ZX100 Project Member’s Voice 世代を重ねることで進化した、 軸のあるプレミアムサウンド
ハイレゾ・オーディオの火付け役となったNW-ZX1の後継機「NW-ZX100」。先代を超える音質だけでなく、音楽専用機に求められるユーザビリティーをも追求した開発メンバーに、ZXシリーズ3作目ゆえのアドバンテージと重圧、そして高音質への変わらぬこだわりを聞いた。
ZX1を正統進化させ、ZX2のなめらかさをプラス。シリーズのノウハウが生かされた音作り
佐藤 浩朗[音質設計]
ZX2リリース後も、「ZX1の方向性も好きです」という嬉しいお言葉をたくさんいただきました。ただ、ZX1ではスピード感を重視したため「音がやや硬い」と感じる部分があったのも事実です。そこでZX100には、ZX2のアドバンテージであるボーカルの艶やかさや低音の豊かさを盛り込みました。
佐藤 浩朗[音質設計]
普通はそうかもしれませんね。でも、今回はまず、ZX1が持っていた「スピード感のある楽しいサウンド」は絶対に残さなければならないという方針が最初に決まって、最後までずっとブレずに進められました。
本当にスピード感があってエネルギッシュで、ボーカルも楽しく聴けるので、ロックやポップスはもちろん、エレクトロニカなどの打ち込み系はZX2より相性がいいと思います。そのかわり、ZX2でないと表現できないサウンドも当然ありますが。
田中 光謙[商品企画]
これまでのノイズキャンセリング機能は、ヘッドホンも含めてハイレゾ帯域までの再生に対応できていなかったのですが、新たに、それに対応したウォークマン専用ヘッドホン(別売のMDR-NW750N)を開発しました。これにより、たとえば電車内や機内など騒音のある環境でも、ZX100のプレミアムサウンドをお楽しみいただけるようになり、音楽に没頭できるシーンが広がるというメリットを提供できるようになりました。
なお、ノイズキャンセリング機能というと再生音への影響が心配されますが、今回、この機能をオフにしたときには、その影響を完全に排除できるようになっています。
若林 宏明[電気設計]
そうですね。それにともなってヘッドホン出力のL/R、グラウンド、それからマイクセンサーのL/Rというように計5本のケーブルが必要になります。今まではかなり薄くフレキシブルなケーブルを使っていたのですが、ZXシリーズがターゲットとしている音質を確保するには電気の流れをよりスムーズにする必要があるので、ヘッドホン出力にはZX2同等の極太のOFCケーブルをわざわざ使っています。
限られたスペースの中で5本のケーブルを接続するのは製造上かなり難しい作業になってくるのですが、工場の方々と一緒に調整しながら、背面のふくらんでいるスペースになんとか収めました。
ウォークマンZXシリーズ
NW-ZX100
未体験の、心震える感動を