自然なシーン描写

人間の視覚には、明るさの異なるものを別々に、 それも無意識のうちに補正できてしまうという、高度な能力があります。そのすぐれた仕組みをカメラに応用したのが、 〈アドバンスオート〉です。画面を複数の領域に分割し、全体のバランスが最適になるよう補正。 露出のコントロールだけでは画面のどこかを犠牲にせざるを得なかったような、明暗差の大きなシーンなどで力を発揮します。
*高度な補正処理を行うため、条件によっては連続撮影速度が低下する場合があります。
*補正をかける度合いは、光や被写体の状態によって異なります。また、〈スタンダード〉に近い結果となることがあります。
*RAWで撮影した画像には撮影時の設定は反映されません。付属のRAW 現像ソフトImage Data Converter SR(IDC-SR)Ver.2.0の
Dレンジオプティマイザー機能で補正を行ってください。

効果的なシーン

被写体と背景を、どちらも大切に表現したいとき


〈アドバンスオート〉

桟橋と女性をどちらも大切に表現したかったシーン。背景の明るさや階調を変えることなく、パラソルの日陰にいる女性を持ち上げ、良好なバランスで描写しました。


DレンジオプティマイザーOFF

逆光などでポートレートを撮るとき、背景も大切に表現しようとすると、どうしても人物の表情が暗くなりがちです。 これまではレフ板で反射光を被写体にあてる、ストロボを日中シンクロで使うなどのテクニックが必要でした。 〈アドバンスオート〉ならシャッターを切るだけで、人物の表情を明るく描写しつつ、背景も適切な露出で撮影できます。

メインとなる被写体のなかに極端な明暗差があるとき


〈アドバンスオート〉

午後の斜光を受け、影の部分が黒くつぶれ気味だった塔。特に建築物の場合、どの方向から撮るか、撮影ポジションが自由にならないことが多く、光線条件を選べません。 このような時でも、〈アドバンスオート〉は、あたかも巨大なレフをあてたかのように、影のディテールを浮き上がらせてくれます。


DレンジオプティマイザーOFF

特に太陽が低くなったときなど、被写体のなかに大きな明暗差が出てしまうことがあります。影になった部分のディテールを重視して露出を決めると、 逆に明るい部分が露出オーバーになるところですが、〈アドバンスオート〉を使えば、どちらも犠牲にすることなく、見た目に近い印象で描写できます。

見た目以上の明暗差がつくのを防ぎたいとき


〈アドバンスオート〉

思った以上に明暗差が大きかったシーン。〈アドバンスオート〉のコントラスト圧縮効果により、すっきりした印象の仕上がりで、さわやかな空気感まで描写できました。


DレンジオプティマイザーOFF

撮影した画像をチェックしてみると、ときどき見た目以上に明暗差がついて感じられることがあります。 これは人間の眼とカメラの特性が違うために起きる現象です。このようなときも、〈アドバンスオート〉なら、 コントラストを圧縮することで画像の印象をより見た目に近づけることができます。風景はもちろん、街中でのスナップ撮影にも効果的です。