ソニー製品情報
大阪セントバース教会様は、2006年9月に大阪・南船場の繁華街にオープンした教会スタイルの結婚式場。イギリスで18世紀に造られたステンドグラス、パイプオルガン、椅子などの調度類を配したチャペルが人気を集めています。
この式場にはライブコンテンツプロデューサーAnycast StationとリモートカメラBRC-H700を採用した、コンパクトで高機能な撮影・収録システムが導入され、希望するお客様に高画質で臨場感あふれる結婚式映像が提供されています。来るべきハイビジョン時代にもスムーズに移行できる、次世代型のブライダルビデオ制作システムとなっています。
大阪セントバース教会
チーフフォトグラファー
大越大祐様
ブライダルビデオを担当するチーフフォトグラファー大越大祐様は、計画当初からハイビジョン時代を意識した次世代型の撮影・収録システムを検討されていました。「ハイビジョンへの過渡期ですから、より高画質で効率的なSD運用ができるだけでなく、ハイビジョン時代に合理的に、スムーズに移行できるシステムを基本コンセプトとしました。まず、チャペルに設置するカメラはハイビジョン対応のリモートカメラBRC-H700としました。従来の制作用カメラにはない一体型デザインで、式場に設置しても雰囲気を壊すことがない点や、滑らかなリモート性能も高く評価しました。そして、収録システムの要となるスイッチャーに決めたのがAnycast Stationでした。最大の決め手は、やはり高品質のSD運用を続けながら、入出力ボードのみの追加でハイビジョンに対応できる発展性にありました。」
チャペルに設置された3式のBRC-H700は、光ファイバーケーブルで別階にあるAVルームと接続されています。パン/チルト/ズームなどの操作は、AVルームに置かれた3式のリモートコントロールユニットRM-BR300によってリモート操作されています。同時にBRC-H700のSD-SDI映像出力とエンベデッドオーディオがAnycast Stationに入力され、スイッチング/ミキシングされた映像・音声がパソコンのハードディスクに収録される仕組みです。また、各カメラの映像はHDVレコーダーHVR-M15Jにバックアップ収録され、映像の差し換えなどに柔軟に対応できるようになっています。
大越様は、コンパクトでワンマンオペレーションが可能な点も高く評価されています。「当社では、内容を一番よく知っている撮影スタッフが、編集から仕上げまでを行うようにしています。Anycast Stationをはじめとして非常にコンパクトなシステムですから、デスクトップに配置して一人で操作できる点も大きな魅力です。」
チャペル前方にリモートカメラBRC-H700を設置
AVルームの収録システム
大阪セントバース教会
ビデオカメラマン
谷口弥妹様
式場ビデオを担当する谷口弥妹様も、操作性や使い勝手の良さを高く評価されています。「3台のカメラをコントロールしながら、必要なカットをAnycast Stationでスイッチングして収録していきます。カメラの滑らかでレスポンスの良い操作感、そしてAnycast Stationのスイッチングしやすさなど、使い勝手の良いシステムなので、慣れれば一人でオペレーションしていても不安はありません。カット割を予め想定しながらスイッチングしていきますので、収録映像がほぼ完成形に近く、しかもAnycast StationはDVのプログラム出力を直接ノンリニア編集機に送り、リアルタイムでデジタイズすることができますので、その後に行う編集も速いものだと1時間ほどで終了します。」
この効率的なオペレーションで、場合によっては、二次会に式場ビデオをお持ちいただくことも可能になりました。
大越様は、現状のSD運用で高画質化という当初の目標を達成できた点をシステム導入の成果の一つとしてあげておられます。「機種選定の段階で、従来のSDカムコーダーとの画質比較を行っています。その結果、ダウンコンバートした段階でも今回のシステムの方が高画質であることを確認していました。実際に運用を始めてからも、この評価に変わりありません。」
また、谷口様も「暗い時はゲインアップをフルに使ったりもしますが、それでも画質がさほど荒れない点は助かります。16:9の画角は、牧師さんを挟んで新郎新婦が行う指輪交換のシーンなど、独特の収まりの良さがあって魅力的だと感じています。」
撮影した映像とAnycast Stationでスイッチングした収録映像を比較しても画質的な差はないことや、トラブルなく運用できる信頼性の高さなども高く評価されています。
Anycast Stationのオペレーションの様子
このチャペルで結婚式をあげられるカップルのうち、1/3以上が式場のビデオ撮影を申し込まれており、納品された映像の評判も上々であると、大越様はお話くださいました。「新郎新婦は式の間、緊張していることもあってよく覚えていない方が多いものです。ビデオを見て、式の様子やご両親、あるいは列席者の方々の姿を見て感激を新たにするというケースが少なくありません。きれいな映像でとても良かった、というお手紙を頂戴したり、直接お話いただいたりと、評判も上々です。こういったお客様の満足こそが、今回のシステムを導入した最も大きな成果だと思っています。」
今回導入されたシステムが本領を発揮するのは、やはりハイビジョン映像をお客様に提供すること。大越様に、ハイビジョンシステムへの移行の目安や時期を伺いました。「一般家庭にハイビジョン放送やブルーレイディスクといったメディアがいつぐらいに本格普及するかが一つのポイントだと思っています。ハイビジョンテレビの売れ行きなどにより、ある時点から一気に本格化することも考えられます。こうした状況を見ながら、ハイビジョン化を検討していきたいと思います。」
また、現在スイッチャー/ミキサーとして運用しているAnycast Stationについて、検証やトレーニングを続けることで幅広い用途に活用してみたいとの意向も大越様にはあるようです。「今回のシステムは、安全・確実に撮影・収録することを大前提に構築しています。ですから、たとえばAnycast Stationの多彩な機能や可搬性を生かして、ほかの用途にも使うといったことは考えていません。しかし、どんな可能性を持っていて、どんな使い方ができるかといった研究はしていきたいと思います。そこからお客様に喜んでいただける、当教会独自のサービスが生まれてくるかもしれません。」
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ご利用条件