結構ころっと忘れてしまうのが“災害への備え”。国内や海外で大地震が起こるたびに思う。
もし今、自分が住んでいる町であんな大災害が起こったらどうなっちゃうんだろう。電気・水道が止まって、携帯もつながらなくなって、メール送信もだめで、インターネットも使えない状況。
携帯でもパソコンでも、好きな時にどんな情報にでも自由にアクセスできる時代なだけに、突然何も情報が入ってこない状況になったら、自分、パニックになりそう。一人暮らしなだけになおさら不安だ。
灯りもそう。
東京に来てからは、暗い中を歩く機会は滅多になくなったし、ほとんど「停電」ということもないので完全に気が緩んでしまった。懐中電灯の電池すらない状態だ(TVのリモコンの電池が切れた時に使ってしまった)。
いちおう防災袋は玄関横の押入れにある。
ちょっと大きいけどこれだ。
「それって、単なるアウトドア用のザックじゃないの?」
と言われそうだけど、中にはちゃんとお水とかカンパンとかタオルとか食器とか寝袋とかロープとか入っている(後半は完全にキャンプ用品だけど・・・兼用って感じです)。
問題はこのヘッドランプ。
スイッチを入れたら点灯はしたけど、確か先々月のアウトドアイベントで一晩中使っていたから、もう電池があまりないかもしれない。
「いや、確か替えの電池も入ってなかったっけ???」
とザックの中をがさごそ探索してみたが、結局でてこなかった。
そういえば昔、携帯扇風機の電池が切れて困っていた時、ここから取り出して使っちゃって、そのままだったかも・・・(反省)。
それでは何かあった時の貴重な情報源、ラジオは??? ・・・というと、実はそれもなし。
以前、小型の旧式のものをひとつ入れていたんだけど、とても使える状態ではなくなっていて、やむなく廃棄。
新しいのを買わなきゃ!と思いつつ、普段必要ないものだと、ついついそのままに。
心配していないわけでも、不安がないわけでもないんだけど、結構ころっと忘れてしまうのが“災害への備え”だ。 |
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そんな時に知ったのが、この手回し充電ラジオ。知人がブログで紹介していた。
何年か前にも、同じ手回しで充電できるソニーの非常用ラジオをインターネットで見て、興味を持ったことがある。
ちょっと懐かしさを感じるような、黒色のがっちりしたボディで、いかにも“防災用品”といった感じだった記憶がある。特殊用途のせいか、値段も少し高めで、「いざという時にいいかな」と思ったものの、購入には至らなかった。
それが今年、デザインも一新された新製品が登場したのだとか。
知人のブログのレポートを見てみたら、色も白やオレンジなど明るい色で、上部が丸みを帯びたお洒落なデザインで、一見、「非常用ラジオ」とは思えないようなものだった。
「もしも、見かけたら買おう」と思っていた矢先だったので、
今回モニターさせてもらえると聞いて大喜びで飛びついた。
ラジオはFMとAM、あとテレビ音声が1-3CH。
実はラジオ以上に魅力的に思った機能はこちら。同じく手回しで、携帯の充電までできてしまう!!!
NTTドコモ用、au用、ボーダフォン(10月からソフトバンク)用と、3つのアダプタも付属されている。
もちろん、災害発生直後は、都市部では一時的に携帯すら使えなくなる可能性が高いと思う。でも、もしそのまま一定期間、避難所などで生活することになった時、遠方の家族・親戚などと連絡がとれるようになっているのは心強いと思うし、「充電できる」と思えば、困っている周囲の人にも、助け合いの精神で、快く自分の携帯を貸してあげられるはずだ。
そしてライトは消費電力の少ないLEDランプで2種類。
手回し充電のハンドル。
実はひとつ、完全に誤解していたことがある。
「人が手回しで充電できる電気量なんて微々たるもの」
「でも非常時だったら“ないよりはマシ”」
そう思い込んでいた。
例えば、汗かいて必死に5分間まわし続けて、やっと3分間ラジオを聞ける・・・といったイメージだ。
実際はそんなレベルでは全くなかった。
▼1分間手回し充電(約120回転)させた場合の持続時間
ラジオ:約60分(AM受信時)
携帯電話充電:通話約3分/待ち受け約90分間
※機種により異なる
LEDライト:約15分間
長い!漠然とイメージしていたよりもずっと長い。
たった1分の充電で約60分もラジオが聞けるなんてちょっとびっくり。 |
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さっそく中身を取り出してみた。
ラジオ本体以外にも、付属パーツがいろいろ。
キャリングポーチまでついているラジオというのもちょっと珍しい。
これが本体。
「非常用ラジオ」といっても、ごつさは全くなく、丸みを帯びたやわらかいデザイン。普通に机の上やリビングに置いても違和感がなさそう。
前面についている充電用のハンドルは、本体のくぼみにすっぽり気持ちよく収まっていて、そこもちょっとかわいかったりする。
色は「ホワイト」。
白は、のっぺりした安っぽい感じに見えてしまいそうで今ひとつ・・・と思うことが多かったんだけど、これは違った。
前面・背面は上品なパールがかった白色で、ラジオの周波数部分はシルバー。ハンドルや上部は真っ白で、「白のツートンカラー」。写真で見ていたのとは違って、とても品のいい、どこにでも馴染みやすい色だった。
ところで、この鮮やかオレンジのパーツは何?
ストラップと組み合わせて、何かに取り付ける用???
それとも携帯充電に必要なもの?
いえいえ、これはなんと・・・ 笛でした!
がれきの下に閉じ込められたりした時など、笛を鳴らして周囲の人に存在を知らせるなど、非常用のホイッスルだ。いざという時のアイテムとして用意しておくべき。
・・・ということは、防災マニュアルなどで読んで知っていたけど、つい備え忘れてしまいがちなもの。あるいは、小さすぎて、いざという時に「どこにあったっけ?」ということになりかねないものかもしれない。非常用ラジオを買うと一緒についてくるというのは得した気分だし、ラジオ&ライトと一緒に保管しておくというのもいいアイディアな気がした。
・・・いや単純に、「ソニー」ロゴの入った笛というのが、ちょっと珍しくて嬉しいだけってのもあったりして・・・。
そんなホイッスルや、携帯充電用のパーツをラジオと一緒に仕舞っておくことのできるキャリングポーチは、内側にちゃんとマジックテープ付きのポケットまでついていた。
試しに全部入れてみるとこんな感じ。
これなら一緒にポーチに入れて、ラジオ本体を傷つけてしまうこともないし、マジックテープでポケットの口を軽く止めておけば、混沌とした状況下でラジオ本体の出し入れをして、「付属品をつい落として無くしてしまった・・・」なんて失敗も少なくなると思う。
ホイッスルはじめ、付属品も細かな配慮が感じられる作り。 |
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ラジオでライトで、携帯充電器。
ちっちゃなボディで1台3役を果たしてしまう便利アイテムを、さっそく実際に使ってみたい。
まず気になるのはやはり「大きさ」。
コンパクトで女性の手のひらサイズ。ま、手のひらにもいろいろなサイズがあってわかりにくいと思うので、何か基準になるものと大きさ比べをしてみよう。
夏といえば・・・ やぱりビール。ビールじゃないものも混じっちゃっているけど。
さっそく「手回し体験」をしてみたいと思う。
1)ハンドル部分を起こす。
底の部分に軽く親指をかけてハンドルを手前にひっぱるだけで、「カチャッ」とストッパーがはずれて持ち上げられるようになっている。
2)そのまま反対側まで持ってくると、そこでもまた「カチャッ」と音がして、軽く固定される。
その感触が結構気持ちいいかも(つい何度もカチャカチャやってしまいました)。
3)まわしてゆく。
右回りでも左回りでもどっちでも充電できるということなんだけど、右利きの自分には、右回りのほうが安定してまわせるようだ。そんなに重たくはなくて、ハンドルとラジオをしっかり両手で握れば、その両方を反対方向に回すことで、片手だけを疲れさせてしまうことなく充電することができる。
何度かやっているうちに、安定したバランスよい「手回し」ができるようになってきた。
4)充電作業が終わったら、また元のさやにカチャッとはめこむ。
ラジオ関連の操作は、本体右サイドに集結。
真ん中のレバーを動かすと、AMもしくはFMラジオのスイッチが入る。
その上の、真ん中にくぼみのある丸いダイヤルはラジオ放送局の周波数を合わせるため。
一番下は音量用のダイヤル。
一度だけ確認しておけば、次からは真っ暗闇の中でもまず間違えずに操作できそう。
上は2種類のLEDランプ。
「スポット」にすると、本体左側面からまっすぐ光が伸びる。
「ソフト」にレバーを倒すと、上部の半透明部分全体が点灯する。
こちらは「スポット」ほど遠くを照らしてはくれないけど、床に置いた状態で何か物を探したり、食事をしたりといった時用の「ランタン」替わりになりそう。
避難所やキャンプ場などで夜間トイレに行く時、
道中は「スポット」、トイレでは「ソフト」といった使い方もよさそうだ。
実はこのラジオ、手回し充電以外に単四乾電池2本での利用もできるので、「非常用」に限らず、「普段使い」にも適していたりする。
コンパクトなので、キャンプや山登り・ハイキングの時などに電池を入れて持参すれば、ラジオで音楽を聞いたり天気予報やニュースを確認することもできるし、夜間のライトにもなる。
「メールしすぎて携帯バッテリーがなくなっちゃった!!どうしよう・・・!」なんてうろたえるメンバーのために手回し充電してあげれば、きっと尊敬のまなざしで見られるはずだ。 |
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