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製造
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αへの信頼、に応えるために。
αレンズは、ソニーグループの一つ、ソニーイーエムシーエス株式会社・美濃加茂テックを主力工場とするソニーの工場で製造されます。 美濃加茂テックは、αボディやデジタルスチルカメラ・サイバーショット、デジタルビデオカメラの製造も担当。トータルなデジタルイメージング製品の生産拠点として高い品質技術を誇ります。
主な製造工程
【1】構成パーツの確認・部品検査
交換レンズは多くの部品で構成されます。ネジ1本といえど、不具合品の混入を許すわけにはいきません。このため、部品段階で厳しい精度・品質チェックを行います。
- (1) αレンズのさまざまな部品
- すべての部品・部品群について、厳しい検査を実施します。 特定部品では、さらにベストな組み合わせを選んで組み合わせ、品質・精度をさらに高めます。
- (2) 真円度測定機
- 鏡筒部品の機構上重要な円筒形状部に対して微細な歪みも厳しくチェックします。
- (3) 三次元測定機
- 突起部・曲線部分のわずかな形状誤差も電子の目が見逃しません。
【2】ユニット組立
1本の交換レンズには、5〜19枚のレンズが数枚毎のユニットとして配置されます。レンズは1枚1枚、微細なホコリや曇りをチェックしながら、わずかなズレ・傾きを精密に調整して、玉枠や鏡筒に組み込まれます。
- (1) レンズ群組立
- 作業者の鋭い視線は、微細なホコリ・キズも見逃しません。
- (2) 光軸調整
- レンズ群の光学性能を調整し、固定します。
- (3) 絞り機構組立
- 7枚または9枚の絞り羽根が1枚1枚絞りユニットに組み込まれます。
- (4) SSM組み込み
- SSMレンズの場合は、超音波モーターとその関連部品が一つずつ丁寧に組み込まれます。
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【3】機構部組立
フォーカシングやズーミングなどの駆動系部品や電装部品も、機構部ごとに製造・チェックします。とくに、動作時のなめらかさを確保するためには、作業者の「総合的な感触」が大切な判断基準です。もちろん、組立後のトルク測定など各種検査機器によるチェックもくり返されます。
- (1) ズーム機構組立
- 内筒と外筒を連結するローラーは、微妙にサイズを変えて用意されています。作業者の鋭い感覚が、機器では及ばない領域で最適サイズを選択します。
- (2) 機構部チェック
- 機構部ごとのチェックは、品質レベルをさらに向上させるために大きな役割を果たします。 特に感触が重要な部品は、ベストな組み合わせを選んで組み合わせ、事前に部品どおしの組み合わせを決めておくことで品質を高めます。
- (3) 電装部品組立
- SSMユニットやIC基板、スイッチ関係を慎重に装着します。
【4】総合組立
熟練作業者によって手際よく丁寧に組み立てられます。光学ユニットはそれぞれの光軸が揃うよう、光軸調整機で高精度に組み合わされます。
- (1) 前部レンズの組込
- 後部鏡筒に前部レンズ群を合体します。
- (2) マウント組立
- 最後に基板やマウントを組み込みます。
- (3) レンズバックの調整
- コリメーターを用いてレンズユニットの位置関係を調整し、固定します。
αレンズを語る
ソニーイーエムシーエス株式会社
美濃加茂テック レンズ部門 技術部 機種リーダー
下嵜 政宣
「αレンズを世界ブランドに」
新機種の量産導入を担当しています。試作品から量産品へ移行する段階で、設計や生産設備、製造の人たちと一緒に、製造工程のすべてを新しく練り上げていく作業です。 この段階で製造上の課題に対し詳細な検討を行い、部品の形状や材質はもちろん構造そのものを設計変更することもあります。
美濃加茂テックの製造ラインは、組立の手順や調整・検査のタイミングもそうですが、生産設備や検査機器などいままで見過ごされていた部分に「改善」を加えています。ソニーが持っている生産技術・品質文化を、交換レンズの製造分野に融合させたわけです。だから、作業がやりやすい、必然的に製品品質が安定していると、自信を持っています。
αレンズは、どんどん進化しています。ソニーならではの新しい提案、レンズ性能…。私も、より安定した品質を確保できる製造システムを組み上げて、αレンズの良さを世界にアピールしたいですね。
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