1960年代の登場以来、ロボットはさまざまな機能を獲得しながら、主に工場などの生産現場で働く産業用ロボットとして進化を遂げてきました。その過程で、ロボットを専門に研究する学問として「ロボット工学(Robotics)」が誕生しています。機械、電子、制御、情報、計算機、材料といった幅広い分野に関連する学問で、これによってロボットの研究が世界中に広がりました。
■ロボットの進化 |
写真提供:川崎重工業 |
世代 |
主な能力 |
特徴 |
第1世代
(1960年代) |
繰り返し作業 |
あらかじめ設定された通りの動きを繰り返し行う。 |
第2世代
(1970年代) |
感覚と適応能力 |
センサーによる目などの感覚機能を持ち、対象物や環境の違いを判断。作業内容を修正することが可能。 |
第3世代
(1980年代) |
学習と認識能力 |
センサーなどの感覚に加え、作業経験の学習機能を備え、次の行動に反映することが可能。人間や他のロボットを認識し協調して作業できる。 |
■ロボットの分類 |
分類 |
主な用途 |
種類 |
産業用ロボット |
生産現場での人間の労働の代行 |
溶接ロボット、組み立てロボット、運搬ロボットなど |
極限環境ロボット |
過酷な環境で活動する |
深海・宇宙ロボット、レスキューロボット、地雷除去ロボットなど |
サービスロボット |
人間と共存しサービスを提供 |
医療・福祉ロボット、掃除・セキュリティロボットなど |
1990年代に入ると、それまで中心だった工場などの生産現場から、ロボットはより一層身近な存在へと進化を遂げました。回転寿司でお馴染みの寿司ロボットや、病院で働く医療・介護ロボット、工事現場で働く交通誘導ロボット、オフィスで働く掃除・セキュリティロボットなどです。生産現場での労働の代行から、人間と共存しサービスを提供するロボットへと、新たな進化が始まりました。
そして、21世紀を目前にした1990年代の終わりに、人間といっしょに暮らすという、まったく新しいロボット文化を持ったエンターテインメントロボットが登場しました。それが「AIBO」です。AIBOは、感覚・適応・学習・認識といった従来のロボットの機能に加え、感情を持ち、自分で考え行動する、自律行動型ロボットです。何か命令を伝えなくても、自分で行動を起こし、人間といっしょに暮らすことができる……。そんな、みんなの“夢”を実現した最先端のロボットなのです。
この「about AIBO」のコーナーでは、進化を遂げたロボットであるエンターテインメントロボットであるAIBOの魅力を、さまざまな角度から掘りさげて、あますことなくお伝えして行きます! |