鉄道や列車には色んな魅力が詰まっています。『鉄道の魅力を自分のカメラに収めたい』という方に向けて、ここでは走る列車の基本的な撮り方やアドバイスを紹介していきます。 撮影モードはSモードに設定し、シャッター速度を優先しましょう。シャッター速度を速めに設定することで、動く列車をブレずに撮ることができます。
鉄道写真と一口に言っても様々な被写体や撮り方がありますが、まずは走っている列車の撮影にチャレンジしてみましょう。
線路を走る列車を撮るには、まずは撮影ができる場所を探しましょう。鉄道の撮影では日本の各地に有名な撮影スポットがありますが、まずは近くの通いやすい場所を探して練習しましょう。見通しが良く、障害物が少ない場所が理想です。
また、線路の周りには私有地や立入り禁止区域も多いため、撮影の際は周囲の迷惑にならないような場所や時間帯を選ぶように気を付けましょう。
撮影のイメージが湧いたら機材の準備をしましょう。走っている列車の撮影には様々な方法がありますが、ここでは、三脚を使ってじっくり確実に撮影する方法を説明します。
レンズは広角から望遠まで備えた「高倍率ズームレンズ」があると便利です。列車の撮影では、被写体までの距離や画角に制限があることが多く、高倍率ズームレンズがあれば自在に列車の大きさを調整することができるためです。また、ズームを使うことで前を遮る建物や架線柱を省く事ができるのも大きなメリットになります。高倍率ズームレンズが無くても、まずは標準ズームレンズを付けて画角を調整できるようにしておきましょう。
速いスピードで走ってくる列車の一瞬を止めて綺麗に写すには、シャッター速度とピントが重要です。撮影モードはSモードに設定し、十分なシャッター速度を確保しましょう。シャッター速度の目安は天気や時間帯、列車までの距離などによりますが、日中であれば十分な光量があるため、1/800[秒]以上を目安に設定してみましょう。
ドライブモードは連続撮影に設定をします。もし連続撮影に複数の設定があるカメラをお持ちの場合は、なるべく連写速度が速い設定を選びましょう。一度の撮影チャンスでより多くの写真が撮れるため、理想の写真が撮れる確率が上がります。
フォーカスモードはマニュアルフォーカス(MF)に設定します。鉄道撮影の場合はあらかじめ被写体が通る場所を予測できるため、MFでその地点に前もってピントを合わせておく「置きピン」と呼ばれる方法を使います。ピントの位置はピント拡大機能を使い、線路や敷石を拡大しながら合わせます。そこに列車が差しかかった際にシャッターを切れば、自動的に列車にピントが合った写真となります。
また、ピントを合わせは三脚にカメラをしっかり固定し、撮りたい構図を決めた上で行いましょう。三脚やレンズを動かすとせっかく合わせたピントの位置が変わってしまうためです。
この方法を使って事前に設定を済ませておけば、あとは本番でシャッターを切るタイミングのみに専念できます。
もし三脚が使えないシーンや、旅行などで三脚をお持ちでない場合は、次の「実際に撮ってみよう」中にある「手持ちで撮影する場合」に記載の方法をお試しください。
余裕があれば、露出にもこだわってみましょう。背景に空が入る場合や逆光の場合、そちらに引かれて列車そのものが暗く写ってしまうことがあります。その場合は露出補正をプラスに設定しておきましょう。多くの場合は+0.3~0.7程度が多いですが、天気や時間帯、構図、カメラの設定によって変わってきます。撮影チャンスが一度しかない場合は、黒く潰れそうな部分や白く飛びそうな部分だけに明るさの補正をかけてくれるDレンジオプティマイザー(DRO)に頼るのもよいかもしれません。レベルをやや強め(Lv3~5)にしておくと失敗は減りますが、補正の強さは好みによるので、なるべく何度も撮影しながら調整していくことをおすすめします。
カメラの設定が完了すれば、あとは列車が通るのを待つだけです。列車が来るまでの間、カメラがパワーセーブに入らないように気を付けましょう。機材によってはズームやピントの設定が戻ってしまうことがあるためです。設定より『パワーセーブ開始時間』を長めに設定し、列車が通るタイミングに確実にシャッターを切れるようにしておきましょう。また、列車が通るまでの時間が長い場合はバッテリーの残りも意識しておきましょう。
列車が通りかかればいよいよシャッターを切ります。置きピンでピントを合わせたポイント近くに差し掛かったら、シャッターボタンを押し続けて連写をします。シャッターボタンを押してから実際に撮影されるまでにも時間がかかるため、心もち早めにシャッターを切るとよいでしょう。この辺りの感覚は慣れも要りますので、何度か撮影にチャレンジしながら覚えていく必要があります。
連写をした中で、最も構図やピントが合った1枚があれば成功です。上の例では、置きピンをした位置に最も近かった3枚目を成功カットとして残しました。
最後に、手持ちでの撮影について補足をします。
旅行中など三脚が用意できないシーンでは、置きピンは難しいため、ピント合わせをカメラに任せて撮りましょう。フォーカスモードをAF-C(コンティニュアスAF)に設定をすると、動く被写体に自動的にフォーカスを合わせ続けてくれます。
撮影モードとドライブモードについては三脚を使う場合と同様です。列車が現れたらフォーカスポイントを車両の正面など、ピントを合わせたい部分に重ね合わせ、シャッターボタンを押し続けて連写をします。こちらも、その中でピントが合っている1枚が成功カットになります。
背景を流して撮影する「流し撮り」のテクニックはこちら
鉄道の撮影であると便利な機材が高倍率ズームレンズです。広角から望遠までを一本でこなせるので、撮影の際に手前に入ってしまう架線柱や建物をズームで省くことができます。また、望遠レンズを別途持ち運ぶ必要がなくなるため、旅行などなるべく荷物を軽くしたいシーンでも重宝します。
ズームレンズの特徴について詳しくは以下のページをご覧ください。
ズームレンズと単焦点レンズの特徴機種はさまざまですが、NEX-7やα6000(ILCE-6000)で使っていたレンズをα7C(ILCE-7C)やα7III(ILCE-7M3)で使えるか、といった内容のお問い合わせをお客様からいただくことがあります。
ボディ、レンズともに、APS-Cフォーマットと35mmフルサイズがあり、同じEマウントであれば組み合わせてお使いいただくことが可能です。使用時の注意点などについては以下のページをご覧ください。
APS-Cフォーマットのボディまたはレンズと35mmフルサイズのボディまたはレンズを組み合わせて使えるか(α:アルファ:Eマウント)広角24mmから望遠240mmまでを1本でカバーする、FEレンズ初の光学10倍高倍率ズームレンズです。非球面レンズ5枚とEDガラス1枚を採用した光学設計により、レンズの小型化を図りながらも広角24mmを実現。諸収差も良好に補正し、画面周辺まで高い解像力を発揮します。フォーカス駆動にはリニアモーターを採用し、高倍率ズームレンズでありながら高速かつ静粛な動作を実現。さらに、光学式手ブレ補正機能の搭載により、手ブレしやすい望遠撮影や薄暗い場所でもしっかり手ブレを抑えます。また、レンズ外装には防塵・防滴に配慮した設計を採用。旅行や運動会など、これ1本でさまざまな撮影シーンに対応します。
α7シリーズにマッチする、軽量・コンパクトな望遠ズームレンズ。最新の光学技術を採用し、ズーム全域でソニーのGレンズならではのぼけ味や圧倒的な解像力を実現。非球面レンズには、ソニー独自の高度な成型技術を用いた高度非球面 AA(advanced aspherical)レンズを2枚採用。さらに、反射率を大幅低減するソニー独自の「ナノARコーティング」や、スーパーEDガラスなどの先進技術を惜しみなく投入しています。また、9枚羽根構成の円形絞りの採用により、無限遠から近距離まで鮮鋭に描くだけでなく、なめらかで自然なぼけ表現が可能。機能面ではリニアモーターを2個搭載し、高い機動性を実現。使いやすい全域開放F値4固定、ズームやフォーカス時に全長が変わらないほか、フォーカスホールドボタン、フォーカスレンジリミッターなどをレンズ本体に配し、使いやすさにも配慮しています。
600mmまでをカバーする超望遠ズームレンズです。超望遠域での撮影シーンの中でも、特に野鳥や野生動物、航空機、スポーツ、鉄道など、被写体に容易に近づけない動体撮影に最適です。
Eマウント専用レンズで初めてのGレンズ。ED(特殊低分散)ガラス2枚と非球面レンズ3枚の採用により、ズーム全域において高い解像力とコントラストを実現した、“G”の称号にふさわしい高性能中倍率ズームレンズです。広角27mmから中望遠157.5mm(35mm判換算)まで約6倍のズーム域をカバーし、全ての領域で使い勝手の良い開放F値4を実現。さらに電動ズームを搭載し、定速でのスムーズなズームが可能。光学式手ブレ補正も内蔵し、静止画撮影だけでなく動画撮影でも活躍するレンズです。
以下はAマウントレンズです。Eマウントのボディで使うにはマウントアダプターが必要です。
AマウントとEマウントについて
広角27mmから望遠375mm相当(35mm判換算)までを1本でカバーする、APS-Cフォーマットのデジタル一眼レフカメラ専用の高倍率ズームレンズです。非球面レンズ2枚、EDガラス2枚を使用し、諸収差を良好に補正。ズーム全域で高画質が得られます。最大撮影倍率は0.29倍、マクロ撮影にも威力を発揮します。また、レンズの自重で鏡筒が伸びることを防ぐズームロック機構採用で携行性を高めています。円形絞りによる美しいボケ味や、インターナルフォーカシングによるスムーズなAFも実現しています。