末吉 一本、自由にスペック決められるとしたら、皆さんはどんなレンズが欲しいとお考えになりますか?
坂井さん 僕が昔から欲しいのは、11-135mmくらいの高倍率ズーム。35mm換算で、16か18くらいから200まで。たとえば DT18-200 F3.5-6.3 なら、ズーム倍率10倍くらいですよね。それを広角側に移すのは難しいものなんですか?
末吉 そうですね。基本的には広角系と望遠系は相容れないものです。ただ、技術の進歩でどうなるかは分からない。それぐらいの高倍率だとポジティブリードタイプだと思いますが、その広角側の限界がいま35mm換算で24mm相当くらいです。それがもうちょっと伸びれば・・・20mm相当くらいまではいけるかな・・・将来的には作れるのではないでしょうか。
坂井さん 山にいくと、遠くのもののアップも広いところも撮るのでそういうのがあるといいんです。
末吉 そうですね。私も、35mm換算で16-50mm、16-60mmくらいまで広角側に伸びれば、それ一本で出かけられる機会が増えそうだとは感じています。そういうレンズにはチャレンジしたいなと思っています。
藤原さん 僕は、16-40mmくらいが欲しいね。僕はあんまり、人とか撮らないから。
中井さん 僕は、35mm換算で50mmくらいになるパンケーキレンズ。
末吉 難しいですけど・・・私も欲しいですね(笑)。ツァイス、テッサーで出せれば良いなとは私自身も思います。
藤原さん “α200”ならちょうど合うんじゃない?
中井さん そうですね。“α200”に小さいレンズをつけると、バックからポンと出せるって感じでなかなか良いなって、思います。
田中さん 僕はやっぱり長めのレンズで。テレコンなしで400mmくらいまで使えるやつを出して欲しいですね。昔ありましたよね、100-400mmとか。
末吉 70-300mm F4.5-5.6 G SSM のもうちょっと長いものですね。
田中さん 僕は、この新しい 70-300mm F4.5-5.6 G SSM も、400mmあったら買ってます。80-400mmだったら。食らいついてます(笑)。このレンズもそうだけど、僕はソニーのレンズのデザインが、すごく好きなんですよ。カメラにつけたときのデザインを、見て自己満足したりします(笑)。
中井さん 確かにデザインがスマートですごく良い。統一感もあるし。
坂井さん かつてのαにあった100mmソフトって出さないんですか?
末吉 それはやはりご要望の多さ次第という面があります。
中井さん ソフトフォーカスレンズ欲しい人、けっこう多いですよね。中古ショップ見に行ってもほとんどないし。あっても手が出ないほど高い。
坂井さん ぜひ復刻してほしいですね。
司会 それでは、“αレンズ”のラインアップ全般について、ご意見やご要望などがありましたら、お願いいたします。
藤原さん カール ツァイスと、Gレンズと、スタンダードのレンズ。そのラインアップ全体の、ソニーとしてのコンセプトがちょっとわかりにくい。例えば他社の例だと、ハイグレードからスタンダードまで順にきっちり並んだりしています。
司会 そういうご意見は、お客様からよくいただいています。私たちも、レンズの魅力や適正など、しっかりとお伝えできるよう、努力していかなくてはいけません。
坂井さん 今年、いわゆるフルサイズのフラッグシップモデルが出ますね。フルサイズとDTの2つのフォーマットに対するレンズを、どう出していくのかなと。“α700”はとても良いカメラだと思うので、フルサイズが出ると、この先DTのほうはどうなるの? という不安も少しあります。
白石 イメージセンサーのフォーマットは、弊社の場合“α700”や“α350”等のAPS-Cと、フラッグシップモデルとして公表しているフルサイズ、という2種類ということになります。“α700”も“α350”も当面現役の商品で有り続けますから、DTレンズはこの先も必要です。お客様が心配されるお気持ちも分かりますが、ご心配いただくことはないと思います。
末吉 普通、大は小を兼ねるものですが、性能の面からいうと、APSだからできることもあります。実は、設計の時にはいつも、どっちでどういうレンズを作るか悩みます。例えば 50mm F1.4 はフルサイズ仕様ですが、同じ大きさと価格帯で、APS-C専用のものを作れば、性能は飛び抜けて良くなります。Planar T* 85mm F1.4 ZA くらいのものができてしまうのではないでしょうか。フルサイズで欲しいという要望もあります。でも、例えば DT 18-250mm F3.5-6.3 のようなレンズをフルサイズでできるかといえば、そう簡単にはできません。それぞれ良さがあります。どちらを選んでいただいても、どちらかに完全シフトしてしまうということはないので、どうかご安心いただいて、これからもαと“αレンズ”にご期待いただきたいと思います。
司会 皆さま、本日はお忙しいなか本当にありがとうございました。