Case 7動画撮影時のAF設定ガイド(ILCE-7RM2のみ)

カメラに求められるのはオートフォーカスの素早いレスポンスです。レンズ機構を素早く動かし、いかに速くピントを合わせるかが重要です。しかしながら、魅力的なビデオ作品を作るための動画撮影で求められる機能は、静止画撮影とは必ずしも一致しません。

ILCE-7RM2はハイレベルな写真、映像が撮影できるカメラですが、いずれを撮影する場合でも、撮影者の要求に応えるべく、AFの操作感が最適化されています。

障害物が手前を横切っても狙った被写体を追い続ける - AF追従感度

ここでは、被写体の手前を障害物が横切っても、狙った被写体にピントを合わせ続けるためのAF設定を説明します。

これは、女性が森の中で馬を走らせている様子を撮影した映像です。メインの被写体にピントを合わせ続けるために、フォーカスエリアは[中央]に設定しています。カメラをパンしながら被写体を追いかける間、ときどき被写体の手前に木が現れます。

カメラはAFエリア内に出現する新しい被写体にピントを合わせようとするので、不愉快なフォーカス移動が生じてしまいます。手前に木が現れると木にピントが移動し、木が画面から消えると乗馬の女性にピントを合わせます。メインの被写体がAFエリア外にある場合は断続的にピントを見失うリスクもあります。

AF追従感度を[標準]にすれば、メインの被写体にピントが合ったままの映像が撮影できます。

ILCE-7RM2:動画撮影時のAF追従感度(動画)

AF追従感度を[高]にした場合のAFの動作

AFエリア内に木が現れると、カメラは即座に木にピントを合わせます。被写体の動きに合わせてパンしているので、被写体が再度現れたらカメラはピントを合わせ直しますが、被写体と障害物の間の距離が離れすぎている場合など、一時的にピントが迷ってしまうことがあります。

AF追従感度を[標準]にした場合のAFの動作

メインの被写体が障害物にさえぎられても、フォーカスは動きません。メインの被写体がフレーム内に再度現れると、メインの被写体にピントが合ったままです。

ILCE-7RM2は動画撮影時、動きの速い被写体を撮影する場合や、障害物があったり、人混みでピントが迷いやすいシーンなどの異なる状況に応じて、被写体へのAF追従感度を最適に設定できます。

次の項目で説明していますが、AF駆動速度も設定できます。AF追従感度とAF駆動速度を組み合わせれば、撮影する被写体やシーンに応じて最適な設定にカスタマイズできます。

動画撮影時のフォーカスロック

動画撮影時のフォーカスロックは選択中のフォーカスエリアで機能します。シャッター半押しの間中、ロックし続けます。レンズのフォーカスホールドボタンでもフォーカスロックできます。カスタムキー設定で、レンズのフォーカスホールドボタンに希望の機能を割り当てることができます。

フォーカス移動で印象的な効果を出す - AF駆動速度

シーンに応じてAF駆動速度を設定すれば、違った印象の映像を創り上げることができます。

風光明媚な風景や人物を、ゆっくり長めにパンしながら撮影するときなどは、ゆっくりしたなめらかなフォーカス移動が理想です。このようなシーンでフォーカス移動が速いと、見ていて落ち着かない映像になってしまい、ゆったりした気分で楽しめません。[低速]に設定すれば、見ている人に意識させない自然なフォーカス移動が可能です。

魅力的なフォーカス移動をするには高い技術が必要です。プロの撮影現場では、フォーカスプラーと呼ばれる専門職がその役割を担っています。

逆に、スポーツの撮影など、機動性に富む被写体の撮影を行うときには素早くピントを合わせたいので[高速]に設定するのがおすすめです。

ILCE-7RM2:動画撮影時のAF駆動速度(動画)