撮影する写真・動画を思いどおりの雰囲気に仕上げてカメラをより楽しむために、クリエイティブルックを使ってみましょう。クリエイティブルックを使いこなせば表現の幅が大きく広がります。
クリエイティブスタイルが搭載されているカメラもあります。
クリエイティブルックとクリエイティブスタイルのどちらが搭載されているかはお使いのカメラの取扱説明書またはヘルプガイドをご確認ください。
クリエイティブルックとは?
『ルック』とは映像用語で、色味やシャープネス、明るさなどの多彩な要素から醸し出される、映像(動画・静止画)の見た目、印象をあらわす言葉です。
映像は色合い、色の濃さ、明るさ、コントラスト、シャープさなどのさまざまな要素から構成されています。これらの組み合わせを変えることで、同じ被写体でも印象を変えることが可能です。さまざまな要素を撮影者の意図に合わせて最適にバランスさせ、イメージどおりの画像に仕上げることを『画作り』といいます。
クリエイティブルックはカメラにプリセットされている10種類の個性的なルックです。「FL」「VV」などのモードを表現テーマやシーンに合わせて選ぶだけで『画作り』が簡単にできるので、表現の自由度が大きく広がります。さらに、プリセットのモードをベースにカスタマイズしてオリジナルの『画作り』も楽しめる、こだわりの機能です。
クリエイティブルックは写真・動画の区別なく使えるので、ひとつのテーマで統一された世界観を表現し、撮ってすぐにSNSにアップロードしたい方にもおすすめです。
クリエイティブルックの種類
クリエイティブルックの種類と特徴を紹介します。ここでは4種類のモードの作例を取り上げます。実際の撮影ではカメラの液晶モニターやファインダーでライブビューを確認し、撮影する被写体やシーン、仕上げたいイメージに合わせてお選びください。
FL
落ち着いた発色と印象的な空や緑の色味に、メリハリのあるコントラストを加えることで雰囲気のある画像に仕上げます。空、海、山などの自然風景や、青空を背景にした被写体にも適します。
IN
コントラストと彩度を抑えたマットな質感になります。シックな雰囲気や、重厚なイメージを表現したいときなどにおすすめです。
SH
透明感・柔らかさ・鮮やかさを持つ明るい雰囲気の仕上がりになります。ふんわりと優しい雰囲気を醸し出したいときなどにおすすめです。
VV2
明るく色鮮やかな発色で、明瞭度の高い画像に仕上げます。色鮮やかな被写体やカラフルなシーンをより印象的に表現したいときはもちろんのこと、ハイキーで色が浅く感じられるときや、曇りなど被写体の色が沈みがちなときなどでも、色をより鮮やかに表現することができます。
このほか「SE」はセピア、「BW」は白黒のモードです。モノトーンで映し出された世界もお楽しみいただけます。
クリエイティブルックのカスタマイズ
選択したモードをベースに、コントラスト、ハイライト、シャドウ、フェード、彩度、シャープネス、シャープネスレンジ、明瞭度を微調整できます。気に入った画作りができたらカスタムルックとして登録しておくと、使いたいときにすぐ呼び出せます。また、カスタムルックを使えば、同じモードでも微妙に設定を変えて登録できるので、お気に入りのモードにバリエーションを持たせたり、シーンに合わせた使い分けが可能です。
ピクチャープロファイルとの違い
ピクチャープロファイルは、階調(明暗のトーン)や発色など、映像の特徴を決めるパラメーターを調整、変更するメニューです。基本的には動画撮影で使います。本格的な調整項目を持ち、ガンマカーブや色、ディテールなどのさまざまな項目を変更できます。
撮影後のパソコンでのグレーディング作業で細やかに調整しながらイメージを仕上げることができ、本格的に映像制作に取り組んでいる方におすすめです。
ピクチャープロファイル機能を持つカメラにはお買い上げ時の設定でいくつかのプリセットが用意されていて、S-Logもピクチャープロファイルのひとつとしてプリセットされています。ピクチャープロファイルとS-Logについて詳しくは以下のページをご覧ください。
クリエイターズヘルプガイド
S-Logで撮影してグレーディングする
クリエイティブルックとピクチャープロファイルはどちらも映像の色味や質感を調整するための機能ですが、違いを簡単にまとめると以下のようになります。
クリエイティブルック
- 動画、静止画両方で気軽に設定できる。
- 専門知識は不要で、直感的に画作りが楽しめるので初心者の方にもおすすめの機能。
ピクチャープロファイル
- 基本的には動画用の機能。(静止画にも設定は可能。)
- ガンマカーブやカラーモードなどの専門知識が必要で、撮影後のグレーディングなどの作業が必要。
- S-Logを搭載する業務用ビデオカメラなどとの親和性が高く、他の機種の映像と質感を統一したり、フィルム映画のような質感を表現したりすることが可能。