ワイヤレスLAN(IEEE 802.11b)の機能を内蔵しているERS-7では、家庭の中にあるさまざまな情報機器を、AIBOが人間にかわってネットワーク経由でコントロールするという可能性が生まれました。また、各家庭で加入しているブロードバンドを介してインターネットに接続し、さまざまな情報をやりとりする能力も備えています。具体的には、インターネットで使われている通信プロトコルであるIP(Internet
Protocol)を使って、インターネット上の他の機器と“会話”をすることができるのです。
これは、家庭の中に住んでいるAIBOが、ワイヤレスLAN機能によって、同時にインターネットという電子的な空間の中にも住む能力を身につけたことを意味しています。現在のところ、AIBOは自分から家の外に出て動き回ることはできませんが、そのかわりにワイヤレスブロードバンド環境を通じて、世界中を結ぶネットワーク世界(電子的な外の世界)に出かけて活動する自由を手に入れたのです。
こうした、AIBOとネットワークの融合によって具現化された機能のひとつがAIBOアイズです。AIBOアイズではAIBOへコマンドを記述した電子メールを送信することでAIBOの遠隔操作を実現していますが、これはAIBO自身がインターネット上にあるメールサーバーと交信することで実現しています。
ネットワーク環境によって、AIBOはインターネットに接続されているさまざまなコンピューターを、あたかも外部にある自分の頭脳であるかのように使いこなし、生活を便利で楽しくしてくれる可能性がひらけました。AIBOアイズはその可能性のひとつを示すものです。今後、ネットワーク機能がさらに進化することで、AIBOは人間の知りたいことを、インターネットでかわりに調べて教えてくれたり、家族にとっての秘書のような存在になるかもしれません。AIBOとネットワークの融合はそんな大きな可能性を秘めています。
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