Cyber-shotG1 開発者インタビュー 「撮る」から「撮って、見る」そして、「つなげる」へ。デジタルフォトコミュニケーションを実現する、新機軸デジタルスチルカメラ「サイバーショットG1」
ユニークなコンセプトと機能を満載したサイバーショットG1。誕生の裏にある、ソニーの技術者たちの熱い思いをG1開発チームメンバーが語ります。
「撮る」から「撮って、見る」へ DSC-G1の液晶画面の美しさはPCからの発想 デジタルスチルカメラの中で「思い出」をたどる 「手持ち夜景モード」誕生の背景 写真を共有するという考え方 開発者プロフィール
01:「撮る」から「撮って、見る」へ
まず、開発のコンセプトをお聞かせください
合田大輔氏(以下、合田): 現在、デジタルスチルカメラ業界は成熟期を迎えており、買い替えや、買い増しをされる方々が非常に多くなっています。デジタルスチルカメラを既にお持ちのユーザーのみなさんにとって、買い替えや買い増しのきっかけは何か?調査をしてみると、これまでは画素数などのスペックがポイントでした。でも、スペックだけでは、いずれ飽和が訪れ、ユーザーのみなさんにご満足いただけなくなるときがくる。それなら、これまでのデジタルスチルカメラとまったく異なるコンセプトを持った商品を出せないだろうか。そんな考えから生まれたのが、DSC-G1です。このG1は、楽しんでいただきたいという“思い”がたくさん詰まったモデルです。
その“思い”、ユーザーはどういった形で受け止められますか?
合田:  デジタルスチルカメラが登場したてのころって、新しいモノに敏感な方々がまず購入されましたよね。その後、急速に普及して、今では誰もが楽しめるものになりました。家族写真を撮るのも、いまやフイルムではなく、デジタルスチルカメラです。広く普及することはすばらしいことですが、デジタルスチルカメラが登場したてのころの、ときめきというのでしょうかね。ガジェット好きの心をくすぐるような驚きが減ってきてしまっているのでは、と思います。DSC-G1は、そんなガジェット好きの方にはたまらない機能をたくさん搭載しています。
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これまでのデジタルスチルカメラと、DSC-G1とのコンセプトの違いを教えてください。
安形顕一氏(以下、安形):  これまでデジタルスチルカメラというと「撮る」ことが主軸でした。ここで、音楽の楽しみ方の歴史を思い出してみてください。はじめはCDを買ってCDウォークマンで聞いたり、カセットテープやMDに編集して、欲しい曲だけを聴いたりしていたと思います。その後HDDやフラッシュメモリーを搭載したミュージックプレイヤーが増えてきて、自分で持っている曲をすべて持ち歩き、そこから選んで聴くようになった――こういう流れがありますよね。写真の楽しみ方も変わってくると思うのです。自分が持っている写真をすべて持ち歩いて、きれいな液晶画面でいつでも見たいとお考えの方も多いのではないでしょうか。私たちはデジタルスチルカメラを、「撮る道具」としてのみ使うのではなく、撮った後にその場で楽しく見るとか、たくさんある写真をすばやく検索するとか、そういった今までにない新しい「写真を楽しむ道具」としてご提案したかったのです。
それは、PCの技術に近いですね。
安形: その通りです。PCの普及率はデジタルスチルカメラ同様、たいへん高いですよね。デジタルスチルカメラで撮影した写真をPCに取り込んでいる方も多いと思います。そういう方々に向けて、「デジタルスチルカメラ×PC」でもっと何か楽しいことができないか? そう考え、開発チームが一丸となって作り上げたのが今回のサイバーショットDSC-G1なのです。
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PCに写真をいれているけど、整理できていない方も多いですよね。
安形: そうかもしれません。私もPCに取り込んだデジタルスチルカメラの写真を数えたら7,200枚もありました。子供の写真がほとんどなのですが、いま、DSC-G1にすべて入れています。自分で言うのも何ですが、これが、本当に楽しいんですよ(笑)。検索も簡単にできますから、目的の写真をすぐ探し出せます。DSC-G1がきっかけで、自分が持っている写真を全部持ち歩いて、いつでも好きなように楽しむという文化ができたらいいなと願っています。
interview
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Developer
中川 典明: [後列左]無線/DLNA技術担当、児嶋 環: [後列中]お任せ管理、画像解析検索技術担当、中川 雅朗: [後列右]LCD開発担当、グラフィック技術担当、合田 大輔: [前列左]G1企画担当、安形 顕一: [前列右]G1設計プロジェクトリーダー