクトデジタルカメラと違い、作品を撮っているという実感があると思います。今回のセミナーで写真の楽しさがもっとわかったような気がします。これからは動物の写真を撮りたいです。
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桃井講師
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絞りの数値を小さく設定しているので、ピントを合わせたウサギの目の部分の前後が大きくボケて、とても柔らかい印象の写真が撮れています。特に背景の連なる丸いボケはソニーレンズの特長 である「円形絞り」の効果が活かされて、角の見えない美しいボケが再現されました。構図的にも画面中央からの少し外したところにウサギを配置しているので安定して見えます。
様々な交換レンズを使えることに惹かれ、コンパクトデジタルカメラからデジタル一眼レフカメラに乗り換えました。今回のセミナーで、改めてマクロレンズの楽しさを感じました。思った以上に大胆に寄って撮れるのがおもしろいと思います。
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桃井講師
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VAIOのキーボードの接写です。連続するキーが徐々に前後へ、ぼけていく様子は肉眼では見られないレンズならではの世界。ふだん見慣れている物でもマクロレンズを通すと、また違った印象で見直すことができます。最初のうちは絞りの数値をいくつか変えて撮っておき、あとから好みに応じたボケ具合を確認するのがいいでしょう。
α100が初めてのデジタル一眼レフなので、わからないこともいろいろとありましたが、今回のセミナーでかなりステップアップできたと思っています。これからは趣味のビーズ細工や、ペットの写真を撮って楽しみたいです。
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桃井講師
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写真は光をうまく使うのも上達のコツです。ここではエンジェルの背後から、強い光の反射があり、それがエンジェルの透明感をさらに増しています。小物撮影は撮影対象を動かしやすいので、まずは光の加減を見ながら少しずつ動かし、続いてファインダーを覗いて、ベストな位置を探しだしていきましょう。
銀塩カメラからデジタル一眼レフに乗り換えましたが、やはり撮ったものをすぐに確認できるところがよいですね。現在50mm F2.8 Macroを使っていますが、100mm F2.8 Macroにもチャレンジしてみたいと思います。
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桃井講師
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花を画面からはみ出すくらいにアップにすることで、画面に迫力が生まれました。また背景の適度なボケ具合やこぼれた光がエッセンスとなり、立体感も感じられる仕上がりです。
俗に言う、「日の丸構図」ですが、上下の花びらをカットしてあるために影響もなく、やさしい印象が伝わってきます。
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1968年生まれ
1987.4〜1990.6写真家・長友健二氏に師事。
1990.6(H2)〜現在
3年間のアシスタント生活のあと、
フリーランスカメラマン。
現在、写真撮影をはじめカメラ関係書籍の
執筆も行っている。
(社)日本写真家協会会員。
撮影ジャンル/人物・海外風景など
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