法人のお客様ラインアレイスピーカー 事例紹介 学校法人 福岡女学院 様

学校法人 福岡女学院 様

1,000名以上収容可能な講堂の全員に同じ明瞭な音を届けられるラインアレイスピーカー

学校法人 福岡女学院は、1885年(明治18年)に米国のメソジスト監督教会から派遣された宣教師ジェニー・ギールによって、「英和女学校」として創設。当時日本の女性の社会的地位はまだ低く、女子に対する教育が顧みられていなかった時代に、キリスト教の伝道と女子教育の普及をめざして誕生しました。創立以来、一貫して「キリスト教に基づく女子教育」を堅持し、国内外で活躍する約70,000名の卒業生を輩出。創立者ジェニー・ギールによって伝えられたキリスト教の信仰は今も受け継がれ、幼稚園や中学校・高等学校、大学・大学院、看護大学のそれぞれの学校では、日々の礼拝、宗教行事、授業等を通した人格陶冶を重んじる教育を実践しています。さらに、めざす人物像を「イエス・キリストにつながれて、隣人を愛し、豊かに実を結ぶ人間」と定め、「園児、生徒、学生、保護者や地域社会に選ばれる学院づくり」を目標に掲げています。今回は、福岡女学院の施設課のみなさまに、『ギール記念講堂』に導入されたソニーのラインアレイスピーカー『SLS-1A』についてお話を伺いました。

歴史ある講堂の音響設備をリニューアル

『ギール記念講堂』は、幅約22m、奥行き約37mの、1階席と2階席を合わせて最大1,123名を収容可能なチャペルです。日々の礼拝をはじめ、クリスマス礼拝や全学修養会、入学式の会場としても使用されています。イエス・キリストの肖像画などが飾られ、厳かで静穏な雰囲気に包まれた空間です。「静かな気持ちになりたい時は、ここに来ます」という学生も少なくありません。

最大1,123名を収容可能なギール記念講堂

そのギール記念講堂において、音響や照明機器の老朽化に伴い、設備のリニューアルを計画。そのなかでソニーのラインアレイスピーカー『SLS-1A』の話を聞き、実際に講堂内でデモを行うことになりました。関係者一同でその音を聞いてみると、1階、2階のどの席でもクリアな音声が聞こえることと、サイズもコンパクトで大規模な改修工事を必要としないことが決め手となり、導入を決定しました。また、本講堂のステージ左側には日本で唯一、中部ドイツバロック様式のパイプオルガンがあるのですが、このパイプオルガンのある厳かな雰囲気を考慮した設置位置を工夫してもらえたことも、導入の後押しとなりました。

前方のスピーカーのみで2階席まで鮮明に届く音場を醸成

デモの際、1階席、2階席と歩き回って音声を聞いたのですが、どこからでも同じように音が聞こえ、ステージ上で話す人の声も明瞭に聞き取ることができました。ためしに、音の方向性を1階席だけにフォーカスしたパターンと、2階席だけにフォーカスしたパターンを簡易的に切り替えて聞かせてもらいましたが、その精度の高さに「これはすごくユニークなスピーカーだ」と感じたことを覚えています。耳で聞くだけでなく、スマートフォンの音圧測定アプリを使ってさまざまな位置で音圧を測定していましたが、天井スピーカーがなくても前方のSLS-1Aのみで、奥行き約37mの全座席にほぼ同じ音圧値が出ていたことに驚きました。また、設置後、マイクと音響測定アプリで実際の音圧測定をいただきましたが、全席に平均±1.3dBという見事な結果となりました。

ギール記念講堂のステージの左右に設置されたラインアレイスピーカー『SLS-1A』(縦6連結)

また、SLS-1Aを設置する前に音響シミュレーションソフト『EASE Focus 3』であらかじめ音圧分布のシミュレーションしたデータを見ることができ、ステージ上のスピーカーだけで音を満遍なく届けられることが視覚化されていて安心感がありました。設置後に行われた入学式でも、以前より音声が聞こえやすくなったと出席者からも非常に好評でした。

『EASE Focus 3』による音圧シミュレーション画面

最先端機器を取り入れながら、さらに親しまれる空間へ

SLS-1Aだけでなく、講堂後方の1階席と2階席の間にデータプロジェクター『VPL-FHZ131』も導入しました。レーザー光源のプロジェクターで190インチスクリーンに映像を投写でき、ステージの照明を落とすことなく明るく鮮明に映る点が気に入っています。また、これまではイベントがあるたびにプロジェクターを持ち込んで対応していましたが、今回講堂内に常設したことで準備の手間や時間が大幅に省けるようになりました。

そのほか、プロジェクターの直近にPTZオートフレーミングカメラ『SRG-A40』も設置。こちらもデモで見せてもらった際に、AIが自動で被写体を認識して自然な画角で撮影する「オートフレーミング機能」に驚きました。臨場感の高い映像をオンラインで配信するなど、学内外へ向けたさまざまなイベントで今後活用していきたいと考えています。

データプロジェクター『VPL-FHZ131』(左)とPTZオートフレーミングカメラ『SRG-A40』(右)

福岡女学院は、キリスト教の精神に基づいて長い歴史を歩んできました。そのキリスト教活動の中心、ひいては本学の営み全体の中心といえるものが、ギール記念講堂でのチャペル礼拝です。月曜日から金曜日までの1時限目と2時限目の間に行われており、参加者にとって日常の中での静かな、自己発見の時間となっています。今回、音響機器や映像装置をリニューアルしたこのギール記念講堂が、本学の学生、生徒たちの心のよりどころとして、これからも永く愛されていく空間となることを願っています。

システム概要 パワードラインアレイスピーカー SLS-1A

パワードラインアレイスピーカー SLS-1A
6モジュール × 2
再生周波数帯域:80Hz〜20kHz
最大音圧レベル:121dB(6モジュール × 1)
サイズ:高さ2,304mm × 幅92mm × 奥行110mm(6モジュール × 1)

データプロジェクター VPL-FHZ131 × 1台
PTZオートフレーミングカメラ SRG-A40 × 1台

パワードラインアレイスピーカー SLS-1A

パワードラインアレイスピーカー SLS-1Aは、1つのモジュールの中に、平面で四角い振動板を用いたソニー独自開発の磁性流体スピーカー8つを48mmという狭い間隔で配置。歪みを抑えたクリアな高音質を実現するとともに、音を届ける方向や角度などの指向性を高精度に制御するビームコントロールを可能にしています。また、小型な筐体にDSP(デジタルシグナルプロセッサー)と最大出力10Wのアンプを8ch内蔵。企業のエントランスやショールーム、会議室、教育機関などの施設に設置した大画面ディスプレイと組み合わせることで、明瞭な音声を狙った場所に均一に届けられます。

パワードラインアレイスピーカー
SLS-1A

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