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商品情報・ストアヘッドホンスペシャルコンテンツ 「MDR-DS7000」ができるまで

「MDR-DS7000」ができるまで | ゲームモードを搭載した7.1ch対応のデジタルサラウンドヘッドホンシステム

  • 01. 拡大するデジタルサラウンドヘッドホン市場
  • 02. 「ゲームモード」を搭載した理由
  • 03. ゲームならではの音の作り方
  • 04. さらに進化するデジタルサラウンドヘッドホン

03 ゲームならではの音の作り方

沖本   「実際のゲームモード制作段階では、音場についての意見をたくさんいただきました。その意見をもとに音場データをあてはめていくわけですが、意見のひとつひとつがすごく明確で分かりやすく、例えばひとつの音の定位のさせ方にしても『手で掴めるような距離、感覚』のように具体的だったので、とても調整しやすかったです」

角田   「またその意見を聞いて、プロフェッショナルな方とお仕事をさせていただいていると感じました。これは当たり前のことなんですが、目指すところがブレないというか。我々はソニー・ミュージックエンタテインメント(以下:SME)ともお付き合いがあって、スタジオモニター用のヘッドホンも手がけているのですが、SMEのエンジニアの方たちも、バンドであればボーカルが一番よく聴こえるようにして、次にギターとセオリーが決まっている。ゲームでもそれは同じで、目指す方向は常に一緒。我々としてもそこに向かっていけばいいんだと。その過程の中で本当にいろいろと教わることがありました」

栗栖   「特にセンターチャンネルの使い分けには驚きました。ゲーム中に雰囲気を出したいときはL、Rのチャンネルを使ってセンターの音を作り出し、ビシッと決めたいときはセンターチャンネルから音を出す。この違いが分からなければゲームの音ではないと。我々としては目からウロコでした」

山口   「音楽や映画と違って、ゲームならではの音作りというのが結構あるんですよ。ゲームで一番重要なことは、ダイアログをきちんと聞いてもらうこと。特にセンターチャンネルには、会話や操作音、ヒントなどを充てることが多いので、とにかく綺麗に聞かせたいと毎回ワガママを言わせていただきました(笑)。またいろいろな演出を入れるときは、スピーカーを同心円状に配置してミックスしていくのですが、本来ならあり得ないところから音を鳴らすとか、映画では本当はやってはいけないような演出も意図的にする場合があるんです。そのあたりはゲームならではですね」

間利子   「7.1chになったことで、いろいろなことができるとおっしゃられていましたよね」

山口   「そうなんです。まず7.1chになったことで、リアの解像度が格段に増しました。例えば後ろからクリーチャーが迫ってくる音など、今まで以上に細かい演出が聞き分けられると思います。また音がいろいろな場所に散りばめられている演出もしやすい。画面に映っていないキャラクターたちにも、見えないところで動いているという演出を、今まで以上に明確にできるんです。ゲームは画や演出がリアルであればあるほど、そこに流れる音もリアルでなければならない。PLAYSTATION(R)3になって、今まで以上に音が重要になってきていると思います。そのためリアの音も常に意識してほしいとお願いをしました。手を伸ばせば届くような音の定位感、まるでゲームの世界にいるような演出をこのヘッドホンには入れてもらいました」

栗栖   「それは7.1chのメリットでもあります。5.1chからチャンネルが2つ増えたことで、バックサラウンドの密度が濃くなるんです。特に雨の音や風の音などが包み込まれるような感じになり、環境音が5.1chに比べてとても豊かになるんです。また音の繋がりも滑らかになる。これまで5.1chだと音が中抜けするような感じがあったんですが、360°パンするような音も途切れることなく表現でき、前から後ろに抜けていく音も、綺麗に通り抜けますからね。さらに「MDR-DS7000」であれば、バーチャルホンテクノロジーとドルビープロロジックUxにより、2ch/5.1chの音源でも7.1chで楽しむことができます。これまでプレイしていたPlayStation(R)2用のゲームなどが、「MDR-DS7000」を使うことで、よりリアルに感じられると思います。ぜひ7.1chという、従来よりも本格的なサラウンド音場を体感していただきたいですね」

角田   「ただ7.1chになって音の密度が上がっても、重要なのはバランスだということを山口さんたちに教えられました。我々としては、音は低域が特に重要で、ゲームでもそうだと思ってやってきたのですが、山口さんから『低域も抑えてください、そうしないと疲れてしまいますから』と言われ、ハッとさせられました。ゲームは長時間プレイすることも多いので、疲れない音質というものも重要なんですよね。我々も漠然とは思っていたのですが、言われたように低音を抑えていけばいくほど音場がクリアになっていったんです」

山口   「ゲームは音楽や映画と違って、同じ場所を何度でも繰り返しプレイできますし、元いた場所に戻ることもある。同じ音を繰り返し聞くんです。そのため疲れる音だとストレスになってしまう。音を抑えて音場をクリアにするのは、重要な要素のひとつなんです。ただ先ほども言いましたが、ゲームをプレイされる環境はいろいろです。ゲームの音もテレビやスピーカーから聞こえる音を基本として作っていますが、ここまでプレイ環境が多種多様な現状では、ヘッドホンモードなどを搭載してもいいのかもしれませんね。極端なことを言えば、RPG、スポーツ、レースなどゲームジャンルごとのチャンネルがあってもいい。ただやはり大きな音でプレイする方がゲームに没入できて、面白さにも繋がります。その点ヘッドホンだと周りに遠慮することはないですから理想的ですね」

角田   「確かに先ほどプレイした、『GENJI』や『グランツーリスモ5プロローグ』などは大音量で楽しみたいですよね」

間利子   「『グランツーリスモ5プロローグ』は、エンジン音やカーブを曲がるときの砂利の音が本当にリアルで、実際に車を運転しているみたい感じられました。『みんなのゴルフ5』は、風の音や鳥のさえずりなどがいろいろな方向から聞こえてきて、まるでコースにいるような臨場感。ショットの音も本当に爽快ですよね」

沖本   「『GENJI』などは敵を斬る音が重く感じられて、音で手ごたえを感じられる。敵の位置もちゃんと音で分かるし、アクションゲームなどは7.1chでプレイすると、また違った楽しさが味わえると思います」

山口   「音はゲームの面白さのひとつなんですよね。先ほど言われた爽快感などはまさにそう。また一人称視点のシューティングゲームなどは、自分がどこから撃たれたのか察知できるので、ゲームシステムの一部でもあるんです。それぐらいゲームにとって音は大切なものだし、いい音、サラウンドでプレイするとより面白いものになるんです」

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