合併後の町民の関心が高まる議会傍聴を補完するため議会中継システムを構築。 新しい長島町の町議会は、鷹巣庁舎内の議場で開催される。 長島町は、2006年3月に旧東町と旧長島町が合併し、新しい町として生まれ変わりました。旧東町の役場を長島町役場、旧長島町の役場を指江庁舎とし、両庁舎間を光回線で接続するなど、体制を整えています。 新しい長島町の町議会は、長島町役場で運営することになりました。しかし、旧長島町の町民の方が町議会を傍聴するには、従来よりも遠くまで出向いていただくことになります。合併によって町民の方の町議会に対する関心は高まっていましたので、町議会を遠隔から傍聴できるようにすることで、より注目が集まるだろうと判断しました。そこで、両庁舎間の光回線を活用して、町議会の映像を指江庁舎に配信する「議会中継システム」を構築し、より多くの町民の方に町議会を見ていただける環境を整えることになりました。システムインテグレーターである南日本情報処理センターさんへ相談したところ、IPネットワーク上で映像を配信できるシステムとして、ビデオ会議システムが候補にあがりました。(濱田係長) 高精細な映像品質と低遅延を評価。
AnycastStationによる編集映像を両庁舎のPCS-G50で通信。 2007年10月に導入した今回のシステムは、ビデオ会議システムと中継用カメラ、AnycastStationで構成しています。旋回型3CCDカラービデオカメラBRC-300を中継用カメラとして採用し、議場の壇上後方側面に2台、議員席後方に1台の合計3台を設置しました。3台のカメラ映像とアンプシステムからの音声は、AnycastStationで制御します。鷹巣庁舎と指江庁舎に1台ずつ設置したビデオ会議システムPCS-G50が、その映像と音声をリアルタイムで送受信します。町民は、両庁舎の1Fロビーにある公開用40インチモニターで町議会の進行を視聴できます。また、各職員が使用するパソコンからも視聴可能です。(濱田係長・本田係長)中継用カメラのズームやパン、チルトなどは、AnycastStationで操作します。専門知識がいらず、誰でも手軽に操作できます。AnycastStationにはテロップ作成ツールも搭載されていますので、今後は発言中の議員の名前を表示するなど、より充実した中継にしたいと考えています。また、既存のアンプシステムを有効利用するため、現在は議員席のマイクの切り替えをAnycastStationとは別にしていますが、将来はマイクの切り替え操作も含め、すべてAnycastStationで管理する予定です。 町民に議会の雰囲気をダイレクトに伝える。発言者の意識も向上。 両庁舎のロビーに40インチモニターを設置し、より多くの町民に町議会を公開する。 別室に設置されたPCS-G50。 両庁舎への配信をここで行う。 町議会は、年4回(3月・6月・9月・12月)開催される定例会と、必要に応じて開催される臨時会があります。システム導入後、2007年12月と2008年3月の定例会で使用しました。この2回は試用として捉えており、次回の6月定例会から正式稼動します。今回のシステムによって、これまで傍聴席からは死角となっていた一部の議員席の様子も含め、議場全体を見ていただけるようになりました。さらに、長島町役場内にストリーミングサーバを設置し、町民のみなさんが自宅にいながら町議会を見ることができるよう、インターネットでのライブ配信も開始する予定です。その広報準備も進めています。(濱田係長) 1回目の議会中継では議員も緊張していたようですが、2回目ではカメラを必要以上に意識することなく審議に集中していたようです。しかし「見られている」ことは、いい意味で議場に緊張感を生んでいると思います。また、職員も所属部署に関係のある議題の際には、パソコンから議事進行を確認し、必要があればすぐに対応できるよう用意していると聞いています。議会中継システムを導入したことで、関係者の意識が向上しているように感じています。(本田係長) 運用を重ねよりよいシステムにしたい。オンデマンド配信も視野に今後はコミュニケーションツールとしての導入も検討。 執行部側から議員席を見る。中2階の傍聴席の壁面にも旋回型3CCDカラービデオカメラを設置した。 2度の議会中継を行った後、町民のみなさんに議員の表情をより判りやすく伝えるために、中継用カメラの数を増やした方がいいのではないかという意見も出ています。今後、運用を重ねながら検討していく予定です。 ライブ配信は、長島町のWebサイトを充実させるコンテンツへ、また町民のみなさんの役に立つツールとして活用される事を期待しています。ソニー製ビデオ会議システムの高画質・高音質によるライブ配信を、早く町民のみなさんにお届けしたいですね。さらに今後は、2庁舎間のコミュニケーションツールとしてビデオ会議を活用することも検討していく予定です。(濱田係長・本田係長) ※本システムは「株式会社 南日本情報処理センター様」のご協力により構築されました。
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