手回し充電ラジオ 体験レポート

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帰宅難民シミュレーション(前編)
ある金曜日のお昼過ぎ、ふと思い立って「帰宅難民シミュレーション」をすることにした。場所は大手町から自宅のある、東京都葛飾区の金町まで。
通常なら、地下鉄千代田線で乗り換えなしの25分ほどで到着する距離。
都心で地震があった時に、ちゃんと歩いて自宅まで戻れるよう、たまに実際に歩いてみる経験は大切だと思う。どういう靴のほうがいいか、必要な荷物は何か、足を痛めずに歩くためにはどうすればいいか、いろいろわかってくる。

大手町の紀伊国屋に立ち寄って、震災時帰宅支援マップを購入。
都心を中心に、各方面へのルートが詳細地図で書かれている。

ちゃんと葛飾・松戸・柏方面のルートもある。途中の道には、トイレやベンチがある場所、高層マンションなどの関係でガラス落下危険がある場所など、たくさんマークがついている。コンビニマークもあって、普通にウォーキングするのにも便利な一冊だ。

■11:50

スタート地点は、大手町三井物産本社横の「平将門塚」。
小さな神社になっているので、そこでさっそく手回し充電ラジオを1分間手回し。

すぐに神田川に到着。
このあたりの神田川は、首都高に完全に覆われて、日もあたらない悲しい川になっている。
よく見ていると、よく亀が泳いでいたりするんだけど。

それでも神田川はひとつの境界線になっていて、ここを越えると、丸の内・大手町のスーツタウンから、一気にカジュアルな神田・御茶ノ水エリアに突入する。大学生も多く、スポーツ用品店や古本屋、定食屋やカレー屋が一気に増えてくる。

靖国通りから昭和通りへ。
そんなにストイックに歩くつもりもないので(そもそも気温が半端じゃなくなってきたので、ゆっくりしか歩けない)、途中でスポーツ店に立ち寄ったり、コンビニに入ったり、と道草。

■12:40

秋葉原駅の昭和通り口あたりを通過。
おかしいなあ、午前中は曇っていて涼しげだったのに、驚くほど晴れてきちゃったぞ・・・。

■13:00

上野駅に到着。ここから右に折れて、浅草通りに入る。

「震災時帰宅支援マップ」に従うなら、このルートはあまりお勧めではない。
上野から浅草にかけての一体は、昔ながらの未整理の細い道が入り組んだ場所で、小さな商店が密集しているから、火災になった時には延焼しやすい。

靖国通りから、昭和通りを経由せずに水戸街道に行くか、あるいは昭和通りをこのまままっすぐ行って言問通り経由で水戸街道に入ったほうがよさそげだ。

今回は単に、浅草に寄りたかったからってことで。
浅草名物のオブジェ。アサヒビール本社横のビル。
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帰宅難民シミュレーション(後編)
水戸街道を探していたのだが、ちょっと路地を歩きすぎて迷走(実はいつの間にか越えてしまっていたらしい)。
東武亀戸線の線路と曳船駅が見えて「完全に道を間違えたな・・・」とコンビニに立ち寄り、道を確認して、そのままずっと北上していったら、いつのまにか水戸街道と合流して橋にでた。
歩いていたのは旧水戸街道とかそういう道だった可能性もある。

川沿いの高いところに、首都高速が走っている。四つ木インターがあるあたりだ。たまには下を歩いてみるのも面白いもの。

そしてやっと、地元葛飾区に足を踏み入れた。
なんとなくなじみのある場所で、やはり落ち着く。

この大通りは、震災時には車両通行止めなんだとか。いったいどんな風景になるのだろうか。

たくさんの人たちが、つらそうな顔で歩いてゆくのかもしれないし、座り込んでいる人の姿であふれているのかもしれない。まったく想像がつかない。

■16:00

日本橋から9km地点まで到達。あと少しだ。
残暑を感じさせる風景。一面の猫じゃらしに、懐かしい子供時代の記憶がよみがえってくる。

あともうちょい!日本橋から12km地点。ここはもう完全に地元だ。

金町駅。金町駅の通路を抜けて北口に出ると、すぐに私が住む団地が。
いやー、思っていた以上に時間がかかっちゃいましたが、無事着きました!手回し充電ラジオもお疲れ様。

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さいごに・・・
実は、先日もうひとつインターネットで注文してしまいました。
離れて暮らす実家の母に直接送るよう手配しました。
お盆明けくらいに届くでしょう。

きっと「なんでラジオなんて?」と首を傾げるかと思いますが、手回し充電のことや、携帯も充電できることは、家電製品が苦手な母でもわかると思うので、どうして自分が唐突にこんな贈り物をしたのかも、すぐ理解してくれると思います。

寝室に置くのか、それともリビングや台所に置くのか。
それとも防災用品と一緒に保管されるのか。

次に帰省したら、確認してこようと思います。

叔母は、渋谷で小料理店をやりながら一人で暮らしています。
携帯はないけど、ラジオは好きで、お店でもずっとニュースなどをかけています。
今度お店に顔をだす時には、「面白いラジオ見つけたから」といって、手土産に持っていこうかなと思っています。

「大事な人に1つ送っておきたい」

自分にとってこのラジオは、そんな製品でした。

いざという時、これひとつあればどれだけ心強いか。
あるいはいざという時に、ラジオもライトもなくて携帯も使えなかったら、どれだけ心細いか。
容易に想像がつきます。

でも不思議とそれへの対策はあまりちゃんと考えてきていませんでした。
そんな自分を反省しています。

今、突然大震災に襲われたら、自分は真っ暗闇の中に取り残されてしまうかもしれません。
そうなったら、情報が得られずに、どうなっているのかわからない暗闇、そして場所や時間によっては本当に明かりのない状況、そして家族や友人とも連絡がつかないまま不安で胸がいっぱいになってしまうでしょう。

一台3役、簡単に手回し充電できるこのラジオは、そんな状況で、とっても心強い存在になると思います。

なにより、「普段も使える」コンパクトでお洒落なデザインが気に入ってしまいました。
いつどんな状況で災害にあっても、その時すぐこのラジオに手が届くよう、机の上などに置いておきたいなと思っています。キャンプでも、これがあれば便利ですしね。

「防災グッズはすべて防災袋の中に」という時代じゃないのかもしれないですね。

普段の生活の中で、もっと身近なところで、いつもきちんと災害に備えてゆく。災害時にも役立つものを普段の生活でも選んでゆく。
そんな気持ちが大切なのかなと思いました。

この手回し充電ラジオをきっかけに、もっと自分自身の「災害への備え」についてじっくり考えてみたいと思います。
和田 亜希子ライター:和田 亜希子
東京都葛飾区の公団賃貸で気ままな独身生活。
自宅でインターネット関連の仕事を行うSOHOワーカー。趣味は旅行&WEBサイト運営。
WADA-blog(わだぶろぐ) http://wada.cocolog-nifty.com/
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