商品情報・ストア Feature Hi-Res 10 songs vol.7 [前編] : ハイレゾ10曲

2019.7.9Hi-Res 10 songsvol.7 : 下村陽子
[前編]
_ゲーム音楽作曲家

ハイレゾで、聴きたかった10曲

これまで30年以上にわたって、ゲーム音楽を手がけてきた下村陽子さん。『ストリートファイターII』、『キングダム ハーツ』シリーズ、『ファイナルファンタジーXV』など、数々の人気ゲームに、まさしく欠かせない音楽を提供し続けてきました。下村さんが選んでくれたハイレゾの10曲。前編では、幼い頃から親しんできたクラシックを含め、心の琴線に触れる曲を聴いていきます。

試聴に使用した製品:ウォークマン「NW-ZX300」+ヘッドホン「MDR-1AM2」

自然の音との調和が、
とても印象的で心地いい

01/10

Stevie Wonder
「オーヴァージョイド」

from 『In Square Circle』

「スティーヴィー・ワンダーの数ある曲の中でも、私にとって本当に特別な一曲。つらいときや落ち込んだときに、この曲を聴くと、内側から癒やされるようで元気を取り戻せます。深いところに響いてくる、私が頼りにしている曲です。今回はその大好きな曲を、ハイレゾでまず聴いてみたのですが、とてもやさしくて、やわらかな印象だったので驚きました。ピチョン、ピチョンという水の音や、波の音、虫や鳥の鳴き声など、曲の中で使われているサンプリングも、すごく印象的に聴こえてきて。これまでに数えきれないくらい、この曲を聴いてきましたが、そうした自然の音との調和をこれほど心地よく感じたのは、はじめてでした」

02/10

Do As Infinity
「柊」

from 『The Best of Do As Infinity(Hi-Res Edition)』

「最初はテレビで聴いたのだと思いますが、その瞬間に、なにこのいい曲!と衝撃を受けました。とくにサビのメロディに心を打たれて、聴くたびに、なんとも切なくて胸に響いてきます。ハイレゾで聴いてみると、目の前で伴都美子さんが歌っているようですね。ボーカルとアコースティックギターが本当に間近に感じられて、まるで特等席で聴いているみたい。アコースティックギターも、弾いているすぐそばで聴くように音が鳴っていて、そこに含まれる深みやツヤまで伝わってきました。個人的には、Jポップの魅力がギュッと詰まった曲だと思っていて、やはり大好きな曲のひとつ。こうしたクリアで鮮やかな音質で聴くと、その世界観がよりストレートに迫ってくるようです」

右/下村さんが仕事や出張の際に愛用しているアイテム。
ヘッドホンはMDR-CD900ST

03/10

Jazztronik
「Meguru(2017 version)」

from 『BB1』

「野崎良太さんが率いるジャズトロニックという音楽プロジェクトのアルバム。ビッグバンドによる、とにかくかっこいいジャズのセッションが収録されています。私の場合は、自分でつくるゲームなどの音楽と、普段の生活の中で聴く音楽とがかけ離れていて。家や車の中では、BGMとしても気持ちのいい、こういう音楽を聴くことが多いんです。今回はじめてヘッドホンで聴きこんでみたのですが、いろんな楽器の音が重なって細かい音まで聴こえるのに、まったく耳障りではないのは、ハイレゾならではでしょうか。グルーヴも、とても気持ちよく感じられる。この曲も、いちばんいい席で聴いているような印象で。あらためて、ライブに一度行ってみたい!と、猛烈に思いました(笑)」

04/10

ボリス・ギルトブルグ(ピアノ)
「ラフマニノフ: 練習曲集「音の絵」
Op. 39 - No. 1 in C Minor: Allegro agitato」

from 『ラフマニノフ: 絵画的練習曲「音の絵」 / 楽興の時』

「ピアノのソロ演奏も聴いてみたいと思って選びました。ラフマニノフの作品を弾くには、非常に高度な技術が求められますが、とくにこの曲は、ジェットコースターのような展開で、まさに超絶的なテクニックが必要です。それをハイレゾで聴くと、自分がピアニストになったような気分になるのかな、と思っていたけれど、この演奏に関しては、しっかりと聴く側になりますね。演奏者の息づかいやペダルを踏むところまで伝わってくるし、次から次に生まれてくる音の粒が、生々しいとさえ感じるほど。ボリス・ギルトブルグというピアニストの演奏ははじめて聴きましたが、とても素敵でした。私には難しすぎて弾けないけれど、ラフマニノフならではの、暗くてドラマチックで情熱的なところが大好きです」

自分が生まれる前の録音とは思えない臨場感

05/10

Berliner Philharmoniker, Rafael Kubelik
「交響曲 第8番 ト長調 作品88:
第3楽章: Allegro grazioso」

from 『ドヴォルザーク: 交響曲第8番 & 第9番<新世界より>』

「ドヴォルザークの交響曲第8番は、いつ聴いても、本当に美しいメロディだなと思います。じつは高校生の頃に盲腸を患って、急遽手術をすることになったのですが、それがもうイヤでイヤで。騒ぎ続けていた私に、執刀医の先生がこれでも聴いていなさいと、ヘッドホンで聴かせてくれたのが、この曲だったんです(笑)。それ以来、ものすごく好きになりました。この演奏がレコーディングされたのは1966年なので、私が生まれるよりも前にあたりますが、とてもそんな昔の音には思えないですね。しかもオーケストラの演奏であるのに、このハイレゾ音源を聴くと、すごくすっきりとした印象で、自然と耳に馴染む。指揮者になってベルリン・フィルに向かい合っているような臨場感が楽しめました」

【ウォークマン「NW-ZX300」とヘッドホン「MDR-1AM2」を使ってみて…】
「ウォークマンの『バイナルプロセッサー』の機能をいろいろと試してみて、たしかにアナログレコードって、こういう感じの音だなと思いました。4種類のモードの中でも、主にスタンダードで聴いてみたところ、曲がより聴きやすくなるというか、やわらかくなるような印象です。開発にあたったエンジニアの方のインタビュー記事も拝見したのですが、デジタル音源を再生するにあたって、アナログレコードの音響効果を取り入れようという発想そのものに驚きましたし、ちょっと感激してしまいました(笑)。そうした飽くなき探求があるからこそ、さまざまなクオリティが向上しているんですよね」

NW-ZX300の本体ソフトウェアがVer2.00より以前のバージョンである場合、「バイナルプロセッサー」を使うにはアップデートする必要があります。NW-ZX300Gは対応済みとなります。本体のバージョンにつきましては、こちらからご確認ください

【下村陽子さんによるトークイベント&ハイレゾ試聴会 開催決定】
下記のソニーストア 3店舗において、下村陽子さんにご登場いただくイベントを開催いたします。下村さんが手がけた楽曲をソニー製品で試聴しながら、さまざまな音のもつ魅力や、作曲家としての音に対するこだわりを、みなさまに感じていただくイベントです。
下村さんが手がけた楽曲をご本人と試聴できる貴重な機会となりますので、ご期待ください。

ソニーストア 大阪:7月21日(日)
(1)13:00〜14:00
(2)15:00〜16:00
イベント情報はこちら
予約満席の場合でも、当日立ち見でのご参加は可能です

ソニーストア 福岡天神:7月27日(土)
(1)13:00〜14:00
(2)15:00〜16:00
イベント情報はこちら
予約満席の場合でも、当日立ち見でのご参加は可能です

ソニーストア 銀座:8月3日(土)
(1)13:00〜14:00
(2)15:00〜16:00
イベント情報はこちら
シアタールームでの実施となりますので、予約制です

さらに、ソニーストアの各店舗(銀座・札幌・名古屋・大阪・福岡天神)では、7月13日(土)から8月12日(月・祝)まで、下村さんが手がけた楽曲や、Hi-Res 10 songsで選曲した楽曲をハイレゾ試聴できる展示を実施いたします。こちらも貴重な機会となりますので、ぜひお立ち寄りください。

音楽配信サイト「mora」で配信されている曲の中から選曲をしています
「mora」でのハイレゾ商品の試聴再生はAAC-LC 320kbpsとなります。
試聴再生は実際のハイレゾ音質とは異なります
ハイレゾで聴く場合は「mora」で購入する必要があります

NW-ZX300シリーズ

ウォークマンZXシリーズ
[メモリータイプ]

NW-ZX300シリーズ
ハイレゾの、真の魅力を、ここから

商品情報

ソニーストアで購入すると
64,880円+税〜

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MDR-1AM2

ステレオヘッドホン
MDR-1AM2
あらゆるジャンルの音楽を、ありのままの
音で届ける。ソニーのTHE HEADPHONES

商品情報

ソニーストアで購入すると
29,880円+税

ご購入はこちら

取材時にはハイレゾ対応のウォークマン「NW-ZX300」、ヘッドホン「MDR-1AM2」で試聴しました

PROFILE

下村陽子(しもむら ようこ) 兵庫県出身。4歳の頃よりピアノを習いはじめ、学生時代を通じて、さまざまな楽器や音楽に親しむ。大阪音楽大学短期大学部音楽科を卒業後、カプコンに入社。ゲーム音楽の制作に従事し、『ストリートファイターII』などの音楽を担当。退社後、スクウェア(現在はスクウェア・エニックス)に入社し、『スーパーマリオRPG』、『聖剣伝説 レジェンド オブ マナ』、『キングダム ハーツ』などの音楽を手がける。2003年より、フリーランスの作曲家、編曲家として活動をスタート。その後も数多くのゲーム音楽を作曲し、2016年に発売された『ファイナルファンタジーXV』ではメインコンポーザーを務めた。現在は、アニメや舞台などの音楽も手がけるほか、国内外においてオーケストラを率いたコンサートの開催も続ける。2019年10月19日(土)には、渋谷のBunkamuraオーチャードホールにて、作曲家活動30周年を記念したオーケストラ・コンサートを予定している。

下村陽子 オフィシャルホームページ
www.midiplex.com/

本ページに掲載している情報は2019年7月9日時点のものであり、予告なく変更される場合があります

Edit by EATer / Photography by Kiyotaka Hatanaka(UM) / Design by BROWN:DESIGN


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