商品情報・ストアデジタル一眼カメラ αα99 開発者インタビュー
第4回 ファインダー編 自然な“見え”と電子式の便利さが融合した「XGA OLED Tru-Finder」

レンズがとらえた光景をそのまま映しだすだけでなく、ホワイトバランスなどカメラの設定を反映させた表示が可能な電子式ビューファインダー。

α99は約235万ドットと高精細な有機ELパネルを用いた視野率100パーセントの電子式ファインダー、「XGA OLED Tru-Finder(トゥルーファインダー)」を搭載。α99のフルサイズセンサーと「XGA OLED Tru-Finder」の組み合わせは撮影にどんなインパクトをもたらすのか。α99のファインダー開発に携わった足立、内田、漆戸の三者に話を聞いた。

カメラの可能性と写真の楽しさを広げる電子式ビューファインダー

──“α”シリーズのファインダーは“見え”のよさに定評があります。なかでも視野率100パーセントのα900の光学式ビューファインダーはユーザーからの評価が高く、光学式ビューファインダーの最高峰ともいえる存在になりました。α99は“9”ナンバーの“α”として初めて電子式ビューファインダーを採用しました。新しい一歩を踏み出した背景には何があったのでしょうか。

足立:デジタル一眼カメラのファインダーには、外光に影響されることなく一定の“見え”で写真の仕上がりを確認できるメリットがあります。さらにレンズがとらえた光景をファインダーを通して見ることでカメラとの一体感を感じることができます。だからこそレンズの光を導くファインダーは、写真を愛する人々にとって欠かせない機構なのだと思っています。その一方で、巨大なイメージセンサーの採用から始まり、ヒストグラムを使ったピークレベルの確認やデジタル水準器の搭載など、デジタル一眼カメラは常に先へ先へと進んでいます。

──α99ではオートHDR撮影やフルHD動画撮影など、表現の幅や可能性も大きく広がっています。進化を続けるカメラに電子式ビューファインダーはどのように寄与するのでしょうか。

足立:α99をお使いになるお客さまを考えた際に、まず重要になるのがピント位置の確認がすばやく、かつ確実に行なえるということです。イメージセンサーの高画素化によって「ピント位置を確認する」という基本的な行為においても光学式ビューファインダーでは厳しい状況が生じてきているのは事実です。また、暗所やコントラストの低い状況などでも光学式ビューファインダーではどうしてもピントの山がつかみにくい。そのような条件下でも電子式ビューファインダーであればピーキングや拡大機能など、ベストな“見え”を提供することができます。

内田:さらに付けくわえると、ファインダーは撮りたいものを確認するための道具というだけではなく、カメラと撮影者がたがいに交わる接点でもあると思っています。α99のさまざまな機能を最高度に引き出し、かつ光学式ビューファインダーと比較してもまったくひけをとらない“見え”を提供するために、α99にはソニーが培ってきた技術を電子式ビューファインダーを用いるのがベストと考えました。

“見やすい”、“便利”の先を目指して生み出された「XGA OLED Tru-Finder」

──35mmフルサイズのイメージセンサーを搭載したデジタル一眼カメラにおいて、電子式ビューファインダーに求められる性能とは?

内田:α99の「XGA OLED Tru-Finder」はα77で確立した、“見やすい”、“便利”、“安心”、“確実”の4つのコンセプトを引き継いで開発しています。“見やすい”とは像の自然な見た目を追求するとともに、光学式ビューファインダーのα900と同じく視野率100パーセントであること。さらに光学式では避けられない「光の減衰」がない、鮮やかではっきりした画質を実現することです。“便利”はヒストグラムなどカメラのデータをファインダーから目を離さずに確認できること。“安心”は露出やホワイトバランスなどの撮影設定がのぞいている光景に反映されること。そしてこれらすべてが重なることで、狙いとしている表現を“確実”に写真へと落としこむことができます。

──“α”のフラッグシップ機であるα99の「XGA OLED Tru-Finder」にはどんな特長があるのでしょうか?

足立:「自然な色再現」、それがα99のファインダー思想です。これまで光学式ビューファインダーを使ってこられた方が見ても違和感を感じない、自然な見た目と正確な発色を実現しました。特に発色のカギとなる階調表現は被写体に対しての忠実さを徹底し、そのために有機ELパネルの制御系を新しく作りました。これにより高輝度下・低輝度下でもつぶれない、粘りのある表現となっています。今回、この“見え”を実現するために、使用しているデバイスも完全に見直しています。たとえば、有機ELパネルについて、基本構造は同じながら必要な性能を見直すことで、より幅広い環境で快適にお使いいただけるようになりました。さらに、光学系についても高精度に管理することで、より歪みが少なくクリアな“見え”を実現しています。もちろん、映像コマの表示の切り替えが非常に速い有機ELパネルを採用したことで、動きの速い被写体も像のブレを感じることなく、しっかりとらえることができるのも特長のひとつです。

撮影者の写真表現をサポートするファインダー

──電子式ビューファインダーならではのメリットは、実際の撮影シーンで具体的にどんな活躍を見せてくれるのでしょう。

漆戸:光学式ビューファインダーは基本的にレンズがとらえている像の全体のみを表示しますが、α99の「XGA OLED Tru-Finder」は最大11.7倍まで像を拡大して見ることができます。撮影像を拡大してピントを確認する、というのは光学式ビューファインダーではできません。また、ピントが合っている部分をピーキング表示することもファインダー上で確認できます。ピント位置の拡大やピーキング表示機能によって、MFレンズを使用している時でもピント合わせが容易になります。

足立:レンズ性能がファインダー越しに良くわかり、絞りによるぼけなども確認できます。また、APS-Cフォーマット専用のDTレンズを使った時に、ファインダーいっぱいに正確な画角の像を表示できるのも「XGA OLED Tru-Finder」のメリットのひとつですね。ファインダーいっぱいに広がる表示はフォーカスの確認がしやすいだけでなく、DTレンズに交換した時のレンズフォーマットのちがいを意識する必要もありません。

内田:これから撮る写真がどのような仕上がりになるのかを撮る前に確認できますし、撮ったあともファインダーで画像を確認できます。もちろん、メニュー操作もファインダーでできます。つまり、撮影から再生、設定変更までカメラを操作しているときに片時もファインダーから目を離す必要がないんですね

──ファインダーから目を離すことなく撮影に集中できる、というのは、デジタル一眼カメラの利便性に新たな価値が加わったともいえますね。これまで光学式ビューファインダーを愛用されてきた方に向けて、この新しいファインダーについてお伝えしたいことは?

足立:「まずは一度α99のファインダーをのぞいてみてください」とお伝えしたいですね。「『α900のほうが良かったね』とは言われないように」という思いで各人が開発に携わってきました。そして、それだけの自信が持てるファインダーになっていると確信しています。まるで光学式ビューファインダーをのぞいているかのような自然な“見え”、電子式ビューファインダーならではの“便利さ“、これらをぜひ体感して下さい。

α99の「XGA OLED Tru-Finder」は、光学式ビューファインダーをモデルとして自然な“見え”を追求しつつ、光学式では困難なやわらかなぼけが広がる様子もファインダー上で確認できる。映し出される像は、今まさに撮ろうとしている写真が目の前に現れる感覚だ。「XGA OLED Tru-Finder」は、写真の仕上がりとカメラの情報を確認することで、撮影者とα99との掛け橋となっているのだ。

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αはソニー株式会社の登録商標です。