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テープの構造 テープが出来るまで テープ・コンセプト ソニーテープの歴史
テープ構造:テープが出来るまで
日頃皆様にお使い頂いている放送・業務用テープがどのような工程で製造されているのか、その工程をご紹介致します。
1. 混合工程 磁性粉・添加剤・パウダー・溶剤などの原材料を混合し、磁性塗料を作ります。

混合工程イメージ

■ 磁性粉(磁性体)
鉄を材料とした、マグネヘマタイト(γ-Fe203)等を針状に成長させたもの。テープに塗布されている磁性粉はまだ磁化されていないごく小さな磁石です。磁気ヘッドから磁界が加わると磁化され、磁界が無くなった後でも磁化がゼロにならず残るため信号が記録できます。 テープがTV信号などを記録、保存できるのは磁性体のこの特性によるものです。いわゆるテープの心臓部です。
ソニーでは、様々なフォーマットの開発をするとともに、その性能を引き出すことができる最適な磁性体を開発・採用しています。

■ 添加剤(非磁性体)
塗布型テープの中には、記録に直接関係のある磁性体と、記録に関係せず磁性層の強さ、耐久性を高める為のカーボン粒子などの添加剤(非磁性体)が含まれています。 ソニーのテープには各フォーマットで最高のパフォーマンスを引き出す吟味された添加剤が採用されています。

■ バインダー
磁性粉と添加剤(非磁性体)や、磁性塗料とベースフィルムを接着する合成樹脂で出来ている接着剤であり、磁性体の分散をよくする役割も担っています。最適なバインダーを選ばないとテープになった後に磁性体がテープから脱落する場合などがあります。
ソニーでは耐久性、高信頼性を実現できるバインダーの開発を日々行い、採用することで、お客様に安心してご使用していただけるテープを作り続けています。

■ 溶剤
バインダーを溶かし、磁性粉と添加剤(非磁性体)が均一に混ざることを助けるもの。なお、ベースフィルムに塗布された後は、乾燥工程で溶剤はテープから取り除かれます。

■ 磁性塗料
磁性粉、添加剤(非磁性体)、バインダー、溶剤が混ざった塗料。これがベースフィルムに塗布され、磁性層が形成されます。
2. 塗布工程 混合した磁性塗料をベースフィルムに塗布し、配向・乾燥を経て巻き取ります。

塗布工程イメージ

■ 磁性塗料
磁性粉、添加剤(非磁性体)、バインダー、溶剤が混ざった塗料。これがベースフィルムに塗布され、磁性層が形成されます。

■ ベースフィルム
テープの土台となるもの。プラスチック(PETなど)でできています。表面に磁性層、裏面にバックコート層が塗られます。
水、紫外線にも強く、とても丈夫で安定した素材が使われています。ベースフィルムはテープの機械的強度やテープとヘッドの当たり(コンタクト)に大きく影響します。 ソニーでは、ベースフィルムメーカーと協力、開発し各フォーマットに最適なベースフィルムを採用しています。

■ 塗布
ベースフィルムに磁性塗料を塗る工程。均一に塗布できるよう、磁性材料の配合はもちろん、塗布方法などにも細心の注意をはらっています。

■ 配向
塗布直後のテープが乾燥工程に入る前に、外部から磁界をかけ、磁気層内の磁性体をテープ長手方向にそろえる工程。テープの出力向上に貢献しています。
3. カレンダー工程 磁性塗料を塗布したジャンボロールに加熱圧力処理を施し、テープの表面を滑らかにします。

カレンダー工程イメージ

■ 磁性塗料
磁性粉、添加剤(非磁性体)、バインダー、溶剤が混ざった塗料。これがベースフィルムに塗布され、磁性層が形成されます。

■ 塗布
ベースフィルムに磁性塗料を塗る工程。均一に塗布できるよう、磁性材料の配合はもちろん、塗布方法などにも細心の注意をはらっています。

■ ジャンボロール
磁性塗料が塗布されたベースフィルムを巻いたもの。ソニーでは、ジャンボロールに巻き取る時点で、すでに製品検査を始めています。

■ カレンダー(加熱・加圧処理)
磁性塗料を塗布したジャンボロールに加熱加圧処理を施し、テープの表面を滑らかにします。テープの表面性を向上することで、テープと磁気ヘッドの当たり(コンタクト)がよくなり、テープからのノイズを低減し、高出力化することが可能となります。高画質化において、重要な技術の一つとなっています。
4. 裁断工程 それぞれのテープ幅に合わせてジャンボロールを断裁し、パンケーキ状に巻き取ります。

裁断工程イメージ

■ ジャンボロール
磁性塗料が塗布されたベースフィルムを巻いたもの。ソニーでは、ジャンボロールに巻き取る時点で、すでに製品検査を始めています。

■ 裁断
ジャンボロールを1/2インチなどの規定の幅に切る工程。数ミクロン単位の大変な制度を求められる作業。

■ パンケーキ
ジャンボロールから裁断されたテープをパンケーキと呼びます。ソニーでは、品質管理のため、全てのパンケーキの識別を行い管理しております。
5. パンケーキ検査工程 ドロップアウトやテープ寸法など品質に問題がないか検査をします。

パンケーキ検査工程イメージ
6. 組み込み工程 パンケーキからカセットへテープを組み込みます。

組み込み工程イメージ

■ 組み込み(アセンブリ)
パンケーキ状のテープをカセットに巻き取る工程。多くの厳しい検査をパスしたテープだけが使われます。
さらに完成検査をした後、皆様のお手元に届きます。
7. 完成品検査工程 VTRやカムコーダで実機検査します。

完成品検査工程イメージ
8. 梱包・出荷 完成したテープは、梱包し出荷します。

梱包・出荷イメージ