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NTSC方式では、輝度信号と色信号、同期信号を一本に組み合わせてコンポジット信号を作ることで、モノクロ/カラーの両方に対応しています。輝度信号と色信号を同時に送るため、図1のように、輝度信号と色信号のピークが交互になるように工夫されています(周波数インターリーブ)。 |
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モノクロ放送の場合の水平同期周波数はf H =(総走査線数525本)×(フレーム周波数30Hz)=15.75kHzですが、カラー放送を考慮する場合には、色信号と音声搬送波4.5MHzとの干渉を避けるために、水平同期周波数f H の整数倍が4.5 MHzとなるように決めなおす必要がありました。モノクロ方式の場合のf H に近い周波数を選び、次のようになります。 |
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これから計算して、垂直同期周波数fV は次のように決められました。 |
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このように、放送と密接な関係のある映像制作の場面では、垂直同期周波数として 59.94 Hzが使われています。
今回は総走査線数 525本(有効走査線数 480本)のNTSC信号を中心にご説明しましたが、総走査線数 1125本(有効走査線数 1080本)であるHDCAM、HDCAM-SRなどのHD映像でも fV には 59.94 Hzが使われています。HD素材をダウンコンバートしてSD放送することが簡単になるためです。
実務上、「59.94iモード」と「60iモード」を明確に区別する必要がなければ、どちらも「60i」と呼ぶことが多いようです。
なお、制作機器の内部では、それぞれの周波数関係を正しく保つために、1つの発振器から分周して各信号がつくられています。 |
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注) |
本来は技術的に厳密な掲載をすべきところですが、この解説文は、スペースの都合により できるだけ簡略にしています。 |
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