商品情報・ストアサウンドバー/ホームシアターシステム「HT-ST7」が実現する新次元映画サウンドとは

サウンドバー/ホームシアターシステム

「HT-ST7」が実現する新次元映画サウンドとは


「HT-ST7」は、手軽に使えるサウンドバータイプながら、徹底して高音質を追求した、ソニーのサウンドバー最上位モデルだ。開発の上でも、このカテゴリーの製品でははじめてソニー・ピクチャーズ エンタテインメントと協力し、映画制作の現場のサウンドデザイナーによる音づくりのアドバイスも受けている。さらには、これまでもサラウンド再生システムの開発で長く連携していたDTS社とより密接なやりとりを行い、「DTS-HD Maser Audio™」ロゴを取得した希有なモデルとなっている。


バータイプスピーカーの常識を超えた「7.1chモデル」として誕生した「HT-ST7」

今回は、ソニーとDTS、双方の担当者と、AVライターの鳥居一豊を交えた3者による鼎談(ていだん)を実施。ソニーとDTSにとっての「映画の音」とは何なのか、「HT-ST7」が目指した「映画の音」とは何なのか、解き明かしていく。

なお、「HT-ST7」のハードウェア/ソフトウェアについて開発陣に迫った後編記事についてもぜひ併読されたい。

   
伊藤哲志氏 dts Japan 株式会社
マーケティング部
シニア・マネージャー
  鳥居一豊氏 AVライター   藤下金章氏 ソニー株式会社
R&Dプラットフォーム 情報技術開発部門 オーディオ技術開発部 6課 統括課長、主任技師

※本文敬称略

「HT-ST7」が目指した「映画の音」とは何か?

「HT-ST7」が目指した「映画の音」とは何か?

鳥居「HT-ST7」については、僕も発売前からいろいろとお話を伺っていて、「お手軽な製品であるサウンドバーなのに、かなり気合いの入った製品づくりをしているな」と興味を持っていました。なかでも最大のキーワードになるのが「映画の音」です。まずはここから、お話を聞いていきたいと思います。

ソニー 藤下氏

藤下「HT-ST7」は、サウンドバーの手軽さはそのままに、本格的なリアル7.1chシステムに迫るような高音質で映画を楽しめることを目指して開発しました。高音質で映画を楽しむというのは、これまでの製品でも同じなのですが、その上を目指すという意味で、「映画スタジオや映画制作者の意図する音をありのままに再現できること」を目標にしています。

鳥居「HT-ST7」は、開発段階から、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントのサウンドデザイナーとかつてない圧倒的な映画サウンドを目指し、作り上げていったということですが、サウンドバータイプの商品としてはかなり珍しいですね。

藤下はい。「HT-ST7」では、開発段階からハリウッドに何度も試作機を持ち込み、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントのサウンドデザイナーとチューニングに時間を費やしました。映画制作の立場から、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントが考える「最高の映画サウンド」とは? 商品開発の立場から、シアターが考える「誰もが自宅で再現できる最高のサウンド」とは? コンテンツ、ハード、両方の英知を結集し、徹底的にこだわり抜いた、最高のサウンドバーを作り上げることができたと自負しています。

鳥居実際はどのような感触だったのでしょうか?

藤下今回共に取り組んだソニー・ピクチャーズ エンタテインメントのサウンドデザイナーは、単品コンポーネントのAVアンプに搭載している、自宅に映画館の音場を再現する「HD-D.C.S.(※)」などでも関わりのあるメンバーで、気心は知れている人たちでした。彼らは皆、実際の映画サウンドのデザイナーですから、視聴ソースは自分が作った映画。それを聞きながら「自分が作った音像の位置が違う」などという詳細な意見を提示してくれるわけです。そういったアドバイスを反映しながら、音場再現のアルゴリズムを音質的な面も含めて調整しました。
(※)ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントの持つ、映画館を模したダビング用スタジオ「ケリー・グラントシアター」の音場を高精度に測定・解析し、家庭でその音場を再現する技術

鳥居映画の音を実際に作っている人たちですから、要求もかなりレベルが高いでしょうね。

藤下音を評価する際は、とにかく凄い音量で聴くというのにまず驚かされます。それでいて、自分の耳をとても大切にしています。大量の耳栓を準備していて、音を聴かないときは一切耳に音を入れないなど徹底しているんですね。
そんな彼らが「映画の音」に求めるものが、セリフ(ダイアログ)、音楽、効果音(エフェクト)という3つの要素でした。声が明瞭に聴こえること、音質的に優れたクオリティーを持つこと、音場の広がりや空気感、効果音の音像定位がきちんと出ることです。これらについては、彼らはかなりこだわりを持っており、それをもとに、サラウンド再生のためのアルゴリズムや、基本的な音質も含めて改善を加えていったのです。セットとしてのトータルのサウンドを確認しては、また修正するというやり取りを何度も行った結果、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントのサウンドデザイナーからは、「自分たちがデザインした音像が、非常によく再現できている」という評価ももらえ、最高のものに仕上がりました。

鳥居「映画の音」に関しては、、DTSも長年取り組んできたテーマかと思いますが、伊藤さんとしては「映画の音」をどのようにお考えですか?

DTS Japan Inc. 伊藤氏

伊藤DTSはまず、映画館の音をより高音質にすることから始まった会社です。スピルバーグ監督の「ジュラシック・パーク」がその最初の作品ですが、音声情報をフィルムに光学記録するのではなく、別途CD-ROMで提供するかたちとし、情報量豊かな音を実現しました。そして、こうした映画館の音を家庭でも同じように楽しめるようにすることに力を尽くしてきました。その甲斐あって、現在ではDTS-HD Master Audioというロスレス圧縮フォーマットが完成し、BDなどを通じて制作スタジオの音をそのまま家庭でも再現できるところまできました。

弊社が最近うちだしているメッセージとして、「音によって見えてくるものは変わる(Sound Changes The Way We See)」というものがあります。たとえばここに、UFOが都市の上空に滞空している絵があります。これだけでは、そのUFOが地球を侵略しに来ているのか、それとも友好的な関係を結ぼうとしているのかは伝わらない。しかし、そのシーンで恐ろしげな音楽を流すだけで……というわけです。これは、大画面時代になって、映画における「音」がますます重要になってくることを意識したメッセージなんです。


「銀河戦争か、平和の使者か?」と題された、DTSによるキャンペーンビジュアル。
ほかにもいくつか種類があり、DTSのサイト で見ることができる。 *DTS社サイトに遷移します

鳥居それはよくわかります。家庭のテレビが大画面になって映像が良くなっても、音が貧弱なままだと、映像までこじんまりとする気がします。逆に、音が良くなれば、映像の魅力が増したように感じることも多いです。

伊藤そうですね。ですから、理想は映画館そのままの音を家庭でも楽しめるようにすることです。けれども、映画館と家庭では環境が大きく違います。サラウンドにしても、一般家庭ではスピーカーを実際に7.1ch分配置するのもなかなかハードルが高い。その点、サウンドバータイプはテレビの周りにスピーカーとサブウーファーを置くだけですから、ハードルはかなり低くなっています。昨今の人気もうなずけるところです。
そんな中で、手軽さだけでなく、「音質」にも徹底してこだわったという「HT-ST7」には、かなり関心がありましたし、我々の目指すものとも一致していますから、できる限りの協力をさせていただきました。

鳥居リアル7.1chはリアスピーカーの置き場所の問題など、生活空間で実現するにはいろいろと大変ですからね。サウンドバータイプで理想的な「映画の音」が楽しめるというならば、それはとても素晴らしいことだと思います。

関連情報

「HT-ST7」製品情報

関連記事 * AV Watchサイトに遷移します

■鳥居一豊の「良作×良品」
ひたすら音に拘(こだわ)る最上級サウンドバー ソニー「HT-ST7」
「レ・ミゼラブル」が歌い上げる人々の迸(ほとばし)る感情を体感
http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/torii/20130924_616235.html

■ ソニー、波面制御サラウンドの最高峰7.1chサウンドバー
4K時代のプレミアム機「HT-ST7」。磁性流体+S-Master
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20130808_610237.html

ページの先頭へ