ソニー独自技術「360 Spatial Sound Mapping」が
実現する新360立体音響体験
次世代ホームシアターシステム
『HT-A9』
大画面テレビの普及や家庭内でのエンタメ需要の高まりを受けて、「音」への注目度が高まっています。
そんな中で登場した『HT-A9』は、既存のどの製品とも異なる新発想のホームシアターシステム。ソニー独自技術「360 Spatial Sound Mapping」によって、4つのワイヤレススピーカーだけで広大かつ立体的なサラウンド環境を作りあげます。この全く新しい製品をどのようにして作りあげたのか。その開発に携わった主要メンバーたちが紹介します。
鈴木(真):『HT-A9』は従来のサウンドバーとはフォルムから全く異なる新しいホームシアター製品です。昨今、テレビの大型化・高画質化や、巣ごもり需要による動画ストリーミングサービスの普及などにより、自宅でも手軽に映画を楽しめるようになりました。これによって、家庭内で楽しむ「音」をより良いものにしたいというニーズが大きく高まってきています。しかしながら現実問題として多くの家庭のリビングには本格的なホームシアターシステムを設置する充分なスペースがないようです。また、そうした本格的な製品は設定が難しいのではないかと不安に感じる方もいらっしゃいます。そこで『HT-A9』では、ソニー独自の新技術「360 Spatial Sound Mapping(以下、360SSM)」や自動音場補正技術などを駆使して、設置から再生までの手間を少なくし、どなたでも簡単に驚きの360立体音響体験を味わえるようにしました。
鈴木(真):『HT-A9』は4つのワイヤレススピーカーとコントロールボックスからなる製品です。それぞれワイヤレスで接続しているので、部屋の前方から後方に向かってケーブルを這わせる必要もなく、見た目もスッキリさせることができます。個々のワイヤレススピーカーには水平方向に向けたフロントスピーカーと天井方向に向けたイネーブルドスピーカーが組み込まれており、これらと「360SSM」を組み合わせることで360立体音響体験を実現しています。
酒井:イネーブルドスピーカーは、天井方向に音を放出して反射させることで、頭上から音が降ってくるような体験を演出するものです。『HT-A9』では、4体のスピーカーすべてにイネーブルドスピーカーを搭載しており、「360SSM」で立体的に音を響かせるために極めて大きな役割を果たしています。
酒井:「360SSM」はソニー独自のスピーカー間および天井間距離測距技術と物理音場再現技術を組み合わせた機能です。個々のワイヤレススピーカーに搭載されている2つのマイクを用いてスピーカー同士の相対的な位置関係を測定し、その外側に存在すると仮定した最大12個のファントムスピーカー(仮想音源)が作り出す音の波面を再現するという仕組みになっています。なお、仮想スピーカーは実際のスピーカーの外側にあるため、部屋の外に広がるような圧倒的に広大な空間を生み出す効果もあります。
酒井:いえ、バーチャルサラウンドとは異なります。バーチャルサラウンドは心理音響という技術を用いて聞いている音を立体的に錯覚させる技術ですが、今回の「360SSM」は錯覚ではなく、実際に音場を生成しています。
酒井:バーチャルサラウンドは効果に個人差があり、結果として音場の広がりの感じ方に違いが出る場合があるのですが、「360SSM」の場合は実際に音場を再現できるので、個人差もなく、広いエリアできちんとリアルなサラウンドを体感していただけます。
鈴木(隆):はい。先ほど酒井が説明したように、各スピーカーに内蔵された2基のマイクを使ってスピーカー同士の相対的な位置関係を把握し、それぞれの出音を補正します。水平方向はもちろん、高さ方向(天井までの高さ)も測定するので、置く場所の制約で各スピーカーの高さが異なってしまうような場合でも、十分な効果を得られます。
鈴木(真):物理的なスピーカーを設置した現実の空間よりも広大な音場空間を生み出すことで、一般的な家庭のリビングでも、まるで“その場にいるかのような体験”を味わえるようになります。映画コンテンツであれば映画館のような、音楽ライブ映像であればライブ会場にいるかのような体験が、自宅に居ながらにして、しかも一番良い場所の音を楽しめるというのが『HT-A9』の特長です。
堀内:私はこれまでAVレシーバーやサウンドバー、あるいはハイエンドのオーディオシステムなど、さまざまな製品に携わってきたのですが『HT-A9』のプロトタイプではじめて「360SSM」を聴いたとき、今まで関わってきた製品とは軸の異なる広大な音場、特に音が上下に動いたり、上方で音が回ったりという世界にとても驚かされました。この感動をぜひ皆さんに体験していただきたいです。
鈴木(真):映像に関してはDolby AtmosあるいはDTS:X、音楽に関しては360 Reality Audioといった、オブジェクトベースのフォーマットが適していますが、従来の5.1chサラウンド音源なども、内部で処理を施すことで立体的なサウンドをお楽しみいただけるようにしています。
酒井:本来、5.1chサラウンドには水平方向の信号しか入っていないのですが、信号処理技術を活用することで、元の信号から高さ方向の情報を生成しています。これによって特にアンビエント(環境音)成分などが空間を満たすように聞こえてきます。
酒井:はい、2chのコンテンツでも立体的なサウンドをお楽しみいただけます。
堀内:本当に語り尽くせないほどの苦労があるのですが(笑)、まずは4つのワイヤレススピーカーを制御するコントロールボックスについてお話しします。最終的にはこのサイズに収めることができたコントロールボックスなのですが、開発当初は一般的なAVレシーバー並みのサイズでないと実現できないのではないかと考えていました。
堀内:そうなんです。なぜそんな大きさになるかというと、まずは無線の性能を確保するためです。4つのワイヤレススピーカーとの通信に加え、Chromecast、AirPlayなどといった外部機器との通信を安定して動作させるために無線性能に最適化したシステムや構造を新規で開発する必要がありました。
堀内:社内の無線専門チームとメカのメンバーで協力体制を作り、アンテナそのものから新規に開発しています。複数あるアンテナが干渉しないような配置や形状を少しずつ詰めていき、何十回もシミュレーションと試作を繰り返すかたちで小型化を実現しました。
二宮:コントロールボックスの中にはアンテナの基板が3つ入っているのですが、それをこの小さなボディに収めるために、それぞれをしっかり隔離してお互いに干渉しないようにするというところが苦労したところですね。この内部の2層の金属板などはボックス前面と背面のアンテナを分離する目的で入れているんです。ほか、アンテナに角度をつけるなど、感度を高める工夫も多数盛り込んでいます。
出口:お客さまがまず目にするのはスピーカーで、体験をもたらすのもスピーカーですから、黒子であるコントロールボックスの存在感が大きすぎると体験が削がれてしまうだろうと考えました。そして何よりテレビとの対比ですね。サイズだけでなく、色や質感もテレビと組み合わせた時の佇まいを考慮して決めています。ですので、そこは妥協なく設計チームにお願いしました。
堀内:実際にその大きさの黒い箱を持ってきて「ほら、これじゃ大きすぎるだろう」って何度も言われましたよね。
鈴木(真):でも最終的にAVレシーバーくらいのサイズだったものが、ここまで小さくなったのを見て、皆の目を見て言えませんが「やればできるもんだなあ」なんて思ってしまいました(笑)。
鈴木(隆):コントロールボックス内部の放熱にとても苦労しました。発熱源を特定し、その熱を逃がすための仕組みや構造を、無線構造と両立するように何度もシミュレーションしています。無線性能の向上とサイズの小型化を、放熱効率を損なうことなく成り立つようにするのが特に大変でしたね。
二宮:これはスピーカーもそうなのですが、今回、『HT-A9』ではビス穴を見せないことにこだわっています。厳密には背面の1か所だけわずかに見えてしまっているのですが、それ以外の部分は底面も含めて全て見えないようにしています。また、こうした製品の場合、底面は銀色の金属板が露出しているということが多いのですが、『HT-A9』では、そこにカバー部品を追加して覆っています。
出口:デザインチームだけでなく、開発メンバーの総意だと思っています。先ほどテレビと並べた時の佇まいの話をしましたが、ビス穴はもちろん、底面の金属板なども、ちょっと高い位置に置くと横から見えてしまうんですよね。そういったことのないよう、しっかりとインテリアに溶け込ませるために、手を抜かず隠すべきものをしっかり隠しました。
出口:ありがとうございます。なお、細かいところでは側面の排熱用スリットの形状にもかなりこだわっています。スリットを斜めに入れることで、正面からは内側にある基板などが見えないようになっているんですよ。
酒井:『HT-A9』のスピーカーユニット構成ですが、トゥイーターとウーファーの2Way構造になっています。ウーファーには「X-Balanced Speaker Unit(エックス バランスド スピーカー ユニット)」を採用しており、歪感の少ないピュアな音を実現しました。その上で、ウーファーを低背ユニットと呼ばれる、振動板が浅い構造のものにしたこともポイントです。ユニットを低背化することによって、より音の指向性を広げられるようになります。また、同じ理由でボディの左右端を斜めにカットして回折(角部で音波が反射すること)を防ぎ、音がきれいな球面状に広がるよう工夫しています。
二宮:スピーカーグリルで隠されているので分かりにくいのですが、ボディの左右端だけでなく上端も同じ理由でカットしています。ここはグリルを固定するフレームが必要なので、その太さや厚みをどうするかも含めてかなり試行錯誤しています。
酒井:はい。「360SSM」では音源の位置を点で定義し、そこから球面波が出るという仮定のもとで演算を行っていますので、それに限りなく近い音響メカを作ることを目標としました。なお、スピーカーユニットのコーン部分には近年のソニー製品でよく使用されている発泡マイカを採用。この素材は、軽量、高剛性、適度な内部損失といった振動板として優れた特性を持っており、それによって高音まできれいに出してくれるのですが、今回はその強度の高さが薄型化にも貢献しています。また、磁器回路のマグネットも強力なものを搭載しており、単体でも低音をしっかりと響かせてくれます。
イネーブルドスピーカーについても、ここから発する音が直接ユーザーに聞こえるのではなく、上方向に的確に音が広がりながら放射されるようにするため、スピーカーユニット前方のキャビネット開口部をフレア形状としました。この際、適切なフレア形状を開発するため、かなりの時間をかけてシミュレーションと実測を繰り返し、検討しています。
出口:『HT-A9』はハイレゾの再生にも対応しているのですが、その音を出すためにはグリルを金属製にした場合、パンチの穴もこれくらいの大きさが必要なのです。ちなみによく見てもらえればわかるのですが、上面と正面で穴の大きさが違っているんですよ。
出口:イネーブルドスピーカーが最高の効果を発揮するためには穴をより大きくしなければならなかったからです。デザインチームとしてはできるだけ穴を小さく詰めたいところなのですが、そこは要求性能と見た目とのバランスですね。
堀内:上面と正面でグリルの求められるスペックが異なる中、どう折り合いをつけるかはかなり話し合いましたよね。穴の大きさや密度だけでなく厚みなどもいろいろなパターンを試しています。
酒井:先ほどお話ししたように、このスピーカーのウーファーには駆動力の高いスピーカーユニットが搭載されているのですが、こうしたユニットには筺体が振動しやすくなってしまう副作用があります。筐体が不要に揺れると、音像が崩れたり、トゥイーターやイネーブルドスピーカー側への悪影響も生じます。このため、スピーカーユニットの背面に太いブリッジ形状を設けてもらい、後方からガッチリ支えられる構造としています。
二宮:最初の試作の時はスピーカーのパワーに負けて、ボディのあちこちが振動してしまっていたのをよく覚えています。そのため、スピーカーユニットの背面のブリッジ以外にも多くの対策を施しました。基本的な所で細かくリブ(補強)を入れたりしているほか、ボディの前後をしっかり固定して硬くする梁も追加しています。
なお、リブは斜めに波打つようなかたちになっているのですが、これには内部の不要な定在波を打ち消す狙いもあるんですよ。
鈴木(隆):電気設計的には、そうした工夫をさらに活かせるように、サイズの制約がある中で最大限の音質を発揮すべく、『HT-A9』専用に新規設計のパワーアンプと強力な電源を開発し、搭載しています。
鈴木(隆):アンプ、電源とも、AVレシーバーなどで使われているような高音質な電解コンデンサーを使っています。パワーアンプにはS-Master HXを採用し、高出力と基板の小型化を両立しています。このS-Master HXをベースとし、『HT-A9』に相応しい高忠実度再生に必要な電気的特性を実現。その上で実際の再生音を聴きながら、最上の音質が得られる部品を選択して載せていくといったプロセスを経て作り上げました。さらに、小型な基板でも高音質を実現するため銅箔パターンをできるだけ直線的かつ最短になるように1点1点の部品配置を最適化し、安全規格を満たす範囲で最大限にパターン幅を太くするといった考え方で設計しています。このような工夫が、スピーカーからの音離れを向上させ、『HT-A9』の広大な音場表現を支えています。
鈴木(真):『HT-A9』のサウンド体験をより向上させるためのオプションとしてワイヤレスサブウーファーをご用意しました。もちろん、単体でも充分な低音をお楽しみいただけるよう作り込んでいるのですが、より迫力ある低音がほしいというお客さまにはこれらをお試しいただきたいですね。お部屋の広さや求める体験に合わせて2タイプから選んでいただけます。
酒井:サブウーファーを追加することで、まるで地響きのような低音を感じられるようになります。空気がビリビリと震える映画館的な体験をしたいという方にはサブウーファーの追加がおすすめですね。また、音楽ですとEDMのように可聴音域限界まで音を詰め込んだような、人工的に作り込んだ楽曲で特に違いを感じられるはずです。
鈴木(真):なお、サブウーファーを接続すると低音の再生をそちらに任せることができ、スピーカーがそれ以外の音域に専念できるようになるメリットもあります。それによって静寂感や空気感をより緻密に再現できるようになるんですよ。
鈴木(真):外部機器との組み合わせとしては、ソニーの「ブラビア」をお使いの場合、「アコースティックセンターシンク」という機能を使って、体験をさらにステップアップすることが可能です。
鈴木(真):ここ数年で発売されたブラビアは、例えば有機ELモデルだと画面そのものから音を鳴らす独自の音響技術「アコースティック サーフェス オーディオプラス」に対応しています。アコースティックセンターシンクは、この音響技術と『HT-A9』を連携できるようにしたもの。本機ならではのサラウンド感を活かしつつ、登場人物のセリフなどはブラビアから出す事で、映像と音の一体感が生まれ、より自然なサウンド体験を提供します。
堀内:この機能を実現するため、テレビ部門とオーディオ部門がより密に協力し合いました。音響技術は有機ELテレビ(アコースティックサーフェス オーディオ プラス)と液晶テレビ(アコースティック マルチ オーディオ)で仕組みが全く異なる上、製品ごとにも細かな違いがあるので、エンジニア同士で意見を交わしながらそれぞれの製品で最適なサウンドが楽しめるようにチューニングをしています。
※対応モデルについてはこちら
堀内:いえ、テレビとコントロールボックスをHDMIケーブルで接続すると自動的に機種を判別して最適な設定で連携します。
鈴木(真):また、ブラビアとの接続時には、ブラビアのリモコンから操作できるグラフィカルなUI上で『HT-A9』の機能をコントロールできるようにしました。リビングのテーブルの上が、リモコンだらけになっているという方にはこちらも喜んでいただけるのではないでしょうか。
出口:今回、『HT-A9』を含めた、「Aシリーズ」と呼ばれるオーディオ製品群において、「Omnidirectional Block(オムニディレクショナル・ブロック)」コンセプトを掲げてデザインを行っています。これはサブウーファーなどの外部機器を接続した際の見た目の調和を保ち、シリーズとしての強さを打ち出していくことを目的としたものなのですが、『HT-A9』においては、その中で全く新しい体験をアピールすべく、そのキャラクターを活かしたデザインにしています。
とは言え、むやみに新しさを出すということはしていません。スピーカーはある意味で楽器のようなものなのですが、そうした側面を洗練していくと、このスピーカーならではの最も良いかたちが自然と定まってくるんですよね。ですので、今回はそのキャラクターを明快にしていくことを追求しています。
出口:はい。結果としては円筒、円柱になりました。先ほど酒井、二宮から音のためにボディを斜めにカットしたという話がありましたが、この形にすることで内部に大胆なカット面を作ることが出来ました。また、この形は同じサイズの四角いスピーカーと比べて、本体を小さく見せる効果があり、向きを自由に変えても佇まいとして違和感がありません。結果として「360SSM」の音の特性を素直に表すかたちになりました。そしてその背面を大きく切り取り、平らな面を壁に見立てることで音をカバーするエリアが分かりやすくなり、どういう風に置けばいいのか分かりやすくなります。壁に寄せたり、壁に掛けたりといったこともしやすくなりました。
なお、背面には壁掛け用のフックとスタンドをつけるためのネジ穴が隠されています。また電源ケーブルを接続するための端子は底面のくぼみの内部に作り、普通に置いた時はもちろん、壁掛け時やスタンドに取り付けた時にもケーブルの根本が見えないようにしています。また、ふだん使わないボタン類も全て底面の見えない部分に隠しました。
出口:はい。本体カラーもそうした観点から、あらゆるインテリアにマッチしやすいグレーにしています。なお、このグレーはただのグレーではなく、黒と白の細かいビーズを塗料に混ぜ、それらが均等に表面に散らばって見えるように吹き付けたもの。それによってグレー一色でも、奥行き感を感じる質感にできました。暗い場所では黒のビーズが、明るい場所では白のビーズがそれぞれ響き合って、どんな場所に置かれても美しく、場に調和する仕上げになることを意図しています。ちなみに電源ケーブルも本体色にマッチするグレーのものを専用に用意しています。
堀内:『HT-A9』は新しい立体音響技術で、今までには無かったような音場体験を提供するホームシアターなので、これを映画の音作りのプロフェッショナルが聞いたらどう感じるだろうかという期待と不安がありました。そんな中、『HT-A9』を米国ソニー・ピクチャーズエンタテインメントのサウンドエンジニアに聞いてもらう機会があり、実際の映画制作現場の方々から「まさに意図している音だ」と非常にポジティブな反応やコメントをもらえたのは大きな自信となりました。この新しいサウンド体験を、『HT-A9』でぜひとも多くの皆さんに味わっていただきたいですね。
鈴木(真):堀内の言うように『HT-A9』は、これまでの製品とは全く異なる新しい体験を与えてくれます。「360SSM」という新しい技術が生み出す、まるでリビングの壁の向こうから音が聞こえてくるような体験はこれまでになかったもの。どんどん大きく、高精細化していくテレビの映像と相まって、まるでシーンの中にいるかのような体験を味わえる製品となっています。また、この製品では、良い音で楽しむためには、複雑な設定や、正しいセッティングが必要という“常識”も打破しました。気軽に家族みんなで楽しめて、しかもベストな体験を味わえる非常に良い製品に仕上がっています。ぜひ、ソニーストアなどへ足を運んでいただき、実際の音を体験してみてください。
酒井:ホームシアターシステムというと、どうしても熱心な映画ファンなどのものというイメージが強いのですが、私としてはぜひ、ホームシアター入門者の方にも『HT-A9』を選んでいただきたいなと考えています。リッチな映画コンテンツだけでなく、テレビ番組やYouTube、アニメなどのサウンドも充分に引き出してくれますので、まずはぜひソニーストア店頭デモなどで実際の音を確かめてください。
鈴木(隆):今回、自動音場補正機能が「360SSM」を楽しむ上で、非常に重要な機能となっています。ちょっと特殊な形のリビングで、理想的な配置が難しいというケースでもきちんと補正しますので、そうした理由でサラウンド環境を諦めていた人にもぜひお試しいただきたいですね。
二宮:右側のスピーカーはテレビの横、左側のスピーカーは壁掛けといったようなかなりトリッキーな置き方でも大丈夫です。この製品に合わせてテレビ回りのインテリアを変える必要なく、いろいろな方のさまざまなライフスタイルにマッチするかたちで配置できます。サイズもとてもコンパクトにまとまっているので、無理なく導入していただけるはずです。
出口:鈴木(隆)、二宮の言うように、この製品はお客さまの好きな場所に置いて使っていただくことを第一に考えてデザインしました。そしてその上でこの製品は「ギャップ」が快感な製品だと思っています。インテリアコンシャスでコンパクトな外観からは思いも寄らない音の密度感、広大な空間体験が得られますので、その驚きを少しでも多くの人に感じていただきたいですね。