DE DE MOUSE:今回聴かせてもらった2機種とも、高音質へのこだわりにとても納得したんですが、『h.ear on Wireless NC』ですごく驚いたのが、ノイズキャンセリング機能でした。これは外の音の位相を反転させてるんですか?
井出:そうです。ハウジングの外側と内側に2つのマイクが付いていて、そこで集音した外界のノイズをデジタル信号に変換し、ソニー独自のDNC(デジタルノイズキャンセリング)ソフトウェアエンジンでデジタル信号処理を行い、逆位相の音を生成しています。その音を音楽と一緒に再生させることで、ノイズが消えるんです。
DE DE MOUSE:じゃあBluetoothによる遅延はないんですか?
井出:ソニーのデジタルNC用の独自DSPであるインテグレーテッドDNCプロセッサは、非常に低い遅延で信号処理ができるようになっています。外からは見えないですが、中では結構すごいことをやっているんですよ(笑)。
DE DE MOUSE:ノイズキャンセリング機能は、どんな環境が一番有効ですか?
井出:やはり飛行機とか、バスや電車の中でのリスニングですね。
DE DE MOUSE:ああ、僕も飛行機のエンジン音がすごく嫌いです。
井出:そういう方には、音楽を再生しなくても、耳栓代わりとしても使っていただけます。飛行機内でのノイズは低域の音圧が想像以上に高いのですが、私自身、このノイズが消えてくれることで、長時間のフライト後の疲れ方がまったく変わってくる実感があります。DE DE MOUSEさんなら、機内での作曲作業にもストレスなく使っていただけるかも知れません。
DE DE MOUSE:そうですね。僕、機内でよく作業をするんですよ。
井出:ワイヤレスなので、閉所でもケーブルが邪魔になりませんから、ぜひお試しください。長距離フライトを想定して、電源オンで最大20時間の連続再生が可能です。あと、『h.ear on Wireless NC』のノイズキャンセリング機能は、周囲のノイズのスペクトラムを常に解析することで、飛行機に最適なもの、電車・バスなどの乗り物に適したもの、オフィスなど比較的静かな環境に適したものの3つのモードを自動的に切り替えて、使用している環境に最適なノイズキャンセリング効果を発揮することができます。
DE DE MOUSE:自動で?
井出:はい。その場の環境に合わせて勝手に切り替わりますが、自然に切り替わるように作りこんでいるのでまったく変化に気が付かないと思います。これもソニー独自の機能ですね。
DE DE MOUSE:いろいろな状況に対応してくれるのはいいですね。
井出:4つのリスニングスタイルを選んでいただけるようになっているんです。まず屋外で使っていただく場合は、ワイヤレスでノイズキャンセリングをオンにして音楽を再生する方法。静かな場所なら、ノイズキャンセリングを切ると、電池が長持ちします。また、Bluetoothが使えない環境にいる場合は、付属のケーブルを挿して有線ヘッドホンとして使えます。その場合も、ノイズキャンセリングのオン/オフができるので、状況に応じて使い分けていただけると嬉しいですね。
DE DE MOUSE:有線だとさらに高音質になるということですよね?
井出:はい。先ほどワイヤレスでもハイレゾを高音質で再生できる「LDAC」について説明させていただきましたが、「LDAC」といえどもデータ圧縮はしていますので、有線ならハイレゾ音源をありのまま楽しんでいただけます。