スイッチャー

株式会社レモンスタジオ 様

2020年3月掲載

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誰にでもすぐ使える4K HDRスタジオを12G-SDIとHLG_Liveで実現

株式会社レモンスタジオ様は、東京メディアシティ(TMC)の中で最も広く、都内でも最大級となる250坪のフロア面積を誇るL1スタジオを、4K HDR対応スタジオにリニューアルされ、2019年3月より運用を開始されました。


  • 関西テレビ放送株式会社
    制作技術局 制作技術センター
    担当部長(設備)
    (兼)放送技術局 技術推進部
    松岡 泰助様

  • 関西テレビ放送株式会社
    制作技術局 制作技術センター
    主事
    帆足 聡一郎様

  • 株式会社共同テレビジョン
    技術センター 制作技術部
    副部長
    小野寺 毅様

“わかりやすくシンプル”な4Kを

今回更新を行ったL1スタジオでは、親会社である関西テレビ放送の制作するドラマのほか、レンタルスタジオとして、各社のバラエティ番組や大型音楽番組などを中心に収録が行われています。
お客様によっては、下見なくご利用される場合もあります。当日の朝に初めて来ても、すぐに使える「わかりやすくシンプル」であることが、レンタルスタジオには不可欠な要素です。そこで今回は12G-SDIをベースに、メイン系統は常に4K/59.94p動作する構成を取ることで「わかりやすくシンプル」なシステムとしました。

スタジオカメラは、HDC-4300を7式。4式がビルドアップスタイル

“SR Live for HDR”でトータルダウンコン


4K HDR制作し、最終段でダウンコンバートするHDRC-4000と12G-SDI対応のXVS-9000

ソニーの「SR Live for HDR」システムでは、CCUからのダイレクトSDR出力と変わらない発色を、4K HDR → HD SDRダウンコンバートでも得られます。4K HDRとHD SDRのサイマル制作を行うような場合でも、メイン系統は4K HDRのみで、最終段でトータルダウンコンするシステム構成での運用ができます。おかげで、HDオンリーの制作を含め、メイン系統を4K/59.94pに固定する設計にまとめることができました。

“HLG_Live”で多くのモニターをHDRに

新しいHDR運用モード「HLG_Live」を導入したことで、民生機も含め、サブやフロアのHLGに対応する多くのモニターでHDR映像を見ながら制作を行うことができます。VE卓など限られた場所でしかHDR映像をモニタリングできなかった従来のモードと比べて、わかりやすい4K HDR制作が実現できました。
特にHLG_Liveでは、収録素材をそのままカット編集すれば完パケにできます。ポストプロダクションでのカラーグレーディングなど特別な後処理を必要としないのも魅力です。

2台のBVM-HX310と7台のカメラリモコンを備えたVE卓

システム設定も“わかりやすくシンプル”に

システムとしては、ドラマ制作などカラーグレーディングを前提としたS-Log3収録にも対応しています。「フォーマット変更ボタン」を備えたことで、SDR・HLG・PQ・S-Log3などのOETF/EOTFや、ITU-R BT.709・BT.2020などのカラースペースをワンタッチで一括変更できます。
レンタルスタジオとしては、各機器の細かな設定項目のリセットや復元、再設定などの省力化や確実性も重要です。
今回、ソニーには、各機器の設定を集中してチェックしたり、イレギュラー設定をハイライトして教えてくれたりするソフトウェアを作ってもらいました。監視場所や項目が集約され、管理もとても「わかりやすくシンプル」にできました。ソニーにはこれからも柔軟なSIや、タイムリーな新技術の提案を引き続き期待しています。

スイッチャー卓に備えられたHDRフォーマット変更ボタンはシステムアップを効率的に

主な導入機器

マルチフォーマットプロダクションスイチャー「XVS-9000」
HDRプロダクションコンバーターユニット「HDRC-4000」
マルチフォーマットポータブルカメラ「HDC-4300」
ベースバンドプロセッサーユニット「BPU-4000」
31型4K有機ELマスターモニター「BVM-HX310」
XDCAM Station「XDS-PD1000/A」