ソニー製品情報
宮崎公立大学様が創立10周年記念事業の一環として開設した地域研究センターは、公立大学の使命でもある地域貢献を具体的に推進する中核機関として設立されました。
2005年11月のオープン時に、ライブコンテンツプロデューサーAWS-G500を導入。ビデオ会議システムとの連携でインタラクティブな遠隔授業や講演会のライブ映像配信、そして障害者支援のための教材作成など、幅広い用途にフル活用され、地域教育の振興・支援、開放型市民講座といったプロジェクトの推進をサポートしています。
地域研究センター
センター長 金子正光教授
金子正光センター長は、Anycast Station導入の背景にセンターが目指すオンライン学習やコンテンツ配信をあげておられます。「当センターは、市民と一緒になって地域の振興・発展に寄与することを目的に設立されました。具体的には現在4つのプロジェクトを推進しています。デジタル・ディバイド(情報格差)に対応するための各種IT支援。情報発信基地として機能の充実。そして地域教育支援と開放型市民講座の開設・充実です。こうしたプロジェクトを推進するうえでは、いずれネットワークを使った学習やコンテンツの配信が不可欠な時代になるだろうと考えてきました。この目標を具現化するための一つのツールとして導入したのが、Anycast Stationでした。」
人文学部 国際文化学科
辻 利則 准教授
このネットワークプロジェクトを担当する辻 利則准教授は、ビデオ会議システムPCS-1を使った遠隔講義の経験がAnycast Station導入の直接的なきっかけになったとお話になっています。「センターには5式のPCS-1があり、すでに県内の大学との間で遠隔講義を行ってきました。その時に検討課題となったのが、講義ではビデオとパソコンだけでなく、教師が編集した教材など、もっと自由に教材を駆使することができないだろうかという点でした。その時にタイミングよく発売されたのがAnycast Stationでした。ビデオスイッチャー、オーディオミキサー、液晶ディスプレイ、カメラコントロール、ストーリーミングエンコーダーを一体化したオールインワンタイプで入出力系も充実していますので、PCS-1と組み合わせて使えば、より充実した遠隔講義が可能になります。」
そこで、検証テストを兼ねて実際に遠隔授業が行われ、この時の実績と成果が導入の決め手になったと金子先生がお話くださいました。「宮崎市内の市民プラザと高等学校を光ケーブルで結び、Anycast StationとPCS-1を使ったシステムで遠隔講演会を行いました。変化に富んだ映像や動画など多彩なコンテンツを使うことで、生徒たちからも分かりやすいと大変好評でした。検証テストという点でも十分に満足できる結果でした。ネットワークを使った遠隔授業やコンテンツの配信は、現実的であるだけでなく非常に可能性が高いと実証することができたわけです。この実績・経験が、Anycast Station採用の決め手となりました。」
Anycast Stationは導入後に幅広い用途にフル稼働されています。その一つはPCS-1とのシステムによる遠隔授業で、センターと県北の小学校を結び週3クラスの授業が1年間実施されました。辻先生は、この1年間のeラーニングの成果は非常に大きなものだったと評価されています。「センターのAnycast StationにBRC-300とDSR-PD150の2台のカメラ、パソコン、OHCをつないで、いろいろな教材、そして歌や踊りも交えながら小学生のための英語の授業をインタラクティブに行いました。最初は、先生も生徒も緊張や戸惑いがあったのですが、すぐに慣れて臨場感にあふれた授業が行われるようになりました。Anycast Stationを使うことで2台のカメラの切り換えやPinP機能で映像に変化が生まれ、生徒が飽きることがなかったことも成功の秘訣になったと思います。映像のスイッチングやBRC-300のコントロールはAnycast Stationで一人で行い、もう一人がDSR-PD150を操作するというように、ゼミの学生2人だけでオペレーションしました。当日に教えるだけで、操作が初めてという学生でも簡単に操作できるなど、優れた操作性がAnycast Stationの大きな魅力です。」
小学生との英語の遠隔授業をAnycast Stationでオペレーション。
生徒たちにも大変好評でした
センターでは、障害者を支援するために在宅CAD講座を開設しVOD(ビデオ・オン・デマンド)で配信していますが、この教材もAnycast Stationで作成されています。辻先生に、制作方法と運用について伺いました。「NPO法人の講師の方に、毎回CADについての解説とパソコンの操作を実演してもらい、カメラで撮った映像をAnycast Stationの外付けハードディスクに収録し、その後にテロップを加えていきます。1回が約2、3分で、合計20本ほどの講座です。映像があることで学習意欲が高まりますし、VODで受講しやすいと好評です。今後は、表計算ソフトやホームページ作成の講座も、Anycast Stationを使って制作していく予定です。」
共同研究室に設置されたAnycast Station。オペレーションする学生の方は、操作が簡単なところが魅力だとお話しくださいました
講演会や卒論発表会の配信にもAnycast Stationが使われています。辻先生に、具体的な内容を紹介していただきました。「講演会は、宮崎の大学が集合するコンソーシアム宮崎という組織で行われたもので、単位互換制度の発足について案内する講演会です。講演は本学の交流センターで行い、宮崎市内2ヶ所の会場、都城市、延岡市の計5つの会場をビデオ会議システムで結んで講演をライブで配信しました。Anycast StationにBRC-300とDSR-PD150、そして2式の民生用ビデオカメラを接続、講師だけでなく会場の聴衆など映像を切り換えることで臨場感を出すことができました。また、卒論発表会はAnycast Station本体のストリーミングエンコーダーを使ってそのまま配信しました。Anycast Stationはストリーミングエンコーダーとしても便利に使えることを実感できました。」
今後のAnycast Stationの運用について、辻先生は一つの目標として単位互換制度のオンライン授業をあげておられます。「先ほどお話した単位互換制度は、当面は実際の講義を受講してもらうことになるのですが、近い将来オンラインで受講できるようにしていかなければならないと考えています。講演会をライブで配信したのも、実はAnycast Stationを使ったシステムのデモンストレーションという意味合いもありました。すでに、ここまでできるということを参加した関係者に実際に見てもらおうと考えたわけです。アンケートを見ると、普通のテレビを見ているようで分かりやすかった、集中できた、といった声がたくさんありました。」
また、辻先生はeラーニングのコンテンツ制作システムとしても、Anycast Stationに大きな期待を寄せています。「eラーニングを普及・本格化していくうえでは、設備を含めたインフラや運用・操作のノウハウも大切ですが、やはり何といってもコンテンツが不可欠の条件です。Anycast Stationには、このコンテンツ制作システムとしても大いに期待しています。ポータブルタイプで可搬性に優れていますから、講義が行われる場所に簡単に持って行って収録を行うことができます。操作が簡単ですから、理想を言えば教師が自分の授業を自分で収録するといった運用ができればと思っています。」
金子先生も、コンテンツの充実は今後のセンターの機能拡張に欠かせないとお考えです。「センターが保有し、配信するコンテンツが増えることで情報発信基地としての機能が強化されます。地域の市民が、オンラインで自由にアクセスして生涯学習の教材とすることができれば理想的です。大学には学生、地域の方々への具体的な情報サービスや地域貢献策が求められる時代です。地域研究センターが、その中核の役割を担えるように今後さらに努力を重ねていきたいと思っています。」
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