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Technology8Kブラビア Z9Hの高画質技術

8K解像度を
あますところなく使いこなす

Z9Hに搭載した高画質プロセッサー「X1 Ultimate」は、8Kという膨大な映像の分析と処理をリアルタイムに行うことを目指して開発されました。

ソニーの長年積み上げた高画質化のノウハウがさまざまなアルゴリズムとして、このプロセッサーに詰め込んでいます。普段見る放送からネット動画や8K放送まで、あらゆる映像を8Kの超高精細な映像美で描き出し、かつてない感動で満たします。

高精細化技術触れられそうなほどの質感と
現実のような奥行きを生み出す

8K X-Reality PRO8K専用のデータベースで、あらゆる
コンテンツを8K映像へ。詳しくはこちら

8K X-Reality PRO8K専用のデータベースで、あらゆる映像を高精細8Kへアップコンバート

テレビ番組やネット動画など、あらゆるコンテンツを8K解像度の高精細な映像に作りかえる
「8K X-Reality PRO(8K エックス リアリティー プロ)」を搭載。
フルHDや4Kの映像をシーンごとに専用の8Kデータベースを参照し高精細化処理を行い、
細部の正確な質感まで高品質な8K映像を実現します。

それぞれの被写体に応じて、最適に高精細化するオブジェクト型の超解像処理を実現。
従来の超解像処理では失われてしまうような質感も、現実に近い質感を再現します。

高輝度・高コントラスト技術きらびやかな輝きが
超高精細映像を息づかせる

高密度に敷き詰められた
LEDモジュールが完全独立駆動

圧倒的なコントラストを実現する「バックライト マスタードライブ」をZ9Hに搭載しています。このテクノロジーと8Kでは実現が難しい明るさを高精度に実現することで、鮮烈な太陽の輝きや繊細な眼の輝きまで、描き出します。

8K X-tended Dynamic Range PRO鮮烈な輝きから緻密な光の表現まで表現。
詳しくはこちら

8K X-tended Dynamic Range PRO

一般的に8Kパネルは、その光の透過率の低さから明るさを出すことが困難です。
「8K X-tended Dynamic Range PRO」は、
ソニー独自のアルゴリズムに基づき画面全体の光のバランスを精密に調整し、
暗い部分の電流を明るい部分に集中させ、
これまで表現できなかったつややかな輝きを実現します。

Backlight Master DriveすべてのLEDモジュールが、
完全独立駆動。詳しくはこちら

Backlight Master Drive

従来の直下型LED部分駆動は、複数個のLEDをブロック単位で駆動させていたため、
より細かい範囲でのコントロールができませんでした。
新開発の「バックライト マスタードライブ」搭載の「直下型LED部分駆動」では、
パネル背面に高密度に敷き詰めたLEDモジュールすべてを1つ1つ独立して駆動させ、
細かい範囲での明暗を表現することで、高コントラスト、高輝度を実現します。
これにより、鮮烈な輝きと引き締まった深い黒を緻密に表現します。

「バックライト マスタードライブ」は液晶テレビで発生しがちな
映像のハロー(光の周りにぼやっとした光が漏れる現象)を低減するため、
光をまっすぐ照射することで周りに光を漏らさず、光を集中させる光学設計を採用しています。
明るさにムラのないメリハリのある映像を実現することができます。

まずは「8K」の魅力について教えてください。

ソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ(株)
TV事業本部 技術戦略室
主幹技師 小倉敏之

馬場:これは声を大にして言いたいのですが、ブラビア「Z9H」で8K映像を観ると身体が震えるほど感動します! よく「まるで映像が目前にあるかのような感覚」という表現の仕方をしますが、ブラビア「Z9H」の8K体験ははっきりとそれ以上。実際にその場に行くよりも、家のテレビで観た方が感動するのではないかと思わされるくらいの力がありますよ。

小倉:8Kがなぜすごいかというと、凄まじい“リアリティ”を画面上に表現できるから。「まるで映像の中に入ったかのような感覚」を味わえるんです。このことに気がついたのは、2019年1月にラスベガスで行われた電気製品の見本市・CESでソニーが展示した8Kテレビのプロトタイプを見ていたとき。8Kは4Kとは楽しみ方が違うぞ、と。

どう違うのでしょうか?

小倉:8Kって、とにかく解像度がすごいという話になりがちなのですが、解像度だけに注目するのは大きな間違いです。かつて4Kテレビが登場した時は、その解像度を楽しむために視聴距離をこれまでの半分にすることをおすすめしましたよね。であれば8Kテレビでは視聴距離をさらにその半分にして、その超高解像度を満喫するのが筋ということになるのですが、今回は、4Kテレビの時と同じ視聴距離で見てほしいと思っています。そのくらいの距離を取ることで、解像度と映像の持つリアリティがバランスするんです。8Kテレビではそのリアリティこそ楽しんでいただきたいと思っています。

そうした8Kテレビならではのリアリティは、どういったコンテンツで威力を発揮するのでしょうか?

ソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ(株)
TV事業本部 商品企画部
プロダクトプランナー 馬場彩香

馬場:ジャンルによって違う感動、面白さがあります。スポーツ中継の場合は選手の皮膚の表面にうっすらと浮かぶ汗や、フィールドの細部などまではっきりと感じられ、それが醸し出す凄まじいまでの臨場感が味わえます。ドキュメンタリーやネイチャー映像などは、なにより質感の情報量の高さですね。本当にその場にいるような気持ちになってしまいます。映画やドラマでは役者の細かな表情の移ろい、それこそ瞳孔の動きまではっきり確認できるので、これまで以上に演技に引き込まれます。
実は先日、以前、映画館で観たことのある映画をブラビア「Z9H」で視聴したのですが、劇場の大スクリーン以上の没入感がありました。語彙力がないって言われてしまいそうですが、本当に「震えるほどすごい!」としか言いようがなくって……(笑)。

小倉:この新しいブラビア「Z9H」では、そうした8K映像の面白さ=リアリティを最大限に引き出す方向で、チーム一丸となって開発を進めました。

馬場:2018年末に8K放送が国内でスタートしているにも関わらず、8Kブラビアの投入がここまでなかったのはまさにそのため。単にパーツを組み合わせて8Kテレビを作るだけなら放送開始と同時に発売することもできたと思うのですが、我々は、8Kチューナー搭載はもちろんのこと、実際の映像を元にしっかりと画質を最適化し、各種高画質化技術もしっかり盛りこんだ、“ソニーの8Kテレビ”として自信の持てるものをお届けしたかったんです。

ブラビア全体の画質へのこだわり、方針について聞かせてください。

小倉:ソニーが「Creator's Intent」と呼んでいる、クリエイターが映像に込めた想いを正しく、正確に再現することがテレビにとって何より大切だと考えています。とりわけ近年は、技術の進歩によって映像のクオリティがものすごく高くなっていますから、テレビ側にもそれをきちんと表現できる力が求められます。

ではそのために何が必要かと言うと、まず解像度、そしてビット深度(画素1つあたりに割り振られるデータ量)、フレームレート(1秒あたりの書き換え回数)、色域(表示可能な色の範囲)、輝度のダイナミックレンジ(表示可能な明るさの範囲)、この5つです。この5つの要素をきちんとバランスさせながら、それぞれ引き上げていくということをやらないと表現力を得ることができません。ブラビア「Z9H」では、これをとりわけ高いレベルに持っていくことに挑戦しています。

そのためにどういった技術が使われているのですか?

小倉:ブラビア「Z9H」の高画質は大きく2つの技術に支えられています。1つは高画質プロセッサー「X1 Ultimate」。解像度が4倍になり、HDR対応でダイナミックレンジが広がり、色域も拡張されている8K映像のものすごい情報量をリアルタイムに処理できることはもちろん、何よりそこに詰め込まれたクリエイターの想いを正しく、忠実に再現できるプロセッサーです。「X1 Ultimate」は4Kブラビアのハイエンドモデルにも採用されていますが、その開発当初から8Kテレビへの搭載を想定しており、いよいよそれが実現できました。

そしてもう1つが、映像を実際に表示する液晶パネル。液晶パネルの美点は高輝度が出せること。これにバックライトを制御するソニー独自技術「バックライト マスタードライブ」を組み合わせることで部分コントラストを大きく高め、有機ELパネルにもひけをとらないコントラスト感を実現しています。

ブラビア「Z9H」では、これらを組みあわせて、トータルで理想のパフォーマンスを実現しました。

高画質プロセッサー「X1 Ultimate」で行われている、さまざまな高画質化処理について、具体的にどういったことをやっているのかを教えていただけますか?

馬場:「X1 Ultimate」最大の特長はオブジェクト型超解像に対応していること(8K X-Reality Pro)。超解像とは、解像度の低い映像(ここではフルHDや4Kなど)を高解像度(ここでは8K)に、精細感や質感を保つ処理を適用しながらアップコンバートする技術のことなのですが、従来の超解像技術では、画面全体に単一の一括した処理しか行えませんでした。対して、「X1 Ultimate」では、映像を解析し、動物や樹木など、オブジェクト単位で適切な超解像処理を行なえるようにしています。これによって、動物のふわふわの毛並み、ゴツゴツとした樹皮、滑らかな空のグラデーションなどをそれぞれ損なうことなく、映像を8K解像度にアップコンバートすることができるようになりました。

被写体ごとに最適な精細感に「オブジェクト型超解像」イメージ

それぞれのオブジェクトに適用する超解像処理について、ソニーならではの技術やアイデアがありましたら教えてください。

ソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ(株)
TV事業本部 商品設計部門
画質エンジニア 池山哲夫

池山:解像度というのは撮影する際にどのくらい細かくデータをサンプリングするかの基準です。フルHDや4Kのコンテンツは、8Kコンテンツよりもサンプリング数が少ない(解像度が低い)ため、8K テレビに表示するにあたってアップコンバートを行います。この際、同じ映像を8Kでサンプリングした状態に復元できるのが理想です。そこで今回は、8K、4K、フルHDでサンプリングされた同一映像を膨大に準備し、機械にその違いを学習させることでデータベースを作っています。こうしたデータベースを用いた超解像技術はこれまでの4Kモデルにも搭載されており、好評をいただいているのですが、ブラビア「Z9H」では、新たに8Kに最適なデータベースを構築し直しているので、ネイティブ8Kではないコンテンツに対しても、8Kに近しい映像を楽しむことができると考えています。

小倉:この超解像という技術は、ネイティブ8Kコンテンツが8K放送以外ほとんど存在しない現状では非常に重要なもの。ちなみに映像の制作現場では、30型前後の4Kマスターモニターと呼ばれる機材で撮った映像を確認しているのですが、そのサイズで4K解像度があると映像がギュッと凝縮され、テクスチャーがしっかりと表現されて見えるんですね。ところが、そうして撮影された映像をそのまま80型クラスの大画面に表示するとどうしても画が間延びしてしまい、テクスチャーの精細感が不足するということになってしまいます。

同じ映像なのに、画面のサイズが異なるだけで感じ方が変わってしまう、つまり「Creator's Intent」が正しく再現されないということになりますね。

小倉:そうなんです。その点、ブラビア「Z9H」では解像度を8Kに高め、さらにそこにオブジェクト型超解像を適用することで、制作者が意図したテクスチャー感、質感を再現できるようにしています。つまり、8Kテレビは4Kコンテンツを最高の画質で楽しむという意味でも非常に有効なんです。

続いて、「バックライト マスタードライブ」についても詳細を聞かせてください。この機能は2016年に発売されたブラビア「Z9Dシリーズ」などで好評だった機能を復活させたものですが、どういった機能なのでしょうか?

小倉:「バックライト マスタードライブ」とは、ソニー独自のバックライト技術。液晶パネル背面に高密度に敷き詰めたLEDモジュールを、映像の明るさと連動するかたちでそれぞれ個別に駆動させて圧倒的なコントラストを実現するというものです。こうしたバックライトの部分駆動(エリア駆動)は他社製品でも行っているのですが、ブラビア「Z9H」の分割数はケタ違い。具体的な数字をお出しすることはできないのですが、通常ではあり得ないほどの分割数となっています。

そして分割数以上に重要なのが、バックライトを制御するアルゴリズムの優秀さ。ソニーは他社に先駆けてバックライトの部分駆動を導入していたこともあり、そのノウハウで他社を大きくリード、同じ分割数でもブラビアの方が遙かに高いコントラストを得られるようになっています。そしてこれに加えて映像の暗い部分の電流を明るい部分に集中させて一段と輝度を高める「8K X-tended Dynamic Range PRO」も搭載し、つややかな輝きを表現できるようにしました。

馬場:ブラビア「Z9H」の高輝度は、太陽光の照り返しなどでまばゆさを感じるほど。特にHDR映像でその違いを感じていただけると思います。

池山:さきほど小倉や馬場がお話しさせていただいた通り、8Kの魅力は“リアリティ”です。ただ、単純に8Kの解像度であれば、“リアリティ”がでるというわけではありません。私は2018年のCESで展示したプロトタイプから設計に携わっていますが、試行錯誤の結果、優れた“リアリティ”を再現するには、解像度だけでは不十分で明るさやコントラストが重要であることを体感しています。ブラビア「Z9H」は「バックライト マスタードライブ」や「8K X-tended Dynamic Range PRO」によって、高輝度・コントラストを実現すること、リアリティを高めることができていると考えています。もちろん、バックライトの設計そのものも8Kテレビ用に新規で開発しており、従来4Kモデルよりも輝度効率に優れたLEDモジュールを搭載しています。

小倉:なお、これは余談なのですが、海外のマニア向けサイトに、各社テレビのバックライト分割数を映像解析ソフトで推測するというものがあるのですが、私の知る限り、ブラビアについては当てられたことがありません。あまりにバックライト制御が自然すぎて間違ってしまうんですよ(笑)。

*1 従来のX-tended Dynamic Range PRO非対応モデルの画面全体白色時の電流と、輝度を増加させた部分の電流を比較した場合
※ XDRコントラストはX-tended Dynamic Range PRO技術によって体感できるコントラスト水準です。この数値は、「暗部の電流を明部に集中させ明るさを高める機能」の効果の高さと、その精度を表すソニー独自算出による数値、LED部分駆動が搭載されていない当社従来液晶テレビ比です

バックライトの制御は単純に映像の明るい部分の輝度を高くすればいいのではないのですか?

小倉:バックライトの部分駆動は、単に明るい場所の輝度を上げればよいという単純なものではありません。画面全体の中で最適化をしないと最良の結果にはならないのです。たとえば真っ暗闇の中に月が浮かんでいるような映像の場合、月の部分だけ輝度を上げるとその周りにぼんやりと光が漏れてコントラストが下がってしまいます。そこでブラビアでは、画面の1か所が光っているだけの映像でも画面全体のバランスを見て適切なバックライト制御を行うようにしています。結果として、処理の負荷が大きくなってしまうのですが、ここで手を抜くわけにはいきません。

馬場:そこまでやらないと、ソニーの目指す8Kのリアリティは表現できないんです。そもそも画素密度の高い8K液晶パネルはその構造上、バックライトの透過率が低く、どうしても映像が暗くなってしまいます。しかしだからといって輝度をドンと上げると、今度はその強い光が周囲に影響を及ぼし、コントラストが損なわれてしまうのです。したがって、8Kテレビでは高度なバックライト制御が必須。「バックライト マスタードライブ」では輝度を大きく高めつつ、コントラスト感が損なわれないようにするという、非常に難しいことをやっているんですよ。

池山:なお、ブラビア「Z9H」には、この高度なバックライト制御技術を残像感の低減にも利用する「X-Motion Clarity」も搭載。従来液晶テレビではフレームとフレームの間でバックライトを消灯して(黒挿入)、残像感を低減していたのですが、これには映像がやや暗くなるという副作用がありました。そこで「X-Motion Clarity」では、バックライトの制御を工夫し、画面の明るさを保ったまま、動きの速いシーンでもくっきりとした、ぼけ感のない映像表現を可能にしています。「X-Motion Clarity」は動く映像でも精細感を維持することできるため、解像度が高いテレビほど、重要な機能になっています。

そのほか、画質面でソニーならではの技術やこだわりを盛り込んでいるところがありましたら教えてください。

馬場:ソニー独自の光学設計によって液晶パネルの視野角を大きく拡げる、従来モデルでもご好評いただいている「X-Wide Angle」が映像体験向上にとても大きな役割を果たしています。これほど大きなテレビになると、大きなリビングに置いて大人数で観るという利用スタイルが想定されるのですが、視野角が狭いと視聴位置によって見ている映像がそれぞれ微妙に異なるということが起きてしまうんですね。その点、「X-Wide Angle」を搭載したブラビア「Z9H」なら、部屋のどこから画面を見ても正面視と同じ映像が楽しめます。つまり、皆で同じ感動を共有できるのです。

小倉:液晶パネルは、有機ELパネルと比べたときに、コントラストと視野角、そして応答速度の点で不利が否めないのですが、ブラビア「Z9H」では、コントラストを「バックライト マスタードライブ」で、視野角を「X-Wide Angle」で、応答速度を「X-Motion Clarity」で有機ELパネルに迫るレベルにまで高めています。そしてその上で、液晶テレビとしてもトップレベルの高輝度も実現しました。これはもう、既存の液晶テレビとは別次元のもの。個人的には、今のテレビ市場には「液晶テレビ」と「有機ELテレビ」に加え、「ソニーの液晶テレビ」という3方式があると言いたいくらい。そういう気持ちで作っていますし、実際にそれだけの違いがあると思っています。

そうして生み出された、ブラビア「Z9H」の高画質。実際にこの製品で8K放送をご覧になってどのように感じられましたか?

馬場:実際に他社製品も含め、さまざまな環境で8K放送の映りを比較しているのですが、同じ映像を見ても見え方が全然違います。特に「バックライト マスタードライブ」の生み出すキラキラ感はブラビア「Z9H」ならではのもの。たとえば先日、相撲中継やボクシング中継の様子を比較してみたのですが、ブラビア「Z9H」は、スポットライトに照らされた土俵やリングが、輝きながら浮かび上がって見えるんです。ほかのテレビの映像がのっぺりと見えてしまうほどの違いを感じました。もちろん、従来の地デジ放送の映像も驚くほどリアリティが高まります。「8Kテレビなんていらないよ」とおっしゃっている方にこそご覧いただきたいですね。

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