緊迫した空気の漂う競技場。青い空、緑の芝、暮れなずむ夕景、朝日のサーキット場。躍動するアスリートや真剣な表情の他にも、それをとりまく情景もまた心ひかれるものがあります。ライブでしか味わえない感情を残す。そこにその時間にいなければ写す事ができない情景ばかりです。競技している写真だけがスポーツ写真ではありません。お目当ての選手や子どもを追いかけるあまり見落としてしまいがちな情景にも注目してみてください。あなたにしか撮れない1枚がきっとそこにはあります。望遠レンズだけでは見つける事のできない写真も撮ってみてください。
手持ちレンズが望遠も広角もなく、標準系の1本だったとしても、あなたの1枚はあなたにしか撮れないのです。そこに青い空があるように、雲が造形をつくっているように、あなたの気持ちがそこになければ絵は産まれません。まっすぐ撮らなくても、露出が適正と呼ばれるものでなくても、実際にそこにいるのはあなたです。あなたの1枚をあなたが見たまま、心の感じたままにシャッターを切ってみてはどうでしょうか。
また同じ場所に同じ季節に同じ時間に行ったとしても「今」の1枚は2度と撮る事はできないのですから。 |