ZX2 Project Member’s Voice 世代を重ねることで進化した、 軸のあるプレミアムサウンド
モバイルオーディオの世界に新風を吹き込んだNW-ZX1を超え、新たなフラッグシップになったウォークマン「NW-ZX2」。ひとえに高音質を追求し、困難な自己革新に挑んだ開発メンバーに、飛躍的な進化を遂げた秘訣や、エンジニアとしてのこだわりをじっくりと聞いた。
NW-ZX2をストレスなく楽しめるように。UXから逆算してプログラミング
原田 紀[ソフト設計]
これまでは、本体内蔵メモリー領域を、AndroidでいうSDカード領域として捉えていました。なので、今回SDカードスロットを搭載したことで、ソフトウェアからは複数ストレージが見えるようなイメージになるんですね。そこをうまくシームレスに扱えるよう、OSの力を借りつつアプリ上で工夫する必要がありました。
たとえば「W.ミュージック」や「ビデオプレーヤー」といったアプリでは、SDカードのコンテンツと本体内蔵メモリーのコンテンツが、分け隔てなく一律に見えるような対応をしています。あと逆に、SDカードのコンテンツだけ見たいという場合には、ちゃんと分けて表示することが可能です。
原田 紀[ソフト設計]
はい、NW-ZX1をリリースした直後に「画面の背景が白だと夜はピカーッと光って明るすぎる」というお客さまの声がありました。というのも、「W.ミュージック」の再生画面自体は黒ベースで、ジャケット写真の色を取りこみながら変化するのですが、そこに遷移するまでは全部白背景だったんです。
この部分は現状仕様ではあったのですが「お客さまの声に応えて、機能を追加するべきだ!」と思い、黒背景にできるようすぐに検討を始め、改良作業を個人的に内職のような感じで続けていました。そしてNW-ZX2開発のときに、商品企画からの明確なオーダーとしてはなかったのですが、こっそり入れちゃいまして(笑)。こういう細かいところも、ユーザーカスタマイズ性という点でとても大事ですからね。
原田 紀[ソフト設計]
ご購入直後のおもてなしとして、NW-ZX2の特徴や高音質リスニングの楽しみ方を紹介するガイダンスのようなアプリですね。「OS-CON」などの部品や回路についても写真と文章で説明しているので、ご一読いただけるとNW-ZX2のいい音をより楽しめると思います。
田中 光謙[商品企画]
「OS-CON」はエージングしないと本来の特性が出ないのですが、このアプリではそういった点にもふれています。エージング前後の音の変化と、そのプロセスをユーザーの方に楽しんでいただければと思います。
※ エージングは、NW-ZX2本体に搭載の「OS-CON」に関してのみ効果を確認しています
原田 紀[ソフト設計]
画面オフで聴いているときはムダなものはなるべくオフにして、音楽再生に必要なものだけに絞って動かすようにしています。これはNW-ZX1はもちろん、それ以前のモデルからずっと配慮していることです。
原田 紀[ソフト設計]
NW-ZX1の30ステップに対して「ココとココの間の音量が欲しい」というご要望が多々あったので、今回のNW-ZX2は60ステップに増やしました。アナログのポータブルヘッドホンアンプと組み合わせているお客さまにも喜んでいただけると思います。60段階でボリューム調節できたほうが当然便利なので。
ウォークマンZXシリーズ
NW-ZX2
磨き抜かれた、高音質技術の結晶