基本コンセプト

逆光や明暗差の大きなシーンは、上手に表現するのが難しいものです。
たとえば逆光で人物を撮影するとき、画面全体の明るさのバランスを重視すると、陰になった人物の表情が暗くなり、
せっかくの笑顔が台なしに。そこで明るく露出補正すると、今度は背景が白く飛んでしまうことがよくあります。
また、明暗差が極端に大きいシーンでは、ハイライト部が白とびし、逆にシャドウ部が黒つぶれしてしまうことが。
これは、露出のコントロールだけでは対処することができません。このような問題を解決し、より見た目に近い
ナチュラルな画像を実現するのが、αのDレンジオプティマイザーです。

Dレンジオプティマイザーを生んだ3つの技術

Dレンジオプティマイザーは、撮影した画像の明暗の分布を最適に補正する技術です。これは、主に次の3つの技術から構成されています。

撮影シーン判別技術
画面全体の
階調補正技術
領域別の
階調補正技術
光の状態(順光/逆光など)、被写体(人物/風景など)を判別し、
最適な補正方法と補正レベルを自動的に求めます。
撮影シーン判別の結果に基づき、トーンカーブをコントロール。
画面全体に適用することで階調を最適化します。
画面・被写体の領域ごとの特性を判別し、
それぞれに階調を最適化します。

3つのモード

α700は、補正のかけ方や必要な効果によって、モードの選択が可能です。
高速連続撮影ができる〈スタンダード〉、より高度な補正ができる〈アドバンス〉。
〈アドバンス〉はカメラまかせで補正できる〈アドバンスオート〉と、
補正レベルを撮影者が決められる〈アドバンスレベル設定〉の2モードを用意しています。
*α350/α300/α200は、[スタンダード][アドバンス]の2モードを搭載しています。

この作例のメインとなる被写体は女性です。しかし、背景の街並み、ヌケのよい空も大切に表現したいところ。すべてをバランスさせようとすると、逆光気味だけに、女性が暗くなってしまいがち。撮影露出の操作で女性を明るくすると、今度は背景の露出オーバーが心配です。

スタンダード

露出補正に近い効果が自動で得られます。明暗差の大きなシーンではコントラストを圧縮するため、露出補正と比べ、背景が極端に明るくなりすぎるのを防げます。

撮影シーン判別画面全体の階調補正

カメラがシーンを分析し、被写体を検出。背景とのバランスや全体のコントラストを考慮しつつ、被写体をより見た目に近い明るさで描写します。
*高速処理が可能なため、高速連続撮影が必要なシーンなどにおすすめします。
*明暗差が極端に大きいシーンで、かつ高速連続撮影を行わない場合は、〈アドバンスオート〉の使用をおすすめします。

アドバンスオート

空のグラデーションを白とびさせることなく、女性が明るくなるよう自動補正。背景と被写体を自然にバランスさせています。

撮影シーン判別画面全体の階調補正領域別の階調補正

〈スタンダード〉の補正機能に加え、さらにシーンによっては、必要に応じて画面を複数の領域に分割。見た目に近くなるよう、カメラが領域ごとに明るさを自動補正します。〈スタンダード〉では補正しきれないような極端に明暗差の大きいシーンでも、自然な印象の画像を手にできます。
*高度な補正処理を行うため、条件によっては連続撮影速度が低下する 場合があります。

アドバンスレベル設定
領域別の階調補正撮影者の判断

画面を複数の領域に分割し、領域ごとに補正。補正効果の強弱を任意で設定できるほか、補正効果を段階的に変え、後からベストショットを選択するブラケット撮影も可能です。
*高度な補正処理を行うため、条件によっては連続撮影速度が低下する場合があります。

*Dレンジオプティマイザー〈アドバンス〉にはアピカル社の技術を採用しています。