携帯電話やノートパソコンなどに使用されているリチウムイオン電池は、電圧が高く軽量化しやすいため、今後も携帯機器の多様化に欠かせない電池といえるでしょう。この電池の特長は、電池自体にコントロール用のICが組み込まれ、安全な状態を確認してから発電するという点。そしてさらに進化していて、現在では、形がある程度自由になるリチウムポリマー電池が登場しています。これがさらに進化すると腕時計型などの極小携帯電話も実現するでしょう。
リチウムイオン電池とともに急速な発展が期待されているのが燃料電池です。燃料電池はエネルギー交換効率が高く(7〜8割)、しかもクリーン。ハイブリッド車や電気自動車のエネルギー源としても知られていますが、これこそ地球温暖化問題を解決する切り札といえるでしょう。また、発展途上地域に発電所として設置する場合、送電線も不要なので環境への負荷を最小限におさえられるという利点もあるのです。
電池には電解質の溶液が不可欠とされてきました。そのために液もれなどの現象も起こってしまうわけですが、固体であるにもかかわらずイオンを通す物質の発見により液もれしない電池、つまりすべてが固体の電池を作ることが可能に。これが夢の電池といわれている全固体電池です。すでにペースメーカーなどの特殊な用途に使われていて、将来的にも開発が望まれています。また、全固体電池は水分を使わないので温度変化にも強く、温度変化の激しい宇宙でも使うことができるのです。
これらの電池のほかにも実用を目指して開発がすすめられている電池はいろいろあります。例えば、血液中のブドウ糖により電気を起こすバイオ電池、海の水を利用する海水電池、ゴミに含まれる糖をバクテリアと反応させることにより水素を発生させ、その水素と空気中の酸素で電気エネルギーを起こすゴミ電池など。これからも電池の未来と可能性は、ますます広がっていくことでしょう。