1992年デビュー。ザ・コーネリアス・グループやプラスチック・オノ・バンドに於けるプレイヤーとしての活動の他、あらきゆうこのプロジェクトmi-guのプロデュースや、CHARAのアルバム「夜明けまえ」のプロデュース等、幅広く活躍中。
ソロ・アルバム/ソロ・ツアーを展開するほか、マイク・ワット、ネルス・クライン、あらきゆうことの新バンドbrother's sister's daughterによる新作『BSD』をリリース。作曲家・藤倉大との共演作もリリース間近。
ついにバランス接続対応のヘッドホンがソニーから出たんですね。音を聴かせてもらえるのを楽しみにしていました。(試聴して)……なるほど、こうなるのか……。すごいな。音の一つ一つが細かいところまでしっかり聴こえますね。これだけの環境がポータブルで外に持ち出せるようになると、どこでもミックスや音作りが出来るようになっちゃいますね。
※バランス接続には別売の専用ケーブル(MUC-S20BL1)と別売のバランス出力対応のポータブルヘッドホンアンプ(PHA-3)を使う必要があります。
ケーブルもそうですが、ヘッドホン自体の再生性能にものすごく余裕がある感じなので、空間が広くて、余裕綽々で鳴らしているように聞こえます。耳に心地いいですね。ケーブル(MUC-S20BL1)は銀を使っているような音質ですけど、材料はなんですか?(銅線を銀でコーティングしていることを聞いて)そうですよね、少し涼しげでクリアな響きですから。中高域がよく響いて、低音のカタチもよく出ていると思います。すごいですね。
ケーブルを換えるのは、レコーディングやライヴの現場で一般的に行われていることです。ケーブルは音のエネルギーをそのままに届けることがベストなのですが、それでもやっぱり違いやクセがあって、出音がいろいろと変わってきますから、僕自身は、自分でケーブルを自作していろいろ試しています。材質や構造によってどんどん音が変わって楽しいですよ。いろいろなケーブルを試しながら音を調整して自分の音を作るわけですが、それが一般の再生環境でも楽しめるようになってきたということですよね。嬉しいです。
このMDR-1Aの別売ヘッドホンケーブルは、どちらもそれぞれの個性をよく活かしたつくりになっていると思います。バランス接続用のヘッドホンケーブル以外の1.2mステレオミニプラグのケーブル(MUC-S12SM1)や3.0mの標準プラグのケーブル(MUC-S30UM1)は、音楽としてすごく聞きやすい音に調整されていますね。コイルのねじり方にもすごく気を遣っているんじゃないかな。バランス接続対応のケーブル(MUC-S20BL1)のほうは、とにかく音と位相が安定していて、それぞれの音をしっかりと響かせている。再生音源を非常にシビアに鳴らしていて、精細なところまで聞き取ることができますね。同じ音楽でもケーブルによってこれだけ違った聴き方ができることがよくわかるんじゃないかと思います。
こういうヘッドホンやケーブルを試すとつくづく痛感しますが、音の良さって、生理的な心地よさなんですよね。美味しくて健康な食事って、一口食べただけでその良さが誰にでもわかると思うんです。音や音楽もそれと同じで、人間の感覚のすごく繊細な部分に直接訴えかけるものなんじゃないかな。いい音は誰にでもわかるし、いい音や音楽はやっぱりしっかりと耳や心に届くものなんですよ。自分でケーブルを作る立場からも、このMDR-1Aと今回試聴したヘッドホンケーブルがすごく理にかなって作られていることもよくわかるし、作っている人たちの努力とか想いが伝わってくる気がします。音楽も同じでしょうね。つくづく、僕も負けられないな、と思いますね。
僕自身は、今はソロで全国を回りつつマイク・ワットたちとのbrother's sister's daughterのツアーの準備をしています。そしてもうひとつ、世界的な作曲家である藤倉大さんとの新作を作っているところです。光栄ですし、萌えています。あまりにも相手が大物すぎるので緊張しながらですが(笑)。これはハイレゾ録音、そしてハイレゾ再生リリースなので、楽しみにして欲しいですね。ぜひこのMDR-1Aとバランス接続で聴いてみてください!