- ソニーの業務用ワイヤレスマイクは、国内でたいへん高い評価と実績をあげているが、その理由はどこにあるのか?
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- 村上の発言
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村上 ソニーが業務用ワイヤレスマイク市場に参入したのは約40 年前ですが、商品化に際して当初から3 つのデザインポリシーを持っています。それは「ワイドダイナミックレンジを備えた高音質」「安定した伝送系」「多チャンネル同時運用」です。具体的には、放送局のスタジオやホールにおける多チャンネル同時運用と、マラソンや駅伝、ゴルフ中継などの不安定な電波状態でも、安定した運用環境を提供できる高い信頼性。そしてマイクの心臓部となるマイクカプセルおよびラベリアマイクを独自に開発・設計することで実現している高音質です。またお客様からのご意見を積極的に取り入れてきたことも、業務用ワイヤレスマイクとして高い評価と支持をいただけた要因だと思っています。
- そのような状況の中で「UWP シリーズ」を企画・開発をした意図は何か?
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- 村上の発言
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村上 1996年に発売した小型の業務用カムコーダー“DVCAM”の登場に伴い、これらカムコーダーに装着して使えるワイヤレスマイクのニーズが高まってきました。しかし当時のワイヤレスマイクは送信機と受信機の大きさも大きく、受信機についてはアンテナが1本のシングル受信方式で、けっして運用がしやすいとは言えず、安心して使用できるものではありませんでした。そこで高信頼性を備え、より多くのお客様にクリアな音質と、安定した音、そして誰でも簡単に使用できるワイヤレスマイクを提供するというソニーのポリシーに基づいて、小型・軽量でお求めやすい価格のワイヤレスマイク「UWP シリーズ」を商品化すべく企画・開発をスタートしました。ポリシーとはいえ、実際にワイヤレスマイクの信頼性を確保しながらコストダウンを実現することは、大きなチャレンジでもありました。しかし、そこは業務用ワイヤレスマイクとして長年培ってきた技術を惜しみなく投入することで、そのハードルを乗り越え、2003 年3月、遂にワイヤレスマイクの送信機と受信機をパッケージし、購入後すぐにお使いいただける「オールインワンパッケージ」をコンセプトとしたUWP-C1を発売したのです。
- 2003年3月に初代UWP-C1の発売となるが、
発売後のお客さまの反応はどうだったのか? -
- 村上の発言
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村上 送信機と受信機のパッケージ商品で低価格といったところはもちろん、この価格帯において唯一装備したスペースダイバーシティー受信方式による「安定した伝送」、そして上位モデルより継承した「ソニー独自のチャンネルプランによる多チャンネル運用」といった高い信頼性が評価され、UWP-C1はワイヤレスマイクのスタンダードモデルとして確立し、多くのお客様にお使いをいただいています。その結果、ブライダルやビデオフォトグラファーなど、新たなワイヤレスマイクの市場を創造することにも繋がったのです。