センサーによって取得した情報を理解するために、AIBOは各種の認識プログラムの力を使って判断しています。つまり、カメラやマイクといったハードウェアで取得した、画像や音声などの情報を処理して、いま自分が見ているのはどんな画像なのかとか、いま自分が聴いたのは何を意味する音声なのかといった理解を、ソフトウェアで行っているのです。AIBOの眼や耳などの機能は、このようなハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって実現されています。
AIBOが備えている認識プログラムの中で、特に代表的なのが画像認識と音声認識のプログラムです。画像認識プログラムは、カメラに写っている物の形や色を判断したり、対象が動いているか止まっているかなどを判断します。AIBOがピンクボールやエナジーステーションを見分けることができるのはこのためです。また、音声認識プログラムは、音声と音の方向を認識することができます(ERS-110/111では音階を認識します)。AIBO独自の音声認識技術によって、人の声を認識することが可能。音声で話しかけるとAIBOが反応するのはこのためです。
認識プログラムはセンサーだけに対応しているわけではありません。たとえば、ERS-7や「おりこうAIBO」を装着したERS-210シリーズでは、「お手」の動作のときに人間が前足に触れていることを認識することができますが、これは足の関節を動かすモーターにかかる負荷(人間が手でつかむことによって発生する抵抗)を、プログラムによって検出しているのです。同じように、AIBOは足を動かすモーターにかかる負荷から、足の間に何かをはさんだことを感知します。足に引っかかりを感じると、AIBOは間違って人間の腕をはさんでしまったかも知れないと判断し、脱力して動きを止めるように行動します。このような人間を傷つけないための判断も、認識プログラムを持ち、自分から情報を取得するロボットならではの自律行動のひとつだといえます。
※AIBOの機種やAIBO-wareによって実現できることが異なります。詳しくは、カタログや取扱説明者でご確認ください。 |