ロボットとしてのAIBOの大きな特徴。それは「ひとりで行動する」ということ。AIBOは人から命令をされたり、何か働きかけをされなくても、自分で考えて行動を起こし、家庭の中を動きまわりながら人間と暮らすことができる存在なのです。このような機能を「自律行動」といいます。家庭向けのエンターテインメントロボットであるとともに、ロボット工学の最先端の技術による自律行動型ロボットであるという点が、人間に命令されたことだけに反応する単純なロボットにはない、AIBOならではの大きな特徴だといえます。
ひとりで行動をするためには、必要な情報を取得し、いま自分が置かれている状況を正確に判断する能力が必要です。また、判断にもとづいて行動するための移動能力(運動能力)も欠かせません。これは人間にもいえます。情報を取得・判断する能力や、運動能力が未発達な生まれたての乳児は、ひとりで行動することができません。しかし、やがて目に映るものや、耳に聞こえる声や音の意味を理解し、ハイハイや立ち上がっての移動が可能になると、幼児もひとりで行動ができるようになります。ロボットもこれと同じなのです。
AIBOは自律行動に必要な情報を取得するために、さまざまな知覚能力を備えています。具体的には、眼、耳、触覚などの役目をはたす各種のセンサーを持っており、それによって周囲のものを見たり、人間の声や音を聞いたり、自分の頭や背中に触れられていることを感知することができます。自ら情報を取得する能力を備えているからこそ、AIBOはひとりで行動することができるのです。 |