AIBOは、眼・耳・触覚などのセンサーをはじめ、十数個の関節を動かすアクチュエーター(筋肉に相当するモーター)、活動に必要なエネルギーを供給する電源など、自律ロボットに必要なハードウェアをすべて備えています。また、センサーを使って取得した情報を認識・判断するプログラムや、体験したことを学び個性を育むための学習・成長プログラム、自律行動の源となる本能・感情プログラムなどを内包したソフトウェア(AIBO-ware)で動きます。
実際に自律行動を行うとき、AIBOはボディの各部に内蔵されたセンサーを働かせて、必要な情報を収集します。眼(視覚)の機能を受け持っているのが、カラーカメラと赤外線による距離センサーです。また、耳(聴覚)の機能を担っているのがステレオマイク。触覚の機能は頭・アゴ・背中などのタッチセンサーと、足の裏にある肉球センサーで実現。さらに、体内に内蔵された加速度センサーによって平衡感覚を実現しています。これらのセンサーは人間でいうところの感覚に相当するものです。
センサーから入力される情報をリアルタイムで処理しながら、AIBOは自分をとり巻く世界(環境)を知覚し、理解します。あなたがいる部屋の風景や物音を、AIBOもまた見たり聴いたりしているのです。こうして、AIBOなりの方法で認識した世界に対して、アクチュエーターを動かすことで一歩を踏み出します。このように、AIBOの自律行動はセンサーによる知覚が起点となりスタートします。自分が置かれている世界を知覚し、目の前に広がる状況を理解する能力があるからこそ、AIBOは本能や感情にもとづいて行動したり、コミュニケーションをしたりすることができるわけです。
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