法人のお客様プロフェッショナルモニター 事例紹介 レスパスビジョン株式会社 様

レスパスビジョン株式会社 様

柔らかなハイライト 暗部の確かな色再現 HDR 4Kマスターモニターとして納得できたBVM-HX310
レスパスビジョン株式会社 様は、BSにおける4K放送開始をはじめとする、さまざまな用途での4K HDR制作需要の高まりに備えるため、ポストプロダクション部門において新たにHDR対応31型4K液晶マスターモニターBVM-HX310を導入され、2019年2月より運用を開始されました。同社 技術部 部長 長島正弘 様にお話を伺いました。
長島正弘 様

BSの4K放送開始を受けたHDR対応

当社では20室ほどの編集室を抱えていますが、今回BVM-HX310を設置したE4編集室の“Baselight”や “Mistika”などのシステムは、すでにHDR制作に対応する充実した機能を備えています。4Kモニターはすでに導入していますが、HDR化についても検討を重ねていました。しかし、今までの各社のLCDのHDR対応4Kモニターは、ハイライトの輝度を出すために、それにつられて黒も浮く傾向が見受けられ、私たちのマスターモニターに対する要求を満たしているとは言い難いものがありました。しかし、そうこうしている間に、2018年12月からBSでの4K放送がスタートし、当社でも4K HDR制作に本格的に取り組む必要に迫られることになりました。

バランスの取れたハイパフォーマンスモニター

HDR対応4Kマスターモニターの導入を迫られる中、ちょうど営業さんから「一度見て見ませんか?」と、ご紹介いただいたのが、LCDパネルを採用した新製品のBVM-HX310でした。BVM-HX310は画面一面の高輝度1000cd/㎡表示も可能です。一方で、LCDパネルであることにより不利になるであろう、黒の締まりやコントラスト比は、ソニー独自の技術で見事にカバーされ、今までのLCDとは一線を画し、限りなく有機ELに迫っており、とても高いバランスの取れたモニターだと感じました。

今でも基準となっている“CRT”に近い再現を実現

特に、私たちが重視しているのは、スペックだけでなく、スペックに現れない実際の見え方です。言葉で表現するのは難しいのですが、デモ機を拝見させていただいたところ、BVM-HX310は、HDRのハイライト部分の階調表現が豊かで、「硬さ」や「目の痛さ」がなく、とても自然な見え方がしました。HDRの映像表現には、この自然光に近い柔らかな表現が必要と考えています。また、私たちが今でも基準にしている「CRTマスモニでの見え方」に近いと感じられるカラーバランス、ガンマカーブ等、大変良い印象を受けました。

高いこだわりを満たしてくれるBVM-HX310

当社では編集室内の照明に限らず、廊下など共用部の照明の色温度もできる限りCIE標準光源「D65」に統一するなど、色に対してかなり高いこだわりを持って取り組んでいます。編集室のマスターモニターとしては、今まで、ソニーのBVM-E250なども使ってきました。HDR対応4Kモニターとしては、BVM-X300を含めて各社の製品を検討しました。それらを通じて感じていたのは、例えば、暗部のカラーバランスや、わずかなユニフォミティーのずれなど、詳細に確認しないと見逃すような部分への、マスターモニターに対するさらなる高い期待でした。今回紹介を受けたBVM-HX310は、BVM-X300よりも暗部の立ち上がりやスペクトラムのバランスなど細部にも大幅に磨きがかかった印象を受け、私たちの高い期待とこだわりを満たしてくれると感じました。そこで早速1台を4KのHDR制作用に導入することにしました。

LCDで新製品を投入した意義を実感

BVM-HX310は、マスターモニターを有機ELパネル中心にラインアップしていたソニーが、敢えてLCDパネルで投入してきた意義を感じさせる製品です。まさに、納得できるHDR対応の4Kモニターだと感じています。LCDパネルを使用していることにより、フリッカーがなく、暗い編集室で長時間作業をしてもオペレーターの目が疲れません。現在のHDR対応の4Kマスターモニターとして、ポストプロダクションにおける最良の選択肢だと思います。

当面は案件ごとに各部屋に移動しながら利用

今回導入をしたBVM-HX310は、一旦Baselightカラーグレーディングルームに設置をしました。しかし、お客様や作品によってHDR編集を行いたい編集室は異なりますので、当面は案件ごとに、必要となる部屋にBVM-HX310を移動しながら運用を行う予定です。今後はHDR制作需要の高まりに合わせて、順次BVM-HX310を増備していきたいと考えています。

今後は広色域の高いカバーにも期待

BVM-HX310は、高い頻度で扱っている劇場向け広色域規格のDCI-P3については、すでにほぼ包含できています。一方BS 4K放送における色域としては、広色域のITU-R BT.2020が定められています。しかし、現行HD放送との同時制作などの観点から、当面はHD放送用のITU-R BT.709カラースペースで制作したコンテンツを、納品段階でBT.2020にマッピングする形が続くと考えられます。
しかし、将来的にはBT.2020での制作需要は高まってきます。ソニーのカメラではすでにBT.2020を完全に包含するS-Gamut3の色域での撮影が可能です。しかし、各社業務用・民生用に関わらず、BT.2020の色域をほぼ全てをカバーできるモニターはありません。現在でもソニーのBVMシリーズはトップクラスのBT.2020カバー率ですが、これまでの他の色域と同じく「BVMならBT.2020全ての色が見えているから大丈夫」というような、BT.2020をフルカバーしてくれるような製品の投入にも引き続き期待を寄せています。

経年変化も少なく信頼がおけるソニーのマスターモニター

ソニーのモニターはCRT時代から使ってきました。ソニーのマスターモニターの印象は、経年劣化や経年変化が少なく使いやすいことでした。長年、信頼をおいてソニーのモニターを使ってきました。
BVM-X300以降では、扱う色域のバリエーション増加やEOTF/OETFなどの増加に伴って、メニュー構成なども変わりましたが、今後、そういったメニュー構成や操作なども、便利に簡単に安心してシンプルに使えるよう、これからもソニーには一層の改善を期待しています。

取材日:2019年4月上旬

BVM-HX310商品情報

レスパスビジョン株式会社

「無いものは創る」の精神を掲げ、1987年に独自開発のマルチカメラオフライン編集システムを核にポストプロダクションを創業。オフライン編集サービスの拡充を経て、1997年にはオンライン編集室も開設。さらに2001年には5.1chサラウンドMA室を設け、総合ポストプロダクションに。近年はDIサービスや撮影サービス、制作プロダクション業務にも事業を拡大。「無いものは創る」のDNAを引き継ぎ、ポストプロダクション周辺分野にむけたオリジナルアプリケーション・ユーティリティーソフトウェアの開発・販売なども手掛ける。2017年には創業30周年も迎え、総合ポストプロダクションとして、ミュージックビデオからテレビコマーシャル、映画・ドラマなど幅広い分野において活躍中。

http://www.lespace.co.jp

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