|
|
|
|
磁気テープは温度・湿度によって僅かに伸縮する性質を持っています。特に急激な温・湿度変化を加えると、テープ自体に物理的変形が発生し、正常な記録再生ができなくなる場合があります。なかでも夏場の車内等は80 〜90 ℃以上になることがあるため、例え短時間の放置でもカセットハーフ、機構部品、磁気テープが熱変形してしまうことがありますので注意が必要です。
(下図:カセット変形事例参照) |
|
|
|
↑ページトップへ |
|
|
|
|
|
|
|
テープを寒い場所から温かい場所に持ってくると、カセット表面や磁気テープ表面に露つき(結露)が発生する場合があります。露つきはその温度差が大きい程発生しやすくなるため、特に冬場の屋外から屋内にテープを運んだ時には要注意です。
露つきが発生した状態のテープをVtr に入れるとVtr 走行系にテープが貼りつき、走行不能になったり、「からまり」が発生してテープが取り出せなくなったりするトラブルにつながります(上図;ドラムへの貼りつき写真参照)。
露つきは、カセット窓部のくもりでおおよそ判断できます。もしくもりがある場合は、そのくもりがなくなるまで、使用環境になじませれば使用可能となります(左上図;カセット窓部のくもり写真参照)。 |
|
↑ページトップへ |
|
|
|
|
|
カセットテープは、Vtr に装填された状態でテープ走行がスムーズになるよう設計されており、また様々な機構部品で構成されています。
従って、手動でカセットのリッドを開けたりリールを廻したりすると、誤ってテープに触れてしまい、キズがついたり、無理にリールを回転させることにより金属ガイドと強く接触し、「擦りキズ」(ひどい場合には太い線キズとなる)が発生する原因となります。
また、これらによって入るキズは、その程度によって画面ノイズになる場合がありますので、むやみにカセットのリッドを開けたりリールを廻したりしないでください。
|
|
|
|
↑ページトップへ |
|
|
|
|
|
|
|
Vtr再生時、瞬間的に音が飛んだり、画面に横方向の線状ノイズが走ったりすることがあります。これはドロップアウトと呼ばれる症状で、その大半がVtrヘッドとテープ間にホコリ等の異物が入り込む事により発生します。上図データはVtr使用環境によるドロップアウト発生数を比較したものですが、明らかにチリ・ホコリの多い環境ではドロップアウトが増えてしまうことがわかります。
なお、Vtrには、このドロップアウトをある程度補正する機能があるため、すべてノイズとなって見えるわけではありませんが、良好な記録・再生を行うためにはVtr使用環境にも最新の配慮が必要です。
|
|
|
↑ページトップへ |
|
|
|
|
|
テープを巻き途中の状態でVtr から取り出し、長時間(長期間)放置すると、その部分に物理的変形が発生し、記録再生に影響を与える場合があります。また、取り出した状態でそのまま放置(ハードケースなし)すると、チリ・ホコリの付着等により部分的なドロップアウト増加につながります。上図データは、テープトップまで巻き戻した状態で長時間放置(ハードケースあり)した場合とのドロップアウトを比較したものです。やむを得ずテープ巻き途中で放置する場合もハードケースに入れてホコリ等をシャットアウトしておくことをお勧めします。
|
|
|
|
↑ページトップへ |
|
|
|
|
Vtr は長期間使用していると、テープから脱落した細かい磁性粉やVtr 室内のホコリなどが徐々に堆積し、ビデオヘッドや回転ドラム周辺、テープガイド系に付着してきます。これら付着物による汚れは少なからずドロップアウトの原因となる(上図参照)ため、特にVtr 内テープ走行系は定期的にクリーニングするなど、できるだけきれいな状態で使用するよう心掛けてください。 |
|
↑ページトップへ |
|
|
|
|
Vtr は長時間あるいは長期間の使用に耐えられるよう、また各種部品はそれぞれの過酷度に応じ消耗を最小限に抑えるよう、機構及び材料面での工夫がなされています。 |
|
|
しかし、車と同じように回転部品やその摺動部分の耐久性には限界があり、定期的な交換が必要となってきます。特にVtr では、テープ面ともっとも接触の多い回転ヘッドや、テープを一定速度で送るためのピンチローラー等の摩耗が進むと画面にチラツキノイズが出たり、周期的な画乱れが発生したりする事があります。左上図にトラブルの一例を示しますが、ピンチローラーの摩耗やキャプスタンの汚れ等によってテープ走行が不安定になり、テープシワ(ニップシワと呼ばれる)が発生したケースです。
これらのトラブルを未然に防ぐためにもVtr メーカー推奨の定期点検を受けるようお勧めします。 |
|
↑ページトップへ |