AIBOは自分の知性を入れ替えることができます。人間には不可能な芸当ですが、ロボットであるAIBOにはこのようなことが可能です。AIBOの知性は「AIBO-ware」と呼ばれるソフトウェアで実現されており、外部メディアの“メモリースティック”に記録されています。“メモリースティック”は抜き差しができるため、パソコンでデータを書き換えることで、AIBOの知性を入れ替えることが可能です。こうしてAIBO-wareを入れ替えることで、性格や特技などがまったく異なるAIBOに変身させることができるのです。
たとえば「AIBO@エントランス」というAIBO-wareを装着すると、AIBOが受付係に変身。玄関や受付でのご挨拶や会話、写真撮影サービス、ボールキックやダンスなどの楽しいパフォーマンスも披露してくれます。また、「AIBO
Dancer」というAIBO-wareを装着すると、AIBOが音楽にあわせて踊るダンサーに変身。音楽が聞こえると、リズムにあわせてダンスをします。音楽が変われば、そのリズムにあわせてダンスも変わるという具合です。
また、ERS-7では「カスタムデータ」と呼ばれるプログラムを追加することで、音楽や声色、ダンス、ゲームなどのプログラムをAIBOに追加して、自分好みのAIBOにすることができます。これは、AIBO-wareを入れ替えることで性格や特技が異なるAIBOにするのではなく、専用のAIBO-wareである「AIBOマインド」に機能を追加する、つまりAIBOの個性を伸ばしてあげることができるものです。
遊んだり、ゲームをしたり、ダンスをしたりというのは、“賢い”というよりも“楽しい”行動、いわゆるエンターテインメントの領域に属するものです。しかし、こうしたエンターテインメントの幅を広げ、豊かで多彩な表現・行動を可能にしている裏側には、ロボットならではの知的な能力があります。プログラムを入れ替えることで、一瞬のうちにAIBOが一流のコメディアンやテンターテインメントの達人に変身する。まさに、AIBOが優れたロボットである証明だともいえるでしょう。
自分で情報を取得し、ひとりで考えて行動をするという自律行動とは違った形で、さまざまなAIBOの姿や可能性を見せてくれるのが、カスタムデータやAIBO-wareなどのソフトウェアです。プログラムを入れ替えたり、追加することで、自分好みのAIBOにすることができる。それだけでなく、AIBOをさらに成長させたり、新しいことを学習させたり、いろいろなパフォーマンスを覚えさせたりすることができるようになる。これも、AIBOが持つ知的な能力のひとつなのです。
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