今では一眼レフシステムで当然のようになった
フラッシュを自動的にコントロールするシステムもαから始まったものが多々あります。
特に外付けフラッシュをカメラでコントロールする仕組みや、プロがマニュアルモードでの撮影でしか出来なかった
多灯フラッシュによる照明比を変えてのフラッシュ撮影など、
誰もが簡単に出来るようにしたのがαなのです。
αは使用するレンズの焦点距離を電気信号によって知ることができるので、フラッシュの照射角をそれに応じて変更することが出来ます。広角レンズでは周辺まで光が行き渡るように広い照射角で、望遠では照射角を絞って発光量を増し効率的に撮影することが出来ます。
逆光での撮影にフラッシュを使うことで人物を綺麗に再現させる日中シンクロ撮影は、それまで限られたプロだけのテクニックでした。α-7000はこの日中シンクロまでもを自動化、フラッシュ撮影寸前の明るさでシャッター速度と絞り値を、背景が明るくなり過ぎず、かつ逆光の雰囲気を残すような値に決定、実際の撮影では被写体がフラッシュ光と定常光の両方によってオーバーになってしまわないよう微妙にコントロールすることで、逆光らしくかつ、被写体には十分にフラッシュ光があたり綺麗に再現される日中シンクロ撮影を可能にしました。
(1)逆光時は被写体がアンダーに (2)通常のフラッシュはオーバーに (3)オートフィルインで適正に
日中シンクロ撮影やスローシンクロ撮影のように、被写体に当たっている定常光の量が無視できなくなるようなフラッシュ撮影では、通常のフラッシュ制御ではフラッシュ発光後に露光される定常光のために露光オーバーとなってしまいます。このような場合はフラッシュの発光量(調光レベル)をコントロールすることが必要であり、αは通常の露出補正と同様に初めてフラッシュ光の発光量(調光レベル)を可変にしました。これを自動化したオートフィルインフラッシュ、スローシンクロ機能も搭載しています。
スタジオでの人物撮影では2灯以上のフラッシュを使い、それぞれのフラッシュの光量を異ならせることで、立体感のある人物写真を再現します。α-7000、α-9000ではコントロールグリップを用いてフラッシュを2灯使った場合に、コントロールグリップに付けられたフラッシュを発光、ついでカメラに直接取り付けたフラッシュで残りの光量不足分をコントロールするという、フラッシュ発光をシリアルにコントロールすることで、2灯のフラッシュ光量を独立してダイレクト測光コントロールする技術を達成しました。グリップ側の主フラッシュとカメラ側の補助フラッシュの光量を2:1にコントロールして自動的に立体感のあるフラッシュ多灯撮影が簡単に行えます。
(1)フラッシュID信号 (2)スタート信号 (3)発光停止信号 (4)フラッシュ間欠発光
それまで困難だった、オートフラッシュでのワイヤレス化を、フラッシュを内蔵したα-7xiでは、高速間欠発光可能な外付けフラッシュとの組み合わせで達成、その後のワイヤレスフラッシュシステム発展の起点となりました。撮影時、最初にカメラ側のフラッシュを、極少光量のパルス発光させることで、外付けフラッシュの発光開始信号を出します。この信号を受けたフラッシュは発光を開始しますが、いつでも発光終了信号を受けられるよう、1回で発光を終えるのではなく、パルス状の発光を繰り返し、発光の合間にはカメラからの信号を待ち続けるのです。カメラのダイレクト測光によって適正な露光になると、カメラ側のフラッシュは発光終了信号をパルス発光として外付けフラッシュに送り、その信号を受けた外付けフラッシュは発光を止めると言った、高度な技術です。カメラ側フラッシュを補助光用フラッシュとして使うことも可能ですし、さらにそれぞれのフラッシュの光量比を変えてのツインライトコントロールも可能な優れものです。
コニカミノルタはカメラ事業を2006年3月31日に終了しました。