Pモードの場合、基本的にはシャッター速度と絞りの組み合わせはカメラお任せですが、実はPモードのままでシャッター速度や絞りを変えることができます。
写真の表現を変えるために α には、シャッター速度を任意で決めれるSモード、絞りを任意で決めれるAモードがあります。シャッター速度や絞りを任意で決めて撮影する場合には、本来SモードやAモードを使用しますが、ここでは、カメラ任せのPモードでも一時的にシャッター速度や絞りを変更できる「プログラムシフト」について説明します。なお、プログラムシフトは、モードダイヤルの切りかえ、または電源のON・OFFによってPモードにリセットされますので、後々、違う撮影を行う場合の失敗がなく、一時的にシャッター速度や絞りを変えて撮影する場合に便利です。次回以降は、SモードとAモードについて詳しくお話をする予定です。
■プログラムシフト(PS)でシャッタースピードを優先
■シャッター速度による効果
シャッター速度を任意に変えることで、シャッター速度の効果を生かした変化のある写真撮影ができます。 ここでは、シャッター速度を遅くして動きのある表現にトライしてみました。
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ケーブルカーから見える風景を、PSモードでシャッター速度を1/8秒にして撮影。本来ならケーブルカーの振動でブレしてしまうところ、αの手ブレ補正の効果で、外の景色だけが流れて写り、スピード感ある写真となった。 |
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トンネルの中を走る車の助手席から、PSモードでシャッター速度を遅めに設定して撮影。前を走る車はほぼ同じ速度なので止まってように写るが、トンネル内の景色は流れるように写る。 |
さらに、三脚を使用してカメラを固定し、シャッター速度を遅くしていくと、露光時間によっておもしろい表現ができます。
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Pモードで撮影。暗い場所では自動的にシャッター速度が遅くなり、光が尾を引いて、メリーゴーランドの動きが感じられる。 |
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Psモードでシャッター速度を2秒に設定。遅いシャッター速度のため、メリーゴーランドが高速で回転するように写り、効果的な写真になりました。
※手ブレする限界のシャッター速度で撮影する場合には、三脚が必要です。 |
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Pモードで撮影。シャッター速度 1/100秒となり、水の動きが止まって、しぶきが上がっている感じが出ている。 |
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三脚を使用し、PSモードで、シャッター速度3.2秒にして撮影。水の流れが雲のような感じに表現できた。 |
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手ブレする限界のシャッター速度は、1/レンズの焦点距離(35mm版換算) と言われています。例えば、18-70mmレンズの広角側 18mmで撮影した場合、1/約28(18mm×1.5) =1/30 となります。“α350”の場合、 手ブレ補正が最大で3.5段の効果がありますので、シャッター速度1/3秒まで手ブレしにくいということになります。この効果はとても大きく、かなり遅いシャッター速でも手持ち撮影が可能です。
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■露光間ズーム
ズームレンズとシャッタースピードの組みあわせで、面白い表現ができます。
まず、カメラを三脚に固定して、シャッター速度を2秒以上の遅い設定にします。シャッターを切り、シャッターが開いている間、レンズのズームリングを広角から望遠、または、望遠から広角に回すと、画面の中央から外に向かって、像が広がるような効果を出すことができます。シャッターを押して、いきなりズームリングを回すのではなく、設定したシャッター速度の半分くらいの時間は、そのままで撮影し、残りの時間でズームリングを一気に回すのがポイントです。
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Pモードで撮影。適切な露出で撮影できるが、もっと華やかなイメージにしたい。 |
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三脚でカメラを固定し、PSモードでシャッター速度を2秒にして撮影。シャッターを切った後、1秒間はそのままにして、その後、一気にズームリングを広角から望遠に回すと、画面全体に光が広がる。 |
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PSモードでシャッター速度を変更した場合、液晶画面の絞りの数値が点滅する場合があります。 これは、設定したシャッター速度に対して、絞りの数値範囲を超えているとの警告です。 そのまま撮影すると適正な露出が得られない場合がありますので、絞りの数値が点滅しないよう、シャッター速度を設定してください。 |
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