子どもたちの競技では、日頃見せる事のない真剣な表情を、そしてがんばりをみせてくれます。またプロフェッショナル競技では鍛え上げられた技を余すところなく見せてくれます。撮影者としてはそれらアスリートの表現を撮り逃す手はありません。真剣な表現に真剣な写真表現でお返しをする。これぞ撮影者冥利(みょうり)につきるというものではないでしょうか。お互いに失敗しても次に活かす。感動を分かち合う。表現者同士の真剣勝負がここにあります。自分ではあんなに早く走れない、あんなに高く飛べない。しかし競技者は競技する自分を奇麗に、そしてカッコ良く撮る事はできないのです。
スポーツ写真においての良い写真というのは、その1枚ですべてを表現している写真、人々の感動を呼び起こす写真、試合内容は全く覚えていないのに「その写真」だけは良く覚えている写真だったりします。アスリートによって記録がつくられるように、撮影者によって記憶はつくられるのです。記憶に残る写真を目指してみましょう。
ただそれだけが良い写真かといえばそうでなく、その撮影者にしか撮れない1枚も大切な良い写真だったりします。ピントがずれていたり、ブレていたり、露出が間違っていたとしても「良い写真」なのです。何かにとらわれる事なく、臆する事なく、すてきな1枚を残してください。 |