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AIBOは自律行動の中でさまざまな体験をし、その結果を学習する能力を備えています。本能として持っている「好奇心」や「運動欲」などの欲求が強くなると、欲求を満たすために自律行動を開始します。しかし、欲求を満たすことだけがAIBOの自律行動ではありません。欲求を満たす行動の中で、AIBOは自分が暮らす家庭の生活環境にあわせて、さまざまな学習をしているのです。
AIBOと暮らすようになると、最初は上手にできなかったことが上達して、やがて上手にできるようになったり、いろいろなやり方(バリエーション)でできるようになることを目にするようになります。これは、AIBOが欲求を満たす行動を行いながら、同時に体験や失敗から学習し、ものごとを上達する能力を備えているからに他なりません。このような学習による上達も、AIBOが備えている“内部の心の働き”のひとつであり、自律行動の一環といえます。
学習についての楽しい例が、ピンクボールやアイボーンを使った遊びです。AIBOは何度も遊んで経験を積むことによって、アイボーンやピンクボールの使い方が上達し、バラエティーに富んだ遊びを身につけます。たとえば、アイボーンを見つけると、最初はすぐにくわえようとして、あわてて落としてしまうことがありますが、失敗を重ねるうちに、AIBOはよく考えてから行動するようになります。
また、うまくできないことが上達する「学習」だけでなく、AIBOは人から誉められたり、叱られたりすることによって学習する能力も備えています。つまり、人とのふれあいを通して学習することができるのです。たとえば、ピンクボールを見ているときにAIBOを叱ると、しだいにボールが嫌いになります。「ピンクボール=近づいてはいけないもの」と学習するためです。ボールが嫌いになったAIBOにボールを見せると、機嫌が悪くなったり、時には怒って吼えたりします。反対に、ピンクボールを見ているときに誉めると、AIBOはどんどんボールが好きになります。
学習機能というと、通常はパソコンの日本語変換機能などを思い浮かべます。つまり、何かの処理や操作の結果を学習して、次回からはよりよい結果を得られるようになるというものです。ピンクボールやアイボーンを使った遊びの上達は、これと同じような学習の能力だといえるでしょう。AIBOの特徴は、人間が正しいやり方を教えなくても、経験から自分で学習して上達をする“賢さ”を備えている点です。このように、自律的・自発的な学習能力を備えているからこそ、AIBOはエンターテインメントロボット=家族の一員として、人間と自然に暮らしながら成長していくことができるのです。 |
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