商品情報・ストア Feature Xperiaの4K* HDR 有機ELディスプレイでVR体験を実現 ソニーならではの映像美で未体験の没入感を『Xperia View』

開発者INTERVIEW(開発者インタビュー)

Xperiaの4K* HDR 有機ELディスプレイでVR体験を実現
ソニーならではの映像美で
未体験の没入感を『Xperia View』

『Xperia View』製品画像
『Xperia View』製品画像

『Xperia 1 III』、『Xperia 1 II』の周辺機器として登場した『Xperia View』は、Xperiaが近年追求してきた高画質4K*有機ELディスプレイを使って、手軽に高画質なVR体験を味わえるVRヘッドセット。Xperia由来のクリエイターの意図を忠実に再現することを目指した画質や、独自開発「ハイブリッドレンズ」による没入感の高さなど、数々の“ソニーらしさ”が盛り込まれた製品です。ここではその開発に携わった中核メンバーたちがその開発エピソードを語ります。

MEMBER

天野の写真
商品企画
ソニー株式会社 天野
松原の写真
画質設計
ソニー株式会社 松原
遠藤の写真
機構設計
ソニー株式会社 遠藤
POINT 01 POINT 01

日常の中で手軽に
VRエンターテインメント体験を

インタビュー風景の写真

まずは『Xperia View』を開発するに至った背景を聞かせてください。

天野:ソニーではこれからの時代を見据えて、今までにないユーザー体験をお届けすべくさまざまな検討を行ってきました。企画チーム内で5G世代に向けた新たな体験やサービスで、当時はImmersiveというコンセプトワードでしたが、臨場感やリアリティを追求したいという議論も出てきていた中、設計チーム側からもXperiaならではの優れたディスプレイや圧倒的なCPUパワーを活用することで映像に飛び込むような体験が実現できるのではないかという提案があり、開発がスタートしました。

では、それを踏まえた上で、『Xperia View』がどういった製品なのか、従来のVRヘッドセットと比べてどのようなアドバンテージを持っているのかをお話しください。

天野:『Xperia View』は、Xperia専用のビジュアルヘッドセットです。『Xperia 1 III』および『Xperia 1 II』の約6.5インチ、21:9シネマワイド™ディスプレイを使って、手軽に高画質なVR体験を味わうことができます。

詳しいことは後ほど担当者から解説させていただきますが、技術面では独自開発した対角120度の広視野角を実現するハイブリッドレンズが最大の特長となっています。これによって、今までにない広い視野角でのVR体験を実現することができました。

『Xperia View』はどのようなお客さまをターゲットとしているのですか?

天野:幅広いユーザーの皆さまに、日常生活のなかで手軽にVRのエンターテインメントを楽しんでいいただきたいですね。特に音楽やスポーツなど臨場感が求められるようなものと相性が良いと思っています。見たいと思ったときにサッと身につけていただいて音楽ライブ最前線にいるかのような体験を楽しんでいただくなどといった使い方を想定しています。

POINT 02 POINT 02

VRの世界にソニーならではの
映像へのこだわりを持ち込んだ

実際に『Xperia View』のVR体験を試させていただいたのですが、その映像の美しさに驚かされました。『Xperia 1 III』のディスプレイ画質の良さは理解していたつもりなのですが、こんな使い方もできたんですね! まずは、この画質へのこだわりについて聞かせていただけますか?

松原:それをお話しする前に、技術チームの側からも製品化に至る背景を説明させてください。まず、Xperiaが初めて4K*ディスプレイを搭載したのは、2015年に発売された『Xperia Z5 Premium』なのですが、実は構想レベルとしては当時からこういったVRに使う用途を想定していました。ただ、その時点ではまだ我々が目指す映像美を実現することが難しかったため、当時は開発には踏み切りませんでした。

その後、『Xperia XZ Premium』(2017年発売)で4K* HDRに対応して、『Xperia 1』(2019年発売)で有機ELになって、最新の『Xperia 1 III』(2021年発売)では120Hz駆動になって……と、どんどんXperiaのディスプレイのスペックや処理性能が上がっていき、ようやく私たちの目指したかったものが実現できる目処が立ちました。つまり、『Xperia View』はそれだけ長い期間準備してきたもので、我々がこれまでに培ってきた画質のノウハウが凝縮された製品となっています。

インタビュー風景の写真

『Xperia View』のVR視聴体験では、画質的にどういったミッションをもって取り組んでいるのでしょうか?

松原:本当にその空間にいるかのような錯覚を与えるくらいの、リアルな色味や明るさをVR上で再現することを目指しました。実はこういった画質面って、これまでのVRヘッドセットではそこまで重視されていなかったように感じているのですが、『Xperia View』ではその点にとてもこだわって作り込んでいます。

たしかにスマートフォン差し込み型のVRヘッドセットでここまで高画質な映像視聴に特化している点は、『Xperia View』ならではですね。ちなみに松原さんはこれまでのVRヘッドセットに対して、どういった課題感をお持ちですか?

松原:いくつかあるのですが、1つは解像感ですね。解像感にはディスプレイパネルの解像度が影響してくるのですが、最新の製品でも4K*のパネルを搭載しているものはまだまだ数が少なく、搭載しているものも液晶パネルのため、コントラスト感に欠け、暗いシーンで映像が白っぽく浮いて見えてしまう弱点がありました。

『Xperia View』では、Xperiaの4K*有機ELパネルを表示デバイスとして活用しつつ、そこにソニーならではの画質のチューニングを施すことで、これまでの製品にはなかったような高画質を実現しているのですね

松原:その通りです。たとえばVR空間の中にいる人の肌の色を自然に映し出すということにはかなり力を入れています。それは「クリエイターモード」などでXperiaがこれまでもこだわり続けてきた、コンテンツ制作者の意図を忠実に再現するという想いの延長線上にあるものです。

対応Xperiaの4K*の超高精細な画質とHDR対応で、目で見る世界に近い自然な明暗や色合いの映像表現がVRでも可能に。

では、こうした高画質を実現するために、具体的にどういった技術を盛り込んでいるのかについて1つずつお話いただけますか?

松原:まず残像感の低減についてお話します。開発の初期、何も特別な処理を施さない状態でVR映像を再生したところ、そのままでは残像感というか、映像の尾引きが発生してしまい、すぐに酔ってしまうということが分かりました。『Xperia View』の開発ではそれが第1の壁として存在でしたね。

それをどのようにして解決したのですか?

松原:実は『Xperia 1 III』には「ゲームエンハンサー」という機能があり、その中で画面表示を120Hz駆動+黒挿入で240Hz相当にするというモードがあります。これの動作パラメーターをVR用に最適化することで、残像感を大きく低減することに成功しています。ちなみにこの機能は名前の通り本来はゲーム用のものなのですが、その開発時点からVR用途にも使えるよう仕込んでいたという背景があるのですよ。

なお、残像感が低減されることには、酔いにくくなるという効果に加え、映像がよりクッキリみえるようになるというメリットもあります。

続いて、第2の壁についてお話しいただけますか? その次にはどういった技術的改善を行ったのでしょうか?

松原:その次に苦労した点は評価コンテンツの用意です。『Xperia View』でこれまでにない高画質を目指すにあたって、VRの世界ではまだほとんど例のないHDR対応などを確認・検証できる仕組みを作る必要がありました。

ここには色々な試行錯誤があるのですが、たとえば色味については、従来のXperiaで「クリエイターモード」の実現のためにやっていた、映像コンテンツの制作現場で使われているソニー製プロフェッショナルモニターをリファレンスに揃えていくということをやっています。制作用モニターにVRコンテンツを表示し、その場で『Xperia View』の映像と目合わせするようなかたちで色味を調整していきました。

さらに踏み込んだ手段として、実際に音楽ライブ会場など、VRコンテンツを撮影している現場に参加しました。また、ソニーでVR撮影を行っているチームとも連携し、XperiaでのVR視聴体験にどのような可能性があるのか、高画質・広視野角の付加価値を最大限生かすためにどのような演出や撮影をすればいいのかなど、こちらの開発状況を共有しながら都度フィードバックをいただき、体験や画質を詰めていくということもやっています。こうしたことを、およそ1年近く続けて理想の画質に近づけていきました。

インタビュー風景の写真

解像度についてはいかがでしょうか? 映像の鮮明さを高めるためにどういった技術が盛り込まれているのかを教えてください。

松原:Xperiaのディスプレイパネルの解像度は4K*なので極めて高精細な表示が可能なのですが、VRでそのまま4K*表示をしてしまうと、映像処理の負荷が大きく、それによって発生する熱をどうするのかという課題が生まれます。そこで、『Xperia View』では実際の目の働きに合わせ、視野の中心部分は高精細な表示で鮮明に見せつつ、周辺部分については、違和感を感じない範囲で解像度を下げて表示するといったエリア最適化を行うことで、処理負荷を減らし、高精細で空間の広がりを感じるほどの広視野角でのVR視野角体験を実現しました。

そのほか、画質向上のために取り組んだこと、工夫したことがありましたらぜひ。

松原:画質面では美しい階調の表現を実現する上でも苦労しました。HDRの映像は10bitの豊富な色情報(カラー深度)を持っており、『Xperia View』での映像視聴でもそれを念頭においた画質チューニングを施しています。しかし、現状、世の中のVRコンテンツのほとんどはSDRで、カラー深度も8bitしかありません。結果、拡大して表示すると色の少なさというか、たとえば空を見た時に帯状のバンディングノイズ(階調飛び)が目立ってしまうのです。そこで『Xperia View』では、こうした階調飛びが気にならないよう映像処理をかけるようにしています。

厳しいことを言うと、10bitのカラー深度を持つHDR映像でもVRのレンズ越しに見ると素の状態よりも階調の乱れが目に付いてしまいます。今回、『Xperia View』の開発を通して、HDRのVRコンテンツ作成の難しさを痛感しましたね。

『Xperia View』のように画質にこだわった製品が出てきたからこそ顕在化した問題と言えそうですね。

松原:そうかもしれません。結果、こうした苦労や、肌の色味や階調表現などはコンテンツ制作チームの皆さんのご協力もあって、かなり良いものになったと思っています。とは言え8K HDRのVRコンテンツの充実はまだまだこれからなので、今後もクリエイターやコンテンツ制作チームの皆さんと協力しながら、トータルでさらに良い画質を追求していきたいと考えています。

POINT 03 POINT 03

対角120度の広視野角が
VR映像への没入感を劇的に高める

続いて、先ほど天野さんが『Xperia View』最大の特長として挙げておられたソニー独自開発のハイブリッドレンズについて聞かせてください。これはいったいどういうものなのでしょうか? ……というか、思った以上に大きく、そして独特な形の1枚レンズなのですね!

遠藤:はい、どうしてこの大きさ、形になったのかというと、目指していた解像度と視野角がまずあり、そこに眼からの距離、画面からの距離を加えて計算していくと、レンズの形状をこうしないと成り立たないからです。ですので、設計のかなり早い段階からこの大きさになることは分かっていました。

インタビュー風景の写真
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どういった部分が、“ハイブリッド”なのでしょうか?

遠藤:中央部分の高精度に光を集めて像を結ぶ「非球面レンズ」、周辺部分の高い集光効率を持ちながら薄型化も容易な「フレネルレンズ」、この役割の異なる2つのレンズを一体化しているからです。これによって、高い解像感と空間の広がりを感じられる広い視野角を両立させることができました。

やはり、この設計には時間と手間がかかったのでしょうか?

遠藤:設計もさることながら、この複雑な形状のレンズをどのように量産するかの検討が最もハードルが高かったですね。このレンズの素材はプラスティックで、射出成形という金型に樹脂を流しこんで成形する手法で製造しているのですが、これを歪みなく高い精度で成形するにはどうすればいいのか、そもそもフレネルレンズの複雑な形状を再現できる金型を作れるのかという問題がありました。

インタビュー風景の写真

どうやってこの問題を乗り越えていったのかを聞かせてください。

松原:当然、最初は全く上手くいきませんでした。特にフレネルレンズの細かいパターンについては1ミクロンずれただけでレンズ特性的にはアウトになってしまいますから、それを安定して生産するための金型作りにものすごく時間がかかりました。それこそ何十回もトライ&エラーを繰り返していますね。

最終的には流しこんだ樹脂をゆっくり冷やしていくことで目的の精度を出せるようになったのですが、通常の射出成形の20倍以上の時間がかかっているなど、ものすごくコストのかかったレンズとなっています。

ところでこの『Xperia View』のハイブリッドレンズは、ソニー独自のものなのでしょうか?

遠藤:はい。『Xperia View』専用にソニー独自で開発したものです。それによって、この大きさでここまでの高解像度を実現することができました。

ちなみに今回はハイブリッドレンズを用いて対角120度の広視野角VR体験を実現したとのことですが、対角120度という数字には何か意味があるのでしょうか?

天野:あくまで自社での計測や体験比較になりますが、対角120度を超えると、そこに人が空間の広がりを感じることができると考えています。市販のVRヘッドセットの多くはそれよりも狭い視野角となっており、例えるなら丸い穴から映像を見ているような、潜望鏡で遠くを覗いているような体験になってしまいます。それらに対し『Xperia View』では映像が目の前に広がるかのように感じられるため、VR体験には圧倒的なリアリティ、その場にいるかのような感覚をご体験いただけるのではないかと考えています。

そのほか、ハイブリッドレンズ回りで苦労した部分はありますか?

遠藤:レンズそのものではないのですが、フレーム部分の構造設計に苦労しました。『Xperia View』ではより多くのお客さまに快適にVR映像をお楽しみいただけるよう、レンズ間隔調整ができる機構が組み込まれているのですが、これが思った以上に複雑な機構になっていて、けっこうな数の部品を、公差(部品ごとの許容誤差)計算しながら成り立たせるのが大変でした。

インタビュー風景の写真
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たしかに、しっかり固定しなければならないレンズを可動式にしなければならないのは大変そうです。

遠藤:1か所ではごくわずかなズレでも積み上がると大きなズレになってしまいますからね。構造上、レンズを内側に動かしていくときは大丈夫だけど、外側に動かすときにずれてしまうなんてこともあり、その対策のためにさらに構造が複雑になっていくというジレンマもありました。しかも可能な限り軽くせねばならなかったので、ごく一部のピンを除き、全て成形部品で作っています。でも成形部品って金属部品と比べて公差が大きいのですよ(苦笑)。

ハイブリッドレンズの設計とは別の大変さがあったのですね。

遠藤:形状、機構の工夫に加え、動く部分には摺動(摩擦)に強い素材を採用するなど、素材にもかなり気を使いました。選び方をまちがえると動きがぎこちなくなったり、異音がしたりするのですが、そのあたりはソニーとしてノウハウの蓄積があったので、製造パートナーとも話し合いながら作り込んでいき、何とか理想的なものを作りあげることができました。

POINT 04 POINT 04

装着感にも徹底的にこだわり抜いた
「Xperia View」

『Xperia View』のようなVRヘッドセットでは画質のほか、装着感も体験に大きな影響を与えます。このあたり、この製品ではどういった工夫を施しているのでしょうか?

遠藤:もちろん、その点にも多くの工夫を盛り込みました。まずは先ほどお話ししたレンズ間隔調整に関係するところからお話すると、レンズを動かす機構とは別に、Xperia側にレンズの位置を知らせる仕組みを作らねばなりません。でも『Xperia View』にはご覧の通り、電気的な接点はなにもありません。どうやっているのか分かりますか?

インタビュー風景の写真

まったく想像も付きません……。

遠藤:実は装着したXperiaのインカメラの位置にレンズ位置を示すマーカーを配置し、アプリからそれを読み取ってレンズがどこにあるかを認識するようにしています。レンズ間隔調整用のレバーを動かすと、それに連動して内部に配置された印の付いた円盤が回り、それでレンズの位置がわかるようになっているのです。

そんなことをやっているのですか。たしかにそれなら接点は不要ですね(笑)。

遠藤:言ってしまうと簡単そうに聞こえるのですが、レンズ間は15段階に調整できるので、それを間違いなく読み取れるような仕組みを考えるのがかなり大変でした。ソフトウェアの担当者と一緒になっていろいろな案を出し合って、現在の形になりました。

Xperiaを『Xperia View』にはめ込む仕組みについても教えてください。

遠藤:すごく簡単です。側面の着脱レバーでフロントカバーを外し、そこにXperiaをセットして戻すだけ。専用モデルなのでセンターを揃えるなどの手間はありません。

なるほど。でも『Xperia 1 III』と『Xperia 1 II』はごくわずかですがサイズが異なっていますよね。その違いはどうやって吸収しているんですか?

遠藤:フロントカバー内にあるXperiaを固定する爪の配置と力加減を調整することで、全く意識することなく『Xperia 1 III』も『Xperia 1 II』もしっかり固定し、正しい位置に装着できるようになっています。

『Xperia View』製品画像

装着感についてはいかがですか?

遠藤:そこについては、かなり多くの人に装着してもらいながら作り込んでいます。まず、今回こだわったのがメガネをかけたまま付けられるようにしたこと。一般的なVRヘッドセットだとメガネをかけているとリムやテンプルの部分がケースと干渉してしまうのですが、『Xperia View』ではそうならないように形状を工夫しました。

ただ、そうすると逆にメガネをしていない人にはブカブカになってしまいますから、誰が付けても違和感のないように顔に接する面の形状などをかなり試行錯誤しています。その成果の1つと言えるのが、皮膚に触れる部分を保護しているクッションです。

これは一見すると同じ太さの紐状のクッションを巻き付けているだけのように見えますが、部位によって三次元的に太さを細かく変えているのです。中に入っているスポンジの硬さについても議論して最適なものを選んでいます。そうすることでメガネをしている人でも、鼻が高いあるいは低い人でも痛くなったり、大きな隙間ができてしまったりということがないようにしました。

インタビュー風景の写真
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なるほど。そしてそうなるとヘッドバンドにも工夫がありそうですね。

遠藤:もちろんです。こちらについてもさまざまな工夫を施しています。バンドが調整できないのは困りますし、かといって常時引っ張られているような圧迫感を感じるのもイヤですよね。ですので、バックルの位置やバンドの調整のしやすさなどにはかなりこだわっています。

ヘッドバンドはどうやって調整するのですか?

遠藤:緩めた状態でかぶって、そこから左右のベルトを横に引っ張ればしっかり固定されます。この横のベルトの位置も高すぎると安定しませんし、低すぎると耳にぶつかってしまったりで最適解を見つけるのが大変でしたが、最終的には誰が身につけてもしっかりと固定され、しかも痛くなったりしないものに仕上がったと思います。

インタビュー風景の写真
POINT 05 POINT 05

今後、「Xperia View」が
VR画質のリファレンスに
なってほしい

操作性についても教えてください。『Xperia View』にはコントローラーのようなものがありませんが、どうやって見たいコンテンツを選んだりするのでしょうか?

松原:Xperiaで専用アプリ「Xperia View」を立ち上げた状態で『Xperia View』にセットすると、VR空間上に対応アプリとコンテンツが一覧表示されます。このとき、ユーザーは『Xperia View』上部に開けられたスリットから音量キーとカメラキーを使ってメニューの移動と決定が行えます。

インタビュー風景の写真

なるほど。スマートフォンのハードウェアボタンを操作に使うのですね。

松原:そのほか、首を振って真正面にある項目を選択し、『Xperia View』の側面をトントンと叩くことで選択するということも可能です。

ちなみに『Xperia View』ではどういったコンテンツを楽しむことができるのでしょうか?

天野:現在は「DMM動画」と「360Channel(サンロクマルチャンネル)」の二つのVR動画配信サービスに対応しています。市販の360度カメラ、180度カメラなどで撮った写真を対応のフォーマットに変換してXperiaの内蔵ストレージやSDカードの対応フォルダにコピーしていただくことで、それらを再生することも可能です。

『Xperia View』では、8K HDR映像という、大容量かつ高精細でリアリティの高い動画を、空間を感じるほどの広視野角で視聴できるようになりました。これによって、世の中のVR映像クリエイターの方たちが、高画素かつHDR対応の、これまで以上に上質なコンテンツを制作しようと考え始めてくださることに期待しています。

ここまで記事を読んでくださった読者が、自分でも『Xperia View』を体験したいと思った際、どこに行けばいいのでしょうか? どこかで実機に触ることができるのでしょうか?

天野:現在はソニーストア各店で『Xperia View』を展示中です。こちらで実機を使った体験が可能です。画質や装着感などを実際に試して確認したいという方はぜひともソニーストアまでお越しください。

インタビュー風景の写真

最後に読者に向けたメッセージをお願いします。

天野:いまお話したように、『Xperia View』はソニーストア各店でご体験いただけます。まずはぜひ実際の映像をご覧になっていただき、VRの中の人と目が合う体験、本当にその場にいるかのように感じられる体験をぜひ味わっていただきたいです。なお、これは『Xperia View』のさらに先の話になっていくのですが、我々はこれからもXperiaのVR視聴の中でできることを広げて行きたいと思っていますし、5G通信の普及とともに、今後、コミュニケーションの新しい形が作れるのではないかと考えています。音声通話やテレビ電話では実現できない、まるで実際に会ったかのような体験や、遠隔地との体験の共有といったものを実現できる可能性を強く感じています。

松原:私も皆さんにはまずソニーストアで『Xperia View』のポテンシャルをフルに引き出してくれる8K HDRのVRコンテンツをご覧になっていただきたいですね。たとえばライブ映像などで顕著なのですが、HDRのVRコンテンツにはかなり独特なものがあり、空気感やコントラスト感など、映像から受け取るリアリティが従来と全く異なります。

また、映像クリエイターの方々にも、ぜひ『Xperia View』を手に取っていただきたいです。8K HDRのVR映像を再生できるデバイスってまだ世の中にほとんど存在していないと思うので、今後、この画質がリファレンス(標準、基準)になっていくようなかたちでお使いいただけると開発した甲斐があります。我々のVRへの取り組みはまだこれがスタート地点。ここから世界観を拡げて行きたいと考えておりますので、応援していただけると心強く思います。

遠藤:今回、製品としての最大の売りは高精細、広視野角なVR映像を楽しめることなのですが、それは我々にとってあくまでスタートライン。『Xperia View』では、それ以上の付加価値を持たせるべく、操作性からフィット感、デザインなど、トータルでの満足度を高めることにも注力しました。こうしたこだわりが皆さんに届くと良いなと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

*水平3840画素×垂直1644画素(SID規格に基づく)。


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