2枚とも、50mm F1.4 の最近接撮影距離(45cm)から撮影したもの。焦点距離が同じなので花の大きさや背景の写る範囲は等しいが、F値の小さい分、50mmF1.4の方がボケ具合は強い。ただし50mm F2.8 macroでは、この位置からさらに花に近寄って(20cm)ピントを合わせることができる。その際、背景のボケはこれらの例よりずっと強くなる。
50mm F1.4 標準レンズで撮影
マクロレンズの最大の特徴は被写体の大きさを撮像素子上で等倍撮影までできること。比較対象用に50mm F1.4の標準レンズの最短撮影距離で撮影すると、この大きさまでしか撮れない。
焦点距離:50mm 絞り:F9 シャッタースピード:1/6秒
絞り開放。100mmマクロの方が撮影距離が少し長いにも関わらず、焦点距離が2倍のため被写界深度がやや浅い。被写体を浮き立たせる効果としては、100mmマクロの方が有利。
50mm F2.8 macro 絞り開放 撮影倍率1/2で撮影
背景の写る範囲は50mmマクロのほうが若干広い。50mmマクロは100mmマクロと比べるとコンパクトでフットワークが良く、50mmの標準レンズとして汎用性の高い使い方ができる。また、近づいて撮影できる花や静物などのピント合わせがしやすいので、初心者の方におすすめだ。
100mm F2.8 macro 絞り開放 撮影倍率1/2で撮影
100mmマクロは50mmマクロよりも被写界深度と背景の写る範囲が狭い。そのため、より被写体を浮き立たせて描写するシーンで使用するとよい。また最短撮影距離が長いので、柵の先の植物や昆虫など、容易に近づけない被写体のマクロ撮影で活躍する。