司会 本日は、ユーザーの皆さまに“αレンズ”について率直なのないご意見をうかがうという主旨でお集まりいただきました。お忙しいなか本当にありがとうございます。まず、αの事業部でレンズの商品企画や設計の担当者の自己紹介からはじめさせていただきます。
白石 私は、AMC事業部の商品企画部で交換レンズを担当しています。今はレンズの商品企画に携わっています。この3月28日発売の新製品を含めた“αレンズ”について、皆さまの貴重なご意見をうかがえるこのような機会を楽しみにしておりました。
末吉 私の所属は光学・レンズ関係をまとめているオプト技術という部門で、私の専門は光学の設計です。サイバーショット505、707のシリーズ等を経て、3年前から交換レンズに携わっています。私個人は、レンズ1本に集中して作るというよりは、全体を見ている立場にあります。
永井 私はαや“αレンズ”のマーケティングを担当しています。プレス対応や写真家の方々と連携したマーケティング業務なども行っています。
司会 では、ユーザーの皆さまに、写真歴、カメラ歴などを含め自己紹介をお願いします。よく撮る写真や、好きなレンズについても、お話しいただけますと幸いです。
田中さん 私は、写真をはじめたのは中学生くらいです。ミノルタの α-8700i から入って最近までフィルム派だったんですが、“α100”が発売されたときに、ちょうど姉の結婚式があったので、デジタルの方が良いかなと感じて買いました。車関係の仕事をしていることもあって、モータースポーツを撮っています。ただし、長いレンズはちょっと高価なので、ズームレンズで。あとは、自然かスナップ写真が多いですね。ふだん使っているのは、ミノルタ時代の 28-105mm F3.5-4.5 です。
坂井さん 写真は大学生の時からです。そのころはフィルムのコンパクトカメラを使っていて、26歳くらいのときに一眼レフが欲しいなと思ってミノルタの α-303si SUPER を買いました。メーカーがたくさんあるなかでαに決めたのは、中学生のころに父や中学の友だちがミノルタの α-7000 はすごいカメラだ と言っていたのが、10年以上耳に残っていたからです。その後はαを代替わりさせて、その後デジタルに移行し、いまは昨年出た“α700”を使ってます。ソニーの純正レンズは欲しいのがたくさんあるけど、価格の関係でなかなか手が出ないことが多い。金沢に住んでいるので、店頭でなかなか手に取れないということもあります。カール ツァイスレンズを買える値段で出していただければ、というのが願いです(笑)。
藤原さん 私はたぶん、今日ここにいるみなさんが生まれる前から写真をやってます(笑)。はじめたのは東京オリンピックの年ですから昭和39年。高校一年生で部活になにをするか考えて、カメラを買ってもらい写真部に入りました。大学でも写真部。社会に出てからは、数社のカメラを渡り歩いた後で、ミノルタを使うようになったのは自宅で犬を飼い始めたとき。ちょうどいわゆる「デカ鼻」の写真が流行ってたころで、ミノルタの α-7とフィッシュアイを買った。でも、フィルムスキャナーで処理するのが面倒だと思っていたら、コニカミノルタの α-7 DIGITAL が出たので買って、レンズは 20mm、24mm、24−105mm、70−300mm などを揃えていきました。ソニーブランドになってからのものでは、Vario-Sonnar T* DT 16-80mm F3.5-4.5 ZA と 500mm F8 Reflex を持っています。
中井さん ソニーのα、僕はどっぷり浸かってます。(持参した“α200”“α350”“α700”をカバンから取り出して)今日も持ってきました。日本で一番浸かってるんじゃないかってぐらいです(笑)。カメラをはじめたのは、コニカミノルタの αsweet DIGITAL が出て少しくらい。その時に、レンズキットと50mm F1.7を買ったんです。単焦点レンズってすごいんだなと思って。次に85mmG を買ったのが、いわゆる「レンズ沼」にはまるきっかけでした(笑)。自分でも恐ろしいと思うんですが、ソニーからいま出ているレンズは超望遠のもの以外、だいたい全部持っています(笑)。撮る写真は、主にスナップ。あとは友達を誘ってポートレートを撮りにいったりしてます。
白石 私などより、皆さんは写真を撮る枚数も桁違いに多いでしょう。皆さんには何をお伝えしても、釈迦に説法のような気がします(笑)。それでもあえて宣伝いたしますと、ソニーの“αレンズ”は、この3月で26本になります。カール ツァイス、Gレンズなどをはじめ、個性的で魅力的なラインアップであると自負しています。
カール ツァイスレンズの描写の特長については、いまさら申し上げるまでもありません。シャープな描写。高コントラスト。それから、T*コーティングの抜けのよさ。
Gレンズ。このレンズの描写の狙いは、立体感です。柔らかいボケ味で、ピントのあったところはシャープなんですけど、背景は非常にきれいにボケる。だから写真の中で抜群の立体感が出る。そういうレンズです。
その他にも、特長のあるレンズがあります。ご存知とは思いますが、STF。これは、前ボケも後ろボケも非常にきれいなレンズです。またかなりご好評いただいているのが、マクロレンズです。シャープな描写と非常にきれいなボケ味を両立させているのが特長です。ユーザーの方々から このレンズを使いたいからαを選ぶんだ という非常にありがたい声も多くいただいていて、私たちの励みになっています。
αの新ボディについては、皆さんも注目されていると思います。08年中に発売予定なのですが、24.6メガ 35mm判フルフレームサイズCMOS Exmor を搭載します。35mm判フルフレームサイズでありながらボディに手ブレ補正機能を搭載してる。それに合わせて、レンズも大口径のズームなど、今後もより幅広いラインアップになっていきます。3月に発売となった 70-300mm F4.5-5.6 G SSM も、どうかよろしくお願いします。
末吉 レンズはぜんぶ細かに紹介したいのですが、今日は2本の新しいレンズについて、技術的な話をさせていただきたいと思います。