― スペックを見るだけでワクワクしますが、1.0型“Exmor(エクスモア)”CMOSセンサーとF1.8レンズで実際にどんな写真が生まれるのか、非常に気になります。
暮石(商品企画)
プロジェクトがスタートしたときには、「一体この商品はどんなお客様にどんな価値を提供したいのか?」を明確にするため、最初に架空のカタログを作ったんです。カタログで訴求したのは"ぼけ味"と"高精細"、"低ノイズ"、この3つがこの商品のもつ"高画質"のポイントでした。もちろんフルサイズ一眼レフカメラ+単焦点レンズのレベルには及びません。
しかし、小型一眼レフカメラやその他大型センサー搭載のプレミアムコンパクトカメラと比較すると、今回新開発したセンサーは同等以上の高感度耐性・精細感がありますし、同じくこの商品のために新開発したカールツァイス「バリオ・ゾナーT*」レンズの実力は描写力・ぼけ味ともに非常に美しいものに仕上がっています。
雨宮(プロジェクトリーダー)
ぼけ味による奥行きの表現が手軽に楽しめます。試作品が完成して最初に撮ったのが自分のデスクにあったコーヒーカップ。まだ開発途中の早い段階でしたが、「何の変哲もないカップがここまで芸術的に写るのか!」と、いまだに印象に残っています。しかも高感度撮影に強くて、これまでの"サイバーショット"の画作りとは、ノイズ感や精細感が格段に違いますね。
皆見(商品設計)
私は試作機を初めて手にした時、中感度のISO800〜1600をまずは撮影しました。従来のコンパクトカメラでは決して得られない高画質への可能性を感じました。まだ画質の調整をほとんどしていない状態でしたから、「チューニングしたらこれはもの凄いカメラができるぞ!」と、興奮しましたね。それからはフィールドテストの日々でした。
上田(画質設計)
コンパクトカメラのレベルを遥かに超えた最高のぼけ味ですね。もう1つ「おっ!」と思ったのが低照度撮影時の動画です。ノイズが少なくフワーっと美しいぼけがある動画になります。これも高感度撮影に強い大型センサーと、ISO感度をあまり上げずに済むF1.8レンズがなせるワザです。