──実績のある位相差AFモジュールに像面位相差センサーが組みあわさることで、α99のAFはどう変わるのでしょうか。
陰山:α99に搭載された19点の位相差AFセンサーモジュールは、単体でも速度・精度ともに35mmフルサイズセンサーにふさわしいAF性能を備えています。ただ、AFセンサーモジュールはカメラ内での配置場所などの制約があり、AFセンサーの配置場所や数が限られるため、被写体を捉えるフォーカスエリアの大きさや形も限定されたものとなります。いっぽう、像面位相差AFセンサーは、大きなイメージセンサの撮像面を使用できるため、フォーカスエリアの自由度は格段に向上します。つまり、位相差AFセンサーモジュールと像面位相差AFセンサーを組みあわせて動作させることで、高速で高精度、なおかつ被写体を捉え続けることができるオートフォーカスが実現できます。
水上:世界初(※)の「デュアルAF」システムは、19点のAFセンサーモジュールと、“面”のように動作する102点の像面位相差AFセンサーが同時に駆動します。センサーの数が限られている従来のAFセンサーモジュールだけですと、測距“点”上に被写体がない場合はフォーカスが合わない“抜け”が発生してしまうことがありました。「デュアルAF」システムでは“面”の役割を持つ像面位相差AFセンサーが被写体を捉え続けます。さらに広い“面”のどこかに被写体がかかっていれば、被写体が動いても高精度にフォーカスを合わせ続けることができます。“点”と“面”を組み合わせたα99の「デュアルAF」は、激しいスポーツや動物など動きが早い被写体を写真に収めるときに重宝するでしょう。
*フルサイズセンサー搭載レンズ交換式デジタルカメラにおいて(2012年10月発売予定)